ずっと引っかかっていた
ミズキの正体を知ったあの日
なぜか既視感があった
魔族だったという事にも驚かなかった
どうしてなのか、
ずっと分からなかった
だが、今わかった
数十分前
ダンッッ
ツカサ
皆!!無事か!!??
ツカサ
――!
そこには
カナデによく似た魔族と
魔族の姿をしたミズキ
ノックスの隊員と思われる、青髪の少女
…そして
サキ
――…、え
俺を見て目を丸める
俺とよく似た少女
ツカサ
――まさか
サキ…? / お兄ちゃん…?
その時、すべて思い出した
…どうして、忘れていたんだ
そう思っているときだった
カナデ
ミズキ、思い出して
カナデ
…あなたの事
" i l l u s i e "
.☆.。.:*・゜ ゚+。:.
ツカサ
ッ――?!
サキ
ぅ…!
その場にいる全員が白い光につつまれた
そして、俺の記憶を確かめるかのようにミズキの記憶の断片が見えた
全て思い出した
ミズキは恩人だ
ツカサ
何故忘れていたんだ…、
ツカサ
(ミズキが苦しんでいるのなら、助けたい)
ツカサ
(自分にできることをしたい)
ミズキが、俺を救ってくれたように――
ツカサ
(迷うな、進め)
自分の望む方へ一歩を踏み出せ
ツカサ
(天を駆けるように――!)
ツカサ
ミズキ――!
グサッ
≪ Saki side ≫
サキ
(さっきからあの魔族の戦闘に入ることすらできない…)
サキ
(入ったら命はないって、肌で感じる)
イチカ
…ねぇ、サキ
イチカ
あの桃色の髪の魔族が、お兄さんをさらった魔族だよね
サキ
…うん、そうだよ
サキ
…早く、敵を討ちたいのに…
イチカ
…そっか、そうだよね
その時だった
ダンッッ
ツカサ
皆!!無事か!!??
サキ
――…、え
勢い良く入ってきたルクスの騎士
間違いない
兄だ
でもなんで
お兄ちゃんはあの日――…、
その時、白い光に包まれた
サキ
ぅ…!
全部見えた
全部知った
そして、自分が間違っていたことに気づいた
あの日、兄はさらわれたんじゃない
救われたんだ
幼かったから、勘違いしてたんだ――…、
サキ
ッ――、
サキ
謝らなきゃ…
サキ
…ううん、違う
サキ
(よく分からないけど、苦しんでるんだよね)
サキ
私にできることをしなきゃ…!
そう思い、一歩を踏み出した
…その時だった
グサッ