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梅澤
飛鳥
与田
バサッ
梅澤が勢いよく旗を振り下ろした。スタートの合図だ。 この瞬間、チーム存続を賭けたLost and foundの、 絶対に負けられない戦いの幕が上がった。
え?チーム存続ってどういうこと?だって?それは、遡ること数週間前…
ー数週間前ー
さくら
賀喜
さくら
賀喜
あの整備士コンビのチューンアップは異次元なのだ。 自分が予想していたよりも遥かにスピードアップしてしまう。 しかも、あまりの反動に普通の人間は運転することが出来ないのだ。 車の造詣が1番深い賀喜であっても。
さくら
賀喜
他愛もない話をしていると、どこからか、
ブゥゥゥゥゥン
聞きなれたエンジン音が聞こえてきた。
賀喜&さくら
音がした方を見てみると、見慣れた白のアメ車がこちらに向かっていた。
さくら
アメ車から降りてきた与田の顔はとても焦っているようだった。
賀喜
与田
さくら
そう言うと、与田は深刻な面持ちで話し始めた。
与田
賀喜
与田
さくら
賀喜
あのダイナーは3人にとって大切な場所である。それが買収されてしまう…
与田
与田
さくら
私は初耳だった。
さくら
賀喜
さくら
賀喜
さくら&与田
どう返したらいいのか、返答が見当たらなかった。
さくら
賀喜
ーそれから数日後ー
プルルルル
賀喜の電話が鳴った。Rain Bringerの山下からだった。
山下
賀喜
山下
賀喜
山下
賀喜
山下
ブツッ
電話が切れた。
賀喜
一方山下は…
思いもしない返答に頭を抱えていた。
山下
生田
今度は生田から思いもよらない発言が。
山下
生田
山下
生田
山下
生田
山下
そしてまたLost and foundへ…
さくら
賀喜
与田
プルルルル
さくら
さくらの電話が鳴った。山下からだ。
山下
さくら
山下
さくら
山下
さくら
山下
さくら
山下
プツン
与田
さくら
与田
さくら
賀喜
ーレース前日ー
さくらと賀喜はガレージにいた。
さくら
賀喜
さくら
バサッ
私が車に被さっていた布を取ると、美しい赤のマスタングが姿を現した。 これは元々私の父親のものだ。 使っていいと言われていたが今まで使ってこなかった。
賀喜
パシッ
さくら
賀喜
さくら
賀喜
さくら
賀喜
さくら
賀喜
さくら
私が右手の拳をグータッチしろと言わんばかりに、賀喜の前に差し出した。
賀喜
ガラララ
ガレージのシャッターが開いた。
与田
さくら
与田&賀喜
3人で改めてグータッチをした。
ーレース当日ー
さくら
賀喜
与田
ーレース会場へー
レース会場に着くと、もう先にRain Bringerたちが来ていた。 すると山下がふいにこちらに近づいてきた。 そして賀喜の耳元で何かを囁いた。
賀喜の耳元でー
山下
賀喜
山下
さくら
山下
さくら
山下
さくら
さくら
山下
さくら
山下
さくら
山下
さくら
山下
さくら
山下
さくら
ちょうど2人の会話が終わろうとしていたとき、
アナウンス
さくら
山下
さくら
ー現在ー
スタートの合図と同時に走り出した。若干金色の車が速いように見える。 金色の車のレーサーは齋藤飛鳥。Rain Bringerの中でも圧倒的に速い。
与田
全力でアクセルを踏む。しかし、相手も同じタイミングで踏み、 しかもあちらの方が速いため追いつけない。
与田
Lost and foundチーム劣勢のまま第二走者へと、繋がれた。
与田
与田の思いを受け取り、全力で追い上げを試み、 相手の後ろにぴったり着くことが出来た。 が、やはりRain Bringerは速い。 第三走者の繋ぐころにはまた差がついていた。
賀喜
私はさくらに届くよう、ありったけの声で叫んだ。
その声はしっかりと私の元に届いていた。
さくら
この一言と共に、ギアMAX、アクセル全開で 一足先に出た山下の車を追いかけた。
そしてとうとう山下の車と横並びになる直前のところまで追いついた。
しかし、このままでは山下が先にゴールしてしまう。
この車にもニトロが搭載されている。使うと一瞬だけ急加速する。 一瞬だけなため、使うタイミングがとても重要なのだ。
さくら
そしてゴール前へ…
さくら
ポチッ
さくら
その瞬間、
山下をギリギリで抜かし、ゴールした。
つまり、勝ったのだ。 Lost and foundがRain Bringerに。