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LINE３９２

第1話 - あ

2023年03月10日

#恋愛

結城真矢

メグミ

トシアキさん、今日は帰ってきますか？

メグミ

一応晩御飯の準備はしているのだけど…

トシアキ

あ？

トシアキ

いちいち連絡してくんなよ！

トシアキ

晩飯なんていらねーから笑

メグミ

え？いらないって…

メグミ

今日も何処かで食べてくるのですか?

トシアキ

当たり前だろ笑

トシアキ

問題でもあんのか〜？笑

メグミ

いや…

メグミ

問題はないですけど、毎日外食だと栄養が偏っちゃうかなって思って…

メグミ

それに、最近あまり家にも帰って来ないですよね？

メグミ

仕事が忙しいみたいですけど、身体大事にしてくださいね。

トシアキ

おい、お前。

トシアキ

うるせーんだけど。

トシアキ

専業主婦のくせに偉そうに言ってんじゃねぇよ！

トシアキ

外食ばかりで栄養が偏ってる？

トシアキ

家に帰って来ない？

トシアキ

そんなの、全部お前のせいだろ！

メグミ

え？

メグミ

私のせいって…何かしましたか？

メグミ

お付き合いしていた頃はとても優しかったのに、

メグミ

結婚した途端、専業主婦を蔑むような発言ばかりで…

メグミ

結婚して半年経ちましたが、

メグミ

専業主婦がお嫌いでしたら私仕事復帰した方が良いのでしょうか？

トシアキ

付き合ってた頃のことなんて覚えてねぇし笑

トシアキ

ってか、お前が仕事復帰？笑

トシアキ

笑わせんなよ笑

トシアキ

お前が仕事復帰なんて絶対出来るわけねぇじゃん笑

トシアキ

社会舐めんなよ笑

メグミ

いや…

メグミ

私、仕事復帰しようと思えば出来ますよ？

メグミ

半年前まで会社勤めしていましたし…

メグミ

トシアキさんが結婚したら専業主婦になってほしいって言ってたから

メグミ

退職したのですけど…

メグミ

そこまでおっしゃるなら社会復帰しましょうか？

トシアキ

え。

トシアキ

いや！仕事復帰しなくて良いって！

トシアキ

そんなことしたら俺の稼ぎが悪いと思われるだろ！

メグミ

そうですか…

メグミ

今時、夫婦共働きの家庭がほとんどだと聞きますので、

メグミ

奥さんも働いている＝旦那さんの稼ぎが悪いという話は別な気がします。

トシアキ

う、うるせぇ！！

トシアキ

もういいから！

トシアキ

ごちゃごちゃ言うなって！！

メグミ

すみません…

メグミ

あまりに専業主婦が気に入らないご様子でしたので

メグミ

確認させていただきました。

メグミ

今後は発言を慎みますね。

トシアキ

そうだそうだ笑

トシアキ

俺の奴隷となり、キビキビ働けよ笑

メグミ

奴隷…

メグミ

分かりました…

トシアキ

それくらい素直でないとな〜笑

トシアキ

今日は晩飯はいらねぇし、しばらく家にも帰らねぇから笑

トシアキ

さっき俺にごちゃごちゃ言ってきた罰だ笑

メグミ

そうですか…

メグミ

今後は気をつけますね…

トシアキ

あ、そうそう。

トシアキ

今月分の金はどうなってんだ？

メグミ

今月分のお金…ですか？

メグミ

すみません、何のことだかさっぱりです。

トシアキ

はぁ？

トシアキ

結婚してから毎月10万ずつ俺の口座に振り込んでたんだろ？

トシアキ

それが今月振り込まれてねぇんだよ！

トシアキ

だからどうなってんだって聞いてんの！

メグミ

何の話か本当に分からないです。

トシアキ

まぁ、とりあえずいいわ。

トシアキ

明日から急に１ヶ月の出張決まったからよ

トシアキ

こっちからラインするまで連絡してくんなよ！

メグミ

あ、はい…

メグミ

お仕事頑張ってくださいね。

〜1週間後〜

ヒデヒコ

メグミさん、お久しぶりだね。

ヒデヒコ

元気にしてたかな?

メグミ

社長！…じゃなくてお義父さん。

メグミ

お久しぶりです。変わらず元気にしていました。

ヒデヒコ

今は私の息子の嫁さんなんだから、社長呼びはやめてくれよ笑

メグミ

すみません…

メグミ

働いていた時の癖がなかなか抜けなくて…

ヒデヒコ

メグミさんが働いていた頃は本当に世話になったからな。

ヒデヒコ

トシアキとは上手くやっているかい？

メグミ

トシアキさんとは上手くやっている…と思います。

ヒデヒコ

辛いことがあったら遠慮なく私に話してくれていいんだよ。

ヒデヒコ

トシアキは本当に非常識で抜けている部分が多いから、

ヒデヒコ

メグミさんに負担をかけてしまうと思っていたんだ。

メグミ

いいえ、わざわざお気遣いありがとうございます。

メグミ

結婚してから半年経ったのですが…

メグミ

正直上手くやっているとは言いにくいです…

ヒデヒコ

そうだったか…

ヒデヒコ

何があったんだ？

メグミ

私が寿退社したのはもちろんご存知だと思いますが、

メグミ

それ以降、トシアキさんの様子がおかしくて…

メグミ

私のことを専業主婦だからと罵ったり、

メグミ

「お前が家にいるから、家に帰りたくないと言われ、」

メグミ

ここ数日は一切自宅に帰ってきていません。

ヒデヒコ

メグミさんが専業主婦になることを希望したのはトシアキだったよな？

メグミ

はい…

メグミ

仕事復帰したら状況が変わるかと思って打診してみたのですが、

メグミ

それはそれで「俺の稼ぎが悪いと思われるだろ！と怒られまして…」

ヒデヒコ

そうか…

ヒデヒコ

メグミさんに無理難題を押し付けているだろうとは思っていたが…

ヒデヒコ

愚息が本当に申し訳ない。

メグミ

お義父さんが謝ることではありません！

メグミ

私も至らない部分が多かったので…

ヒデヒコ

いやいや…

ヒデヒコ

あ、それと1つ確認したいことがあるのだが良いかね？

メグミ

はい、私がお答え出来る範囲のことでしたら何でもどうぞ。

ヒデヒコ

君たちが結婚した直後の話だが、

ヒデヒコ

メグミさんに少しでも良い生活をさせてあげたいからと、

ヒデヒコ

自分の口座に毎月10万円ずつ入金してほしいとお願いされていたんだ。

メグミ

毎月10万円ですか？

ヒデヒコ

あぁ。とりあえず半年という約束で入金していたが、

ヒデヒコ

生活に変化はあったかな？

メグミ

あの…こんなこと言うのも申し訳ないのですが、

メグミ

結婚直後から節約！と怒られ、最低限の生活しか出来ていません。

ヒデヒコ

はぁ！？

ヒデヒコ

あいつ…もしかして…

メグミ

そもそもお義父さんからお金を頂いていたこと

メグミ

トシアキさんからは何も聞いていなかったんです…

ヒデヒコ

そうだったのか…分かった。

ヒデヒコ

色々調べてみるからメグミさんは何も知らないフリをしていてくれ。

メグミ

分かりました…

メグミ

よろしくお願いします。

〜1ヶ月後〜

トシアキ

おい！お前これなんだよ！

メグミ

トシアキさん、久しぶりですね。

メグミ

1ヶ月ぶりの連絡でかなり焦っているみたいですが、

メグミ

何かあったのですか？

トシアキ

いや分かってるくせにとぼけんなよ！

トシアキ

離婚届ってどういうことだよ！

トシアキ

それに、この写真…

トシアキ

いつ撮ったんだ！？盗撮だぞ！！

メグミ

写真と共に置いてあった書類は見ましたか？

トシアキ

見たけど…

トシアキ

俺が不倫してただと！？

トシアキ

誰がこんな嘘を…

トシアキ

俺を敵視してるやつがでっち上げたんだ！！

トシアキ

こんな嘘情報に惑わされるなんて、お前は本当に頭が悪いな！笑

メグミ

そうですか…

メグミ

それでは誰がこんな嘘情報を流したんでしょうか？

トシアキ

そんなもの…お前がやったに決まってるだろ！！

トシアキ

俺のこと気に食わなかったんだろ?笑

トシアキ

だから金をぶん取って別れるためにこんな偽装工作をしたと…笑

トシアキ

俺が嘘の書類なんかに騙されるかよ笑

メグミ

そんな考えしか出来なくて残念ですね…

トシアキ

はぁ！？

トシアキ

お前！生意気だぞ！！

メグミ

今回、あなたの不倫に気づいたのは私ではありませんよ。

トシアキ

どういうことだ…？

メグミ

興信所を雇って不倫調査をしてくださったのは…

メグミ

お義父さんです。

トシアキ

へ！？

トシアキ

父さん！？

メグミ

はい。時々私にラインをくださるんです。

メグミ

トシアキさんと上手くいっているかと…

トシアキ

もちろん、上手くいってるって答えてたんだよな！？

メグミ

いいえ？

メグミ

お世辞にも上手くいっている状況とは言えませんでしたから、

メグミ

正直にお答えしましたよ？

トシアキ

は！？

メグミ

私が嘘をつくの苦手なことはご存知ですよね?

メグミ

お義父さんは私の話を聞いて色々思うところがあったみたいで、

メグミ

調査を買って出てくださったんです。

トシアキ

そんな…

トシアキ

じゃあ俺が不倫していたことは全てバレているのか…？

メグミ

はい。もちろんです。

メグミ

お相手は同じ会社の40代女性、既婚者の方ですよね?

トシアキ

え…

トシアキ

そんなとこまで調べてんのかよ…

メグミ

当たり前ですよ。

メグミ

興信所が調べられないことはないそうですし。

メグミ

お相手の旦那さんにも不倫の証拠お送りしていますので、

メグミ

あちらのご家庭も修羅場になっている頃かと…

トシアキ

相手の旦那にも！？

トシアキ

いよいよまずいことになってきたじゃねぇか…

トシアキ

って…おい！！

トシアキ

父さんにバレるのが1番まずいじゃねぇかよ…

トシアキ

父さんに見捨てられたら俺マジで生きていけねぇよ…

メグミ

そうですよね。

メグミ

お義父さんは先祖代々続く会社を経営されていますし、

メグミ

あなたはその子会社で働いているわけですから。

トシアキ

おい！お前！俺のこと助けろよ！

トシアキ

専業主婦のくせに！！

メグミ

あ、そういえば伝えていませんでしたが、

メグミ

私、復職したんですよ。

トシアキ

なんだって！？

トシアキ

復職って…まさか…

メグミ

もちろん、お義父さんの会社です。

メグミ

以前は本社で社長秘書を勤めていましたから。

メグミ

つまり、お義父さんの直属の部下というわけです。

メグミ

ちなみにあなたも不倫相手の方もクビだそうですよ。

メグミ

就業時間中にも不倫デートを繰り返していたようですね？

トシアキ

へ…？クビ…？

トシアキ

クビになったら俺どうしたらいいんだよ！！

トシアキ

いいこと考えたぞ！！

トシアキ

不倫相手とは別れるから離婚はなし！！

トシアキ

お前が働いて俺が専業主夫になるよ！

トシアキ

それと今まで通り毎月10万円俺の口座に振り込んでくれよ！

トシアキ

これで全て元戻りなんだし、文句ねぇよな！？

メグミ

不倫相手と別れても離婚は確定事項です。

メグミ

それに…あんなにバカにしてた専業主夫になるんですか？あなたが？

メグミ

無理でしょう笑

トシアキ

何だよその言い方！！

メグミ

ちなみに10万円振り込んでいたのは私じゃないですよ？

トシアキ

え？

トシアキ

お前じゃないなら誰が…

メグミ

それもお義父さんです。

トシアキ

それも！？

メグミ

というか、トシアキさんが自分からお願いしたんですよね?

メグミ

私に少しでも良い生活をさせてあげたいからと。

メグミ

実際には節約三昧でしたが…

トシアキ

あれ…？

トシアキ

そうだったかな…

メグミ

半年前の記憶すら曖昧だなんて、

メグミ

不倫して脳みそが溶けたのではないですか？

トシアキ

なんだと！？

メグミ

本当のことですよね？

メグミ

実際お義父さんが振り込んでくださった月10万円は、

メグミ

ホテル代や不倫相手へのプレゼント代に消えていたようですし…

メグミ

返金してもらうつもりだとお義父さんが言っていましたよ。

トシアキ

返金って…1ヶ月10万円×半年で60万だぞ！？

トシアキ

無職の俺に無理に決まってるじゃねぇか！

メグミ

60万円なんてまだ可愛い方ではないですか？

メグミ

あなた自分の立場分かってます？

メグミ

あなたは不倫したのですから慰謝料を支払わなければいけないですよね？

メグミ

もちろん私だけではなく、不倫相手の旦那さんにも。

メグミ

私達は結婚半年なのでそこまで金額は大きくないと思いますが、

メグミ

お相手の方は結婚25年らしいのできっと高額になるでしょうね。

トシアキ

あ…

トシアキ

忘れてた…

メグミ

本当に脳みそが溶けてしまったようで…可哀想に…

メグミ

さっさと離婚届に判を押して、慰謝料をお支払いください。

メグミ

私は一切譲歩しません。

トシアキ

そんなぁ…俺のこと助けてくれよ…

メグミ

お義父さんからの伝言です。

メグミ

お前とは絶縁する。

メグミ

実家の敷居を跨ぐことは許さん！

メグミ

だそうです。

メグミ

それではご愁傷様でした。

メグミ

さようなら。

トシアキ

え！？絶縁！？

トシアキ

もう無理だって…

トシアキ

誰か助けて…

〜後日談〜

メグミ

こうして私はトシアキと離婚をしました。

メグミ

トシアキは会社をクビになり、不倫相手とも別れ、

メグミ

義実家にも絶縁されました。

メグミ

行くアテも希望を失い、今ではホームレスになってしまったようです。

メグミ

不倫相手の女も同様、旦那さんと離婚。

メグミ

再就職が難しい年齢ということもあり、夜のお店で働いているとか…

メグミ

半年という短い結婚生活でしたが、

メグミ

モラハラや不倫等良い思い出はほとんどありません。

メグミ

逆にスッキリ別れられたので良かったかもしれないと

メグミ

プラスに考えることにしました。

メグミ

しばらくは仕事一本で頑張って、

メグミ

落ち着いたらまた良い人を見つけたいです！

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