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キース

来なよ

キース

君の全力

リオン

はい、そのつもりです

リオン

私のプライド全てをかけて

リオン

貴方を倒します

グッと刀に力を込めて意識を集中させる

花びらが彼女を包んで自分の方に迫ってくる

キース

はは…

キース

なんて…

キース

なんて綺麗なんだ

リオン

キースさん!!

リオン

マリアさんを

リオン

私にください!!!

キース

嫌だね!!

キース

僕よりも強くなければ

キース

妹は渡せない!!

カキーン、カーン、キーン

刃が当たりあい何度も火花が散る

キース

大事な妹なんだ

キース

半端なやつに渡す訳には行かない

リオン

…もっと強くなります

リオン

もっと磨きます

リオン

なので、私に預けて欲しいです

キース

真剣な顔でそう言う彼女は刀という武器に魔力を流し込むと均等していた力が傾き始めた

キース

ぐ…っ…

キース

(俺の…魔力が…っ…)

リオン

う…うぅ…

リオン

おあぁぁあ!!!!

パリーン

俺の剣は真っ二つに折れて遥か先へ刺さった

キース

はぁ…はぁ……

リオン

っ…はぁ…

首に刀を当てられ彼女はぶれることなく口を開いた

リオン

マリアさんを

リオン

……ください…!!

キース

はぁ…はぁ…

キース

…っ…はぁ…

キース

………

キース

……分かったよ

キース

「まいった」

キース

僕の負けだ

リオン

はぁ……はぁ…

「キース・レッドウェルガの降参が認められました 勝者 リオン・アルファ」

マリア

……リオン

アルカルト

…強いな、彼女は

シオン

そりゃあ、俺の弟子だからな

アルカルト

……はぁ…

アルカルト

…私も覚悟を決めなければならない

アルカルト

シオン

シオン

ん?

アルカルト

後で私の部屋へ

アルカルト

リオン・アルファと共に来て欲しい

シオン

…ああ

マリア

お父様……

リオン

マリアさん!!

マリア

…リオン

リオン

勝ちましたよ!

リオン

マリアさん!!

勝利の報告をしても、マリアさんの顔は晴れていなかった

シオン

リオン

リオン

リオン

し…師匠…

リオン

どうして…

シオン

ちょっと、いいか

リオン

………はい

異様なその雰囲気に私は嫌な予感が絶えなかった

リオン

え…

突然告げられた真実

8年前のこと

そして、今目の前にいるのが

母を殺した張本人

シオン

黙ってて悪かった

シオン

記憶、返すよ

師匠は私の頭に手を翳すと曖昧だった記憶の断片が流れてきた

ザシュッ

目の前で母は剣に貫かれ倒れた

アルカルト

…すまない…

アルカルト

本当にすまない…

アルカルト

…こうするしか…

アルカルト

こうするしか無かったんだ…

リオン

お母…さん…

リオン

お母さん…!!

リオン

どうして…!

リオン

っ…人殺し…!!!

リオン

いつか…

リオン

いつか…殺してやる…っ…

アルカルト

…すまない…

シオン

リオン…

シオン

行くぞ

リオン

嫌だ…

リオン

離してよ!

リオン

シオン!!

リオン

はぁっ…!!

リオン

はぁ…はぁ…

シオン

………

リオン

(…こいつが…殺した…)

リオン

(私の…家族…)

リオン

(こいつが…)

腰に提げている刀の柄に手をかける

リオン

………

アルカルト

……もう、覚悟は出来ている

アルカルト

罪は償う

リオン

………

引き抜こうと思った

切り捨てようと思ったんだ

でも、出来なかった

リオン

………

リオン

殺しません

アルカルト

……え?

リオン

殺しません

リオン

貴方のこと

アルカルト

な…なぜ…

リオン

……だって

リオン

マリアさんをあんなに立派に育てた

リオン

マリアさんのご家族…ですから

アルカルト

シオン

……ぷっ…

シオン

はははっ!!

シオン

リオンならそう言うと思ったよ

リオン

私が復讐なんて馬鹿な事する訳ないでしょ

リオン

マリアさんに嫌われたくないし

アルカルト

い…いいのか?本当に…

リオン

はい、別にいいです

リオン

許す…訳じゃないですけど…

リオン

…マリアさんと出会わせてくれて

リオン

…それだけで、本当に良かったんです

シオン

すげーんだな

シオン

あのマリアって子

アルカルト

それほどまでにあの子に…

リオン

…はは…

リオン

初めてだったんです

リオン

あんなに…

リオン

…綺麗で

リオン

信頼してくれる人

アルカルト

………

アルカルト

ありがとう

アルカルト

娘を愛してくれて

リオン

いえ…

リオン

それよりシオン

シオン

シオン

……はい、リオン様

リオン

重かったよね

リオン

ありがとう

リオン

私の記憶

シオン

いえ

シオン

オリン様の命令でしたから

リオン

全部思い出した

リオン

…お母さんも、私の事も

師匠…シオンはお母さんの使い魔 私の、小さい頃からの遊び相手

リオン

もう、大丈夫

シオン

…それは良かった

シオン

俺も安心して行けるよ

そう言うとシオンは笑顔で消えていった

使い魔は主人を失ったら一緒に消える

ただし、命令を完遂してない場合は完遂するまで存在し続ける

私が強くなるまで見守る

それがお母さんが最後にシオンに託した命令だった

ガチャッ

陛下の部屋を出ると前の壁にマリアさんが寄りかかって待っていた

リオン

マリアさん

マリア

………はぁ…

マリアさんは私の傍に来るとギュッと抱きしめた

リオン

マリア

……

マリア

お疲れ様

リオン

…はい

マリア

…お帰り、私のお婿さん

リオン

……はい!

従順な番犬のリードを握るのは皇女様

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