帰り道。
あの公園に着くと、 ベンチに唯が座っていた。
悠樹
お、唯ー!
唯
悠樹…!
悠樹
家案内してもらってええ?
唯
うん!
唯
今日言いたいことあるんだよね、!
悠樹
何ー?
唯
好きな人できた…!
その瞬間、心臓が一気に縮んだ ような気がした。
好きになるって、こういうことか。
悠樹
あ…そうなんや、!
悠樹
頑張って、な!笑
多分今、俺の笑顔はすごく歪で、 ぎこちない。
唯
あれ、もっと詳しく聞いてくると思ったのに…
悠樹
あんま聞くと…あれやよなって、笑
唯
いいよ全然!
悠樹
そ?じゃあ…
悠樹
性格は?
唯
優しくて、真面目で、明るくて…!最高、
悠樹
見た目、
唯
お団子で、キラキラしてて、ほんとに可愛い…
悠樹
身、長…
唯
僕とそんな変わらないかな笑
悠樹
、学…年…?
唯
同級生!同じクラス。
あぁ、どうしよ、苦しい。
質問すればするほど、胸が痛い。
なんか、情けないな。 せっかく…唯が好きな人出来た って言うのに。
なんで一人で落ち込む必要あんだよ、
唯
…ね、体調とか大丈夫、?
唯
すごい顔色悪いよ…?
悠樹
あ、え?全然そんなこと、ないで、
頑張って笑顔をしようとしても 全く笑えない。
唯
でもあからさまに元気ないじゃん、
唯
無理して家来なくてよかったのに…
悠樹
や、ほんと大丈夫!
悠樹
元気!
唯
なわけ、
唯
ベッド、使っていいよ、!
悠樹
あ、ありがと…
唯
どっか痛い、?
悠樹
どこも。
お願い、
優しくしないで。
諦めきれないよ、俺…
好きな人は、別の人が好きだ。
両想いの方が珍しいって、 十分分かってる。
でもさ、
悠樹
好きなもんは仕方ないやん…っ、
勝手に期待して、勝手に辛くなってさ。
ほんと、俺って最低。
悠樹
唯、
悠樹
絶対、絶対絶対絶対…
悠樹
幸せになりなよ───
足には海水が伝って、 小さな傷口に染みた。






