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# 17 . 君のせいじゃない

先生がこんなことで 俺のことを嫌わないのは知ってる

ただ顔が見れない

俺だって嫌だけど こんなことは今までも いっぱいあった

その度に先生が どんな顔するかは見てきたから 今もどんな顔してるかわかる

…だから、…

だから、怖い

せんせ、ぇ…

なぁに?

春の木漏れ日にみたいに ふわふわしてあったかい優しい声

冷えきった体もあったかくなる

熱が戻ってくるみたいな感覚

…おれ、…

言いたい本音が 出てきそうになる

けどこれは俺なんかが 言っちゃいけないよね

…しにたいんだよ…

…ぇ、っ…

声にならない声っていうのは 今みたいな声なのかな

しにたいの゙ッ…!!

しななきゃ、ッ゙…

涙が止まらない

ますます顔が見れない

赤゙ッ…!!!

俺を握る手が強くなった

力を込めてるから熱い

…だめだよ、ッ゙

桃ちゃ、ッ゙…

桃ちゃんは音もなく 黄先生の後ろに立ってた

ふらふら、ふわふわ 俺らのところに来て 先生と俺の手を握って

赤、おれはね

生きてほしいの

うまく喋れてないのに 俺と黄先生の手を離す気はない

俺と黄先生を握る手は とても熱い

桃ちゃ、…熱がッ゙…

どーでもいい゙ッ…

おれは、赤が…だいじで…

となり゙、いてほしくてッ゙…

桃ちゃんッ゙!!

むり、しないでッ゙…

赤゙…が、ッ…

…ぃ゙ッ、たぃ゙…

桃く、ッ゙…

…赤゙ッ…

桃くんの体調は元々悪かった

そしてここまで 階段で登ってきて こんな寒い季節に 薄着でここにいる

本当に危ない

いつ倒れても不思議じゃない

桃ちゃ、ッ゙…

おれ、ッ…いきるから…

…へや、もどろ…?

さっきまで全身に力が入ってたのに 今はリラックスしたように 全身が脱力してる

桃くんの手に自分の手を添えて なんなら握り返して…

けど桃くんは 僕らを握る手を緩めなかった

…桃くん、赤も
こう言ってますから
もう大丈夫ですよ

ふ、ッ゙…ぅ…

桃くんを撫でようとしてた手は 桃くんの頭に当たることなく 宙を切った

はぁッ゙…はッ゙ひゅ゙…

桃くんが倒れた

桃くん゙ッッ゙!!!

桃、ちゃッ゙…はッ゙ひゅッぅ゙

ふッ゙…っはッ゙はッぁ゙…

赤の呼吸も浅くなって 僕は全身から血の気が引いた

目の前が真っ暗になるようだった

青先生ッ゙!!

急いで桃くんの病室に駆け込み 青ちゃんの名前を呼ぶ

黄先生ッ゙…桃くんが、ッ…

って、なんでッッ゙!?

理由は後でちゃんと
説明しますから゙ッ!!

わ、わかったッ゙…!!

僕はだらんとしている桃くんを ベッドに横たわらせ 青ちゃんは薬などを取りに行った

こわい くるしい さむい

おれの゙…せいッ゙…

…赤くん

紫せんせいのこえ

おこってる? かお、みれない

こわい

だいじょうぶ

赤くんのせいじゃない

…でも、ッ゙…おれがッ…

俺があんなところにいなければ

俺が心配をかけなければ

俺が、元から 生きてさえいなければ

赤くんのせいじゃない

やさしいこえ

桃くんは自分の意思で
赤くんを助けたんだよ

赤くんに
生きて欲しいから

おれが生きていいところなんて どこにもないよ

嫌われるくらいなら 生きてないほうがいいんだよ

今回短めだったので 割と早めに投稿できました‼️

もうすぐラストに 差しかかりますね

この作品はいかがでしたか?

910

コメント

4

ユーザー

続き楽しみにしてます

ユーザー

何回見ても好きすぎます、、 続き待ってます!!

ユーザー

今回もとても最高でした 続き待ってます

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