一目惚れ

肩こりも酷くなって来たし、残業ばっかりでもうヘトヘトだ。 帰ったら、ゆっくり寝るとしよう

死神の仕事は、会社でもうすぐ亡くなる人間の経歴やらなんやらを資料にしてまとめたり、その人間の魂を取りに行ったりと、それはまぁ疲れる仕事だ

まぁその代わり給料がいいし、頭の良さではなく耐久性があるかによってこの仕事を受けれるか受けられないかを決めている

俺はどちらかと言うとまだ耐久性がある方なので雇って貰えているという感じだ

まさか見つかるのは思ってなかった！！

やばい正直に言っちゃったよぉぉ

やばいやばいやばいこれはやばい！！！

そうか。

「猫宮いふ」 死亡時刻 11月26日 9時20分 死亡理由 病気による死亡 (元々掛かっていた病によるもの) ＿＿＿＿＿＿＿＿ ＿＿＿＿＿＿＿＿ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

色とりどりな花の冠をないこの頭にかける

まろにギュッと抱きしめられる。花のかんむりが崩れないか心配にもなったが、それよりも、人ってこんなにも暖かいんだって、初めて実感した

でも少し恥ずかしい

まろからパッと離れ、別の話に話題を変える

愛していけないとは分かっていた

俺は死神で、まろは人間。それに、まろはもうすぐ死んじゃう

それなのに、彼に生きていて欲しいだなんて

まろの魂を貰いたくないだなんて

こんなの仕事放棄だ

それなのに...

まろへの愛は心の底だけには収まらない

もし俺が普通の人間で、まろは病気もなく、元気に過ごせていたなら、どれだけ良かっただろう

全部全部大好き

好きすぎておかしくなっちゃうそう

一目惚れって厄介だなぁ...

頬に手を当てられる

目を瞑ると、リップ音がその場に響き渡った。

これから、1週間

君とどんな思い出を作ろうか。