僕の彼氏は少し狂ってる

僕達の関係性は普通だった。彼から告白されて、普通のお付き合いをして、それからたまに体を重ねて。

今日だって、僕の家で交わってた。

思えばこの時がターニングポイントだったかもしれない。僕は東雲くんの異変に気付かなかったけれど

東雲くんは仄暗い瞳のままだった

最近神代センパイに近付いてるあの男。名前も顔も知ってる、職員室に忍び込んで神高全校生徒の個人情報が載ってる児童名簿を見たからな。

神代センパイは変人ワンツーフィニッシュの色々作るほう、学校に爆破予告をしたやばいセンパイの一人。そしてオレの恋人。

イライラする。むしゃくしゃする。センパイは柔和な態度で接してるし、いつもの笑顔で対応してる。それ自体は別にいい、ただ、

ｶﾞｼｬﾝ!!

あの男に見立てて蹴り飛ばしたゴミ箱は真ん中がべこんとくぼんでる。物に当たってもイラつきが収まる訳でもねえのに

邪魔なら消せばいいんじゃね？

まさかこんな軟弱ヤローだとは思ってなかった。オレが人当たりのいい笑みを浮かべて適当な理由を並べたらあっさりついて来たし、バカじゃねえの

男が怯えた瞳で見てくる。目の中は反抗する意思も無いようだが、こんなんじゃまだまだ足りない

ﾊﾞｷｯ！！…ｸﾞｯ、ｺﾞｷｯ！

肩外したぐらいで大袈裟なんだよ、こいつ

気を失ったか死んだか、まぁどっちでもいい。変わんねえしな

昨日届いたばっかの盗聴器を仕込まないといけない。それにセンパイの体にもまたオレの跡を上書きしないとな

ぶちっと僕の肩からする嫌な音にまた噛まれたのだと理解する。東雲くんは狂犬のようにすぐ僕に噛み付いては見える所にも残すから隠すのが大変だ

ｽﾞﾁｭｯ！！ｸﾞﾘｯ！

仕置きと言わんばかりに奥を突かれる。イイ所をぐりぐりと刺激されては体の痙攣が止まらない。ずっと絶頂を迎えてるみたいだ

不機嫌そうな東雲くんがそのまま僕の唇に噛み付いて深いキスをしてきた。下は繋がったまま、後頭部をしっかりと固定され鈍い金色の瞳が僕を射抜きながら濃厚なディープキスをされればキュンと体が疼いて仕方ない。

ﾋﾟﾁｬ…ｼﾞｭｯ、ｼﾞｭｳｯ、ｸﾁｭ…

濃厚過ぎるキスが終わって軽く絶頂を迎えてた体には今の刺激が強すぎて意識を保つのが難しくなる。

ｽﾞﾁｭｯｽﾞﾁｭｯｽﾞﾁｭｯ！

ｸﾞｲ、ｺﾞﾁﾞｭｯ！！ﾄﾞﾁｭｯ！

ﾌﾟｼｬｱ！！ﾌﾟｼｯ、ﾄﾛﾄﾛ…

もう気持ち良すぎて他の事なんか考えられない。僕に覆い被さって楽しげに笑う彰人くんしか見えない、

…あの日は、それ以降特に記憶がない。多分途中で気を失ったから。

日が暮れた頃、ようやく興奮が収まった。体にいくつもの酷い噛み跡やキスマークが付いたセンパイは死んだように眠ってる。

盗聴器を仕掛けるなら今だろう。ベタなのはコンセント裏とかだが、この人の場合身近にあった方が多分気付かない。だから作業机の裏

マイクテストを兼ねて少し大きめな声を出せば後ろで眠るセンパイが身動いだ気配

この人はオレが今日何をしたかも分かって無いんだろうなぁ。あんたにしつこく言い寄ってたあいつ、もう二度と来ないから安心して下さいね、センパイ♡

今はまだ閉じ込めて置けるほどの力も財力もない。でもいずれは…

あんたならオレの全部受け入れてくれるよな？