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読み切り作品
あったかもしれない未来
赤桃 青桃 nmmn
赤くんメイン
前垢 過去作品 再喝
恋をした
初めての恋
初めて会ったとき
君に一目惚れした
君は
優しくて
声が良くて
かっこよくて
かわいくて
そんな君に恋をした
桃
桃
赤
もう叶わないけれど
好きな人に彼氏ができた
しんじれない
しんじたくない
そう思ってしまう自分が嫌だ
幸せを素直に喜べない自分が嫌だ
でも
赤
赤
桃
赤
赤
桃
赤
君の目に映る俺は
いつも通りでいさせてね
桃
桃
桃
桃
桃
桃
赤
赤
桃
桃
あーやばい
好きな人の惚気話聞いてるときって
こんな気持ちになるんだ
桃
桃
桃
桃
赤
桃
赤
赤
桃
桃
赤
赤
桃
赤
赤
桃
ごめん、桃くん
俺
赤
頭を殴られたような衝撃
鉛がついてるのを疑うほどに重い体
歩けない、足が重い
今すぐにでも泣き叫びたい衝動に襲われる
沢山の初めてのことに
頭がついていけない
大事な話って言って呼び出されたから
てっきり告白してくれるかと思ったじゃん
あー勘違いして馬鹿だな俺
でも俺がもっと頑張ってれば
そんな未来もあったよね
そうだ、あったかもしれなかったんだ
そんな未来も
それを自分から潰して
赤
耐えきれずに頬に伝った雫を
無視しながら歩いた
前髪を下ろして
少し長くするように引っ張りながら
目を隠しながら歩いた
あの日俺は
初めて君を想って泣いた
赤
大きくため息をつきながら
スマホを開く
いつも見ている動画配信アプリで
いつも通りに動画を見る
好きな人と付き合うことになりました! 今まで本当にありがとうございました😭 皆様の恋が叶うことを願っています🍀︎︎➰
赤
この人ずっと応援してた人だ
よかったぁ
付き合えたんだ
「おめでとうございます㊗️」
「叶ってよかった;;」
「私も今日告白します! 成功しますように🍀」
「おめでとうございますー!💐❤️ 私は失恋しちゃいました笑 私の分まで幸せになってください🥹🥹」
赤
この人俺と同じだ
俺と同じで失恋したんだ
赤
そっか俺失恋したのか
そっか
そっか...
赤
赤
辛くて苦しくて
でも愛おしくて
この気持ちを君以外に向けることは
俺にはできない
赤
一筋の雫が頬を伝う
その雫が「涙」だと自覚してからは
涙が止まらなかった
赤
赤
赤
赤
気持ちの整理なんてできなくて
ただ今は
泣くことしかできなかった
失恋してから2週間
未だに心の整理がついてない
もう干からびるんじゃないかって泣いても
涙は止めどなくでてくる。
失恋してずっと泣いてたあの夜から
空っぽになったように
最低限のことしかできなくなった
寝たくない
夢で君に会うから
でも寝たい
君をずっと想ってしまうから
赤
お腹空いたな
どんな状況でもお腹は減ってしまう
カップ麺を開け、お湯を注ぐ
非常食としてとっておいたカップ麺は
もう一つもなかった
全てのことにやる気が起きない
やる気を出そうと
癖で写真フォルダを開く自分を恨む
開いた途端に彼の眩しい笑顔が目に入り
苦しくなる
泣いてしまう
苦しいのに
写真を遡ってしまう俺は
自分で思ってた以上に
君に依存していた
赤
こんな気持ちになるなら
こんな結末になるなら
恋なんてしたくなかった
泣きながら麺を啜り
しょっぱい味に嫌気がさす
この味は嫌い
きれたカップ麺を横で見て
重い体を持ち上げ
久々に服を着替える
パーカーで深く顔を隠し
外に出た
赤
赤
1週間ぶりの外出
太陽は思ったより眩しくて
俺を明るく照らして
俺の気持ちとは反対だな
と馬鹿なことを思いながら歩く
また1週間分カップ麺買わなきゃ
店員さんにびっくりされるんだよなぁ
どうしよう
我ながら馬鹿みたいな悩みだと思う
桃
赤
赤
視界に映ったのは愛してやまない人
なんでここにいるの
という疑問を飲み込みながら
状況を整理した
桃
桃
桃
桃
赤
赤
赤
赤
桃
桃
赤
桃
納得しなさそうな顔で
こちらを見る桃くん
心配そうな
悲しそうな
そんな顔で俺を見る
本当に愛おしい
でも苦しい
桃
桃
桃
優しいなぁ、相変わらず
赤
赤
赤
桃
桃
桃
桃
赤
赤
桃
桃
赤
桃
桃
赤
赤
桃
赤
桃
赤
赤
桃
赤
桃
桃
赤
桃
赤
桃
赤
赤
桃
桃
桃
赤
彼の頬がほんのり赤く染まる
そんな姿も愛おしい
彼氏さんはこれをもっと味わえるんだ
いいなぁ、
桃
赤
赤
桃
赤
桃
桃
桃
桃
赤
赤
赤
赤
桃
桃
赤
桃くんはすごいね
さっきまで空っぽだった俺を
こんなに満たしてくれるんだから
赤
桃
赤
赤
桃
桃
赤
赤
赤
赤
桃
桃
桃
桃
赤
赤
桃
赤
赤
桃
桃
桃
その言葉を聞いた瞬間に
体を起き上げる
赤
桃
赤
桃
赤
赤
桃
桃
赤
桃
赤
赤
桃
桃
赤
赤
桃
彼の頬が紅潮していく
それを見られたくないのか顔を背けた彼
赤
桃
赤
桃
赤
桃
くるりと顔を向けてくれる桃くん
その顔はさっきよりも赤くなってて
とってもかわいい
桃
桃
照れてぼそぼそと言う彼が愛おしい
恥ずかしいのにちゃんと伝えてくれる
彼の誠実さにまた惹かれる
赤
桃
赤
赤
桃
桃
夢の光景を思い出すと少し体が強ばった
でもその不安を桃くんは受け止めてくれた
大切な彼にハグをする
大好きな彼の温もりを感じる
あったかもしれない未来じゃなくて
今この瞬間を大切にしよう
そう思わせてくれた彼と
甘い口付けを交わした
これからも一緒にいられますように。
そう願いを込めて。