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もしも記憶が消えたとしても

第1話 - もしも記憶が消えたとしても

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2019年08月16日

#感動

は

翔

はーるーかー！！

遥

わっ

遥

おはよ、翔くん

遥

朝から元気だね

翔

まあ、朝いちで好きな人の顔みれるからな！

遥

何言ってんのよ笑

翔

そう言えば、もうすぐで付き合って2年だろ？

翔

どうする？どっか行く？

遥

あー、

遥

うん

遥

いいよ

翔

やった

翔

どこ行こーかねー！

その時は遥の体がどんどん蝕まれていることなんて知りもしなかった

授業中

先生

えーと、この式の公式はこうなって…

翔

あ、遥あいつ寝てる？

翔

机に突っ伏しやがって

翔

(おいっ！遥っ)

遥

ん、

遥

あ、ごめん、

翔

寝てんのかよ？

翔

寝不足？

遥

あー、うん

遥

最近寝れなくてさ

翔

ちゃんと寝ないとだめだぞ？

遥

うん、ありがと

先生

コラっ

先生

そこの2人！！

先生

今先生が話してたこと言ってみろ

翔

やっべ

遥

あ…え、と、

先生

お前ら2人は居残りで掃除な

翔

はぁー？！

遥

ごめん、翔くん。。

翔

あーまあ

翔

遥とふたりなら大丈夫！

遥

ありがと、ごめんね

放課後

翔

こんなもんでいいか

遥

うん、だいぶ綺麗になったんじゃない？

翔

おう！

遥

じゃ、ゴミ捨ててくる！

翔

ありがとー

ドサッ

翔

遥？？

そこには倒れてる遥がいた

翔

おい！！

翔

遥！

翔

大丈夫か？！！？！

遥

……っ

翔

誰か！！

翔

誰か来てくれっ！！

先生

どうしたんだ、すごい声出して

翔

先生っ

翔

遥が！

先生

…事情は後で聞く
すぐ救急車呼ぶからな！

すぐに救急車が来て遥は乗せられた

翔

遥っ！！！

翔

先生っ、俺も乗ります

先生

だめだ、お前は待ってろ

翔

でも…！！

先生

あっ！！ちょ…

翔

遥…、大丈夫か

翔

遥……

先生

お前、、知らないのか

翔

何をですか！

先生

…聞いてないのか。

先生

わかった、なんでもない

病室

翔

遥っ

翔

遥っ！！！

遥

…翔くん？？

遥

私…

翔

！！！

翔

やっと目覚ました！！

翔

もう会えないんじゃないかって思って

遥

翔くん、泣かないでよ

翔

ご、ごめん、ううっ

遥

大丈夫だからさ

翔

遥、どこか悪いのか？

遥

……

遥

ううん？

遥

あ、でも昔から貧血持ちで、たまに倒れたりしてたかな

遥

多分それだよ

翔

そっか、

翔

そのくらいならよかった。。

コンコン病室のドアが開く

遥

はい

翔

先生？

先生

遥、調子はどうだ

遥

お兄ちゃん、うん、大丈夫だよ

翔

は？！お兄ちゃん？！？！

先生

お前…いたのかよ

翔

ちょ、どういうことっすか！

翔

はるか？！？

遥

先生は私の実のお兄ちゃんなの

先生

ま、そういうことだ

先生

ちょっと2人にさせてくれないか？

翔

でもっ、

遥

翔くん、

翔

わかった

先生

いま、病院の先生と話してきた

遥

うん

先生

だいぶ悪化してるみたいだ

遥

そっか

遥

そんな気してたよ

先生

手術、受けてみないか？

遥

いや

遥

前にも言ったよ

遥

確率は低いんでしょ？！

遥

手術しても治らなかったら？！

先生

…でも俺は遥に生きてて欲しい

先生

それは、きっとあいつも同じだ

遥

翔くん…？

遥

まさか、翔くんに病気の事言ってないよね？

先生

言うわけないだろ

先生

大丈夫、病気のことは言ってないよ

遥

そっか。

遥

でも、とにかく手術は嫌なの

遥

後どのくらい生きられるの？

先生

…

先生

あと、3ヶ月だって。

遥

……

遥

そっか

遥

だったらなおさら、

遥

残りの人生でやり残したことした方がいい

先生

…っ

翔

おーいもういいですか？？

先生

あ、もう入っていいぞ

ガラッ

翔

なんの話してたの？

遥

大したことないよ

先生

俺、1度学校戻るな

先生

じゃ、またなんかあったら呼べよ

先生

翔、遥を、頼んだぞ

翔

あ、はい

遥

翔くん、

翔

ん？

遥

(…翔くんを残して死ねないよ)

遥

あのさ、

遥

別れて

翔

は？

翔

なんで？

翔

どういうこと？、

遥

もう、翔くんに付き合いきれない

遥

ごめん、

翔

うそだ、

翔

嘘ついてる顔してる

遥

…っ

遥

もう、、、

遥

なんで、分かっちゃうの、、

遥

ううっ

翔

遥？！

翔

なんで泣いてんの？！

遥

私ね、

遥

本当のこと言うね

翔

本当のこと？

遥

私、病気なの

遥

その病気ちょっと厄介でさ

翔

え

翔

嘘だろ

遥

しかも余命宣告されちゃってさ。

遥

あと3ヶ月だって

翔

うそ、だ

翔

遥…、だって元気だっただろ？！

遥

うん、なんでかな。

遥

ほんとは3年前からずっと病気と戦ってきて

翔

俺と付き合う前から？

翔

じゃあ、俺がそばにいる時も辛かったのか？！

遥

うん、

翔

ごめんな、、

翔

気づいてやれなくて

翔

俺がずっとそばにいたのに

遥

翔くんは悪くないよ

遥

いつも私の支えだったよ

翔

その、病気って言うのはどういう病気なの？

遥

…

遥

記憶がどんどん消えていって、

遥

それが大切な人だろうと、それが翔くんだろうと忘れちゃうかもしれない

翔

え

遥

それにちょっと特殊でさ、

遥

記憶が薄れていくだけかと思ったら命も危ない病気でさ

遥

とうとう余命宣告されちゃったよ

翔

…信じられないよ。。

遥

だよね

翔

でも、遥の言うことだからほんとってことはわかる

遥

うん。

遥

私ね

遥

怖いの

翔

ん？

遥

翔くんや、お兄ちゃんやお母さん、お父さん、友達のこと忘れたくないの

翔

ああ。

翔

でもさ、もし、忘れたとしても俺は

翔

俺はずっと遥が大好きだから

遥

………

遥

翔くん、私もだよ

遥

翔くんが大好き

翔

おう！

それから2ヶ月間遥は必死に病気と戦った

友達のことは忘れ、先生や俺のことも忘れかけていた

プルルルルルルルル

翔

はい

先生

翔か！

翔

そうですけど

翔

先生？

先生

今すぐ病院に来てくれ！

先生

遥が…容態を急に悪化させて

翔

…分かりました！！
すぐ行きます！！

翔

遥っ！！！

翔

はぁはぁはぁ…

翔

先生、遥は？！

翔

助かりますよね？！

先生

……

先生

遥は今までよく頑張ったんだ

先生

3年間も、ずっと、

翔

……っ

翔

遥？聞こえるか？

翔

俺だよ

遥

……

翔

遥っ！！！

遥

……

翔

2年記念日のデートは？！

翔

他にもたくさん思い出作りたかったよな！！

遥

…

遥

ご、…んね

翔

遥？！

遥

ご、めんね

翔

遥…！！！！

翔

何謝ってんだよ…

遥

しょ、くん

遥

私翔くんのこと最後まで覚えてたよ

遥

翔くんの彼女になれて幸せだった

翔

俺もだよ

翔

遥に出会えてたくさん変わったんだ

翔

おれ、何もかも中途半端だったけど

翔

遥に、出会って変わったんだ

遥

うん、知ってるよ

遥

だってずっと近くで見てきたんだもの

遥

翔くん？

遥

一つだけ約束して

遥

絶対幸せになること

翔

……そんな、

翔

俺遥がいないのに幸せになんて…

遥

翔！！！

遥

しっかりして

遥

私の分までちゃんと生きて

遥

お願いっ……

遥の目から涙が溢れた

翔

わかった、

翔

必ず幸せになる

遥

うん、ありがとう

遥

翔くん、愛してるよ

翔

俺も…

そして病室に1番聞きたくない音が鳴り響いた

翔

うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ

翔

はるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

先生

くっ……うっ……

先生

翔、ありがとう、君のおかけで遥は最後まで遥のままだった

俺はそれから毎日泣いたしばらく学校にも行けなかった

遥の通夜の日

翔

久しぶりに外出るな。

翔

遥、聞こえる？

翔

俺、やっぱ寂しいよ

先生

翔

先生

ここにいたのか

翔

はい、

先生

まず、ほんとうにありがとう

先生

翔がいなかったら遥は最後まであんな幸せそうな顔してなかったよ

翔

っ……

先生

それと、な

先生

遥の部屋整理してたら出てきたんだ

翔

手紙？

先生

翔宛だった

翔

俺に？？

翔

わざわざありがとうございます

先生

ああ、

先生

またなんかあったら言えよ

翔

はい、ありがとうございます

翔

手紙…か、

翔くんへ元気にしてますか？きっと毎日泣いてるでしょずっと翔くんに病気隠してきて、打ち明けるのが怖かったけど今は言って良かったなって思ってます。翔くんを初めて見た時この人とは上手くやってけないって正直思ってました。でも翔くんと深く関わると思いやりがあって暖かくてこの人とずっと一緒にいたいって思いました。ねえ、翔くんたくさん笑ってたくさん泣いてたくさん怒ってたくさん食べてたくさんの幸せを手に入れてください翔くんなら絶対大丈夫だから。ずっと空から見てるから。たまに思い出してくれると嬉しいな大好きだよ。元気でねまたね遥より

手紙を読み終わった俺は涙で顔がぐちゃぐちゃになっていた

翔

遥……

翔

俺、生きるよ

翔

絶対、

遥

翔くん

翔

ん？

遥