黄
うっ…あれ?なんですかここ?

青
ここは……あっ!

テディ
やりましたね!青くん!

青
テディ!

桃
テディ?誰だそいつ?

テディ
僕です桃くん
もう記憶が戻っているはずですが…?

桃
はぁ?記憶?……あっ!思い出した…テディ!

テディ
良かったです

青
えぇ?これはどういうこと?

テディ
青くんは見事桃くんの気持ちを振り向かせることに成功しました
これでこのゲームはあるべき場所に戻れます

青
ほんと?!良かったぁ!

テディ
本当にありがとうございます!

リリアン
うわああああああ!!!!

青
っ!テディ危ない!

テディ
っ…リリアン……

リリアンは小さなナイフをドレスの中から取り出した
きっともしもの時のために忍ばせていたのだろう
そしてそのナイフを思いっきりテディに向かい突き立てた
リリアン
テディっ…あんたが戻ってくることは絶対に許さない!!

桃
おい落ち着けって!

そんな暴れ回るリリアンに対して桃くんはナイフを取り上げ押さえつけた
リリアン
ちょっとっ!離しなさいよ!

桃
っ…いつ何するかわかんねー奴、離せるわけねーだろ!

リリアン
なんでよっ!なんでいつもこうなるのっ!私はただっ好きな人の勝ちヒロインになりたかっただけなのにっ!!!!

青
リリアン……

リリアン
テディのせいでっ何度も何度もやり直した!この世界に人間を送り込む度にあらゆる手段で振り向かせてっ結婚まで行けたと思ったらまた元に戻ってっ!!

リリアン
私はただっ…ただ好きな人に振り向いてもらいたくて…でもこの世界での私はただのモブでっ…話しかけることすら出来ない!!

リリアン
だからっ…仕方ないじゃない!!!!こうでもしないと桃様はっ…私を好きになってくれない!!

青
ぁ…

リリアン
うっ…うわああああああああ

桃
リリアン…顔を上げろ

青
桃くん…?

桃
リリアンが何度も俺にアピールして結婚まで行った記憶は俺には無い

桃
けどその何度目かにはきっとリリアンの事が好きになった俺もいるだろう

その桃くんの言葉に僕は思い出した
このゲームをプレイした時、確かにリリアンが好きになったと記された描写はいくつもあった
リリアン
桃様…

桃
お前の気持ちはよく伝わった、けどごめん、その気持ちには答えられない

リリアン
……

桃
ごめんな

リリアン
……そんなのっ

リリアン
…貴方が私に惚れたことなんか1度もない、どの展開も私は惚れ薬を忍ばせて貴方の気持ちを無理やり向かせた…(ボソッ)

桃
ん?ごめんなんか言ったか?

リリアン
…いいえ、
こんなに何度も振られてもう私…桃様を諦めますわ

青
リリアン…えっと、その、

リリアン
慰めなんか要らないわ
せめて負けヒロインにはなれたんですもの、モブの時代から比べれば私も成長したわ…

リリアン
はぁ…青

青
はっはい!

リリアン
悔いの無い選択を選びなさい

リリアン
それじゃあ私は端っこで見物でもしてようかな

青
え?それってどういう…

テディ
青くん、この世界は元に戻りました、もうこの世界に誰かが迷い込むことは無い

青
そう?それは良かった!

テディ
なので選んでください

テディ
この世界にとどまるのか

青
っ……

テディ
元の世界に戻るのならここから先の人生僕が代わりに歩むことになります

青
でっでもテディはもう…

テディ
この世界が元に戻ったので僕は自然と生き返ることが出来ます
ただしそれは青くん次第です

青
僕…は……

黄
青……

べサニー
チッグダグダしてないで早く答えろ
黄が帰りたくても心配して帰れねーだろ

黄
ちょっとべサニー!

青
えっ……と…

べサニー
はぁなら桃に決めてもらえ

桃
えぇ俺?!

べサニー
記憶が戻ったんだろ

べサニー
お前はどっちが好きなんだ?

桃
え……はぁ?!

べサニー
簡単な質問だろ
一体どっちだ?

べサニー
テディが残っても青が好きだったら意味が無い、逆にテディが好きで青が残っても意味が無い

べサニー
さぁ早く決めろ

青
桃くん…

テディ
……

桃
俺…は…………
