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それは秋のように短くて

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それは秋のように短くて

第3話 - 出会い(3)

101

2025年11月22日

#BL

#にじさんじBL

#tyhr

:mito

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風呂も済ませて部屋に戻った僕は、そういえば書き込みどうなったかな、とスマホを覗いた。

#タグのおかげでそれなりの人の目には止まったようで、いいね、RP、引用RP、コメントがそこそこついていて、DMの通知数も表示されていた。

DM欄を開く。

XXアカウント＠・・・・・

『おさいふ拾ってます！　会いませんか？』

XXアカウント＠・・・・・

『今ならあなたにだけお得な情報をお教えします！』

XXアカウント＠・・・・・

『どこ住み？　性別と年齢、教えて？』

knmc

いたずらとスパムばっかじゃねえか…

さすがに本人に行きつくわけないか。どうしようかな、書き込み消そうかな。そう思いながらスクロールしたメッセージの中にそれはあった。

？？？

『ぶつかってしまった学生服の方ですよね？　僕が確認しなかったせいでご迷惑おかけしてすみませんでした！　僕の手元にあるのがたぶんあなたのおさいふだと思います。返信お待ちしています。』

本文にはぶつかっただとか僕が学生だとかの情報は書いていないから、このメッセージは99％本人だろう。でも、あてずっぽうが当たっただけかもしれないし。一応、確認のメッセージを返す。

knmc

『DMありがとうございます。一応確認させていただきたいのですが、お財布の特徴をお伝えいただいてもいいですか？』

きっとスマホをずっと気にしていたのだろう。チャットかと思うようなスピードで返信が来た。

？？？

『二つ折りの茶色の皮財布です。僕のにはEカードとAカードと現金が入っているはずです。』

knmc

『ありがとうございます。間違いないかと思います。お会いして交換するのがいちばん手っ取り早いかと思いますが、いかがいたしますか。』

？？？

『ご迷惑でなければぜひそれでお願いします。××駅の東改札で待ち合わせではいかがでしょうか。明日の夕方等でも大丈夫ですので、日時ご指定いただければあわせます。』

knmc

『ではXX駅東改札のすこし離れた柱のあたりで、時間はおそらく18時すぎくらいになってしまうかと思われますので何卒宜しくお願い致します。何かあればこちらのDMからまたご連絡差し上げます。』

？？？

『了解いたしました。あ、なんとお呼びすればよろしいでしょうか？』

そう尋ねられて、はたと悩む。ぶつかっただけのほぼ初対面の人間に、本名を名乗ってもいいものか？　あ、でも僕の財布持ってるんだもんな。中には診察券だとか、名前の記載があるものもある。見たかどうかはわからないけど、いまさらか。

knmc

『剣持、けんもちとうやです。そちらのお名前もお伺いしても？』

kid

『甲斐田晴（かいだはる）です。では、明日、よろしくお願いいたします。』

メッセージのやり取りを終え、僕は甲斐田さんのアカウントのページを開いた。アカウント名、KIDHR。かいだはる、か。そのまんまじゃんｗ投稿されたつぶやきには音ゲーの記録画面が並ぶ。

knmc

僕は音ゲーよくわからないけど…まあ、すっごい好きなんだな。

まあいいや。明日会って、お財布を交換して。それだけのことだ。