黄色い薔薇は咲かぬ日々 第31話
貴夾 寅彦
……可愛かったけど?
与根宮 桜子
………なっ……
与根宮 桜子
そ…そんなこと言って機嫌を取ろうとしているだけでしょう?
与根宮 桜子
というか、どうしてあそこに居たのですか?
貴夾 寅彦
だから言っているだろう、昨日お前が一緒に寝てくださいって言ったからそれに従っただけだ
与根宮 桜子
そんなこと言った覚えは…
貴夾 寅彦
寝ぼけて言ってたんだと思う
与根宮 桜子
…………はぁ、
貴夾 寅彦
別に桜子がどんな寝顔をしてても寝起きでも妻の座から外すことはないから安心しろ
与根宮 桜子
……それは……わかっています
与根宮 桜子
でも……寅彦様に嫌われてたらどうしようかなって……
与根宮 桜子
……ぁ……
貴夾 寅彦
……ふーん?
与根宮 桜子
今のは違います!貴夾の妻としてだらしない格好でお目にかかるのはわたくしのプライドというものが……
貴夾 寅彦
顔が真っ赤だぞ
与根宮 桜子
真っ赤じゃありません!
与根宮 桜子
もう部屋に帰ります
与根宮 桜子
ご馳走様でした!
貴夾 寅彦
……ははっ笑
貴夾 寅彦
可愛いヤツめ
与根宮 桜子
……梨莉子、舞踏会に出席する貴族の名簿をもらえる?
梨莉子
はい!こちらです……
梨莉子
って、なんだか桜子様…すごくゲッソリされたような………
与根宮 桜子
……ちょっと……朝食の時に色々あって………
梨莉子
……?そうなんですか?
梨莉子
お疲れでしたらハーブティーでも持ってきますね
与根宮 桜子
ありがとう……
与根宮 桜子
そういえば…もう侍女の中での問題は大丈夫になったの?
梨莉子
はいっ!桜子様が侍女長に言ってくださったおかげでもう大丈夫です!
梨莉子
まだまだ劣るところはありますが、桜子様の侍女として日々励んでます!
与根宮 桜子
そう…なら良かった
梨莉子
ではハーブティーを作ってきますので、何かあったらまたベルでお呼びください
与根宮 桜子
うん、どうもありがとうね
与根宮 桜子
……よし
与根宮 桜子
朝のことは一旦忘れて、今は貴族のことを知る時間!
与根宮 桜子
引きづっても仕方がないものね
与根宮 桜子
1人目は……
与根宮 桜子
西園寺…啓介様……?
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