甘

甘 ｰ甘

桃赤多め

実年齢 赤元嫌われ

結構長い 後半適当気味

鈍い音と

鋭い痛みで目が覚める

どうやら眠気に負け

スマホを顔に落としたらしい

痛む鼻を抑え乍

ゆっくりと目を開け

胸の辺りにあるスマホを手に取る

ロック画面に表示された時刻は

午前7時40分

何時もは午後に起きるので

早起き

というより寝られなかったに近いか

ソファに横になった儘

少し伸びをして

この後の予定に頭を回す

先程の痛みで眠気は覚めてしまい

活動も暫く休む様言われている為

する事がない

スマホを付けたり消したりして

時間を潰す

丁度学校の時間なのか

外からは子供の声

あれ

そういえば俺、

最近外出てなくね

気が付いてしまえば

出たくなる物で

最後に外に出たのは何時だっけ

なんて思考を巡らせ乍

起き上がり

洗面所に向かう

蛇口を捻り

水に手を当てる

冬場の水道水は冷たく

冷え症の俺には辛い

一人言を呟き乍

段々と熱くなっていく水で

冷えた指先を温め

その後

顔を洗った

序に濡れた手で少し髪を直し

そこら辺に落ちていた

パーカーに着替える

上着は出すのが面倒臭く

諦めてショルダーバッグに

スマホと鍵を突っ込んで

玄関で靴を履く

外に出ると

一気に冷たい風が体を襲う

上着着てくればよかった

少しばかりの後悔を感じ乍

適当に道を歩く

数分して見つけたのは茶トラの猫

首輪はしていないから多分野良

屈んで目線を近づけてみる

手を顔に伸ばすと

すりすりと戯れる様に 顔を押し付けてくる

え､かわい

バッグからスマホを取りだし

何枚か写真を撮った

ずっと撫でてたら

飽きたのか猫は何処か行ってしまった

少し名残惜しさを感じ乍

背中を見送り

その後

その場に暫くしゃがみ込んで

撮った写真を眺める

俺撮るの上手くね

写真家の才能あるかも

なんて

自惚れた妄想をしていたら

急に名前を呼ばれ

驚きから

反射的に顔を上げる

自分でも思う位に頭の悪い会話だけど

人と話すの久しぶりだからか

楽しかったりする

人間って不思議だね

記憶を辿ると

そういえば言われた様な気がしなくない

でも別に死のうとしてる訳じゃないし

これさっきも聞いたな

慌てて立ち上がり

スマホを取ろうとするが

揶揄う様に避けられ

身長のせいで届かない

これ俺

終わったくね

桃side

メッセージを入れて2分

鳴り止まない通知

過保護なメッセージが4人分

合わせて32件

此処迄くると面白いな

スマホと睨めっこして

そう呟く赤の方も通知が凄いらしい

これ一々返信するのだる、

結局無理矢理に近い形で

会う約束をして

不機嫌な赤を連れて

待ち合わせ場所の

公園のベンチに座る

途中､自販機で買ったココアを

赤に取られた

そう言って缶を握る赤は

パーカー1枚の薄着

そりゃ寒いわ

これ絶対面倒臭かっただけだろ

少し経つと

着いた というメッセージと共に

声を掛けられる

雑な会話を交わしている間に

赤はいつの間にか

橙黄に囲まれている

え､無視された

悲し、っ

話していて気が変わったのか

差し出された缶を受け取る

中を覗き乍

少し揺らすと

底の銀色が見えた

マジかよコイツ、

多少のショックで

固まっている間に

本題のお説教

俺のココアの分も怒られろ

俺も寒かったので好都合

立ち上がり

肩から落ちた

コートを着直す

其れを見て

他のメンバーも

各々支度し始める

スマホを見ると

11時という表示

完全にお昼時の混んでる時間帯

赤side

来て早々失礼な奴と

会話をし乍

落ちている朝脱いだ服を拾い

クローゼットに掛ける

声の方を向くと

冷蔵庫を漁っている黄青

此奴ら自由すぎだろ

メンバーを家に呼ぶのなんて

何年振りか

久しぶりすぎて

家に居る事に少し違和感すら感じる

本格的に引かれてそうなのは

気の所為だろうか

なんて考え詰

クローゼットの扉を閉め

皆が集まっているソファに座る

いつの間にか話が纏まっていた様で

先程脱いだばかりコートを

着出す姿を何となく眺める

声を掛けられ

驚き乍目の前を見ると

覗き込む様に此方を見る桃くん

距離近くね

自意識過剰すぎだろ

めんどくせ、

桃side

コンビニから帰ってきて

多分4､5時間

窓からの景色は完全に夜景になっている

横を見ると

相変わらずゲームで盛り上がっているし

今更帰るのもなぁ

溜息を吐かれた気がしなくもないが

まぁ許可貰えてラッキー

ってことで

風呂から出て

ソファに座る

その後

ペットボトルの蓋を開け

水を飲む

え､水うま

風呂上がりって何でも美味いよな

なんでだろ

なんでもいいか

声の方に視線をやると

廊下とリビングの間に立って

タオルを首に掛けている赤

髪から水が滴っていて

殆どタオルの意味が無い

絶対自分でやる気ないなこいつ

櫛で髪を解かし詰

ドライヤーで髪を乾かす

相変わらず綺麗な髪で羨ましい

いきなり頭が動いた為

慌ててドライヤーを上にあげる

少し横に動き

前を見ると

俯いて静かに寝息を立てている

そう言って床に横になり

再び寝息を立て始める

本格的に自分で動く気が無い様子

立ち上がり

姫抱きをして

ベッドに寝かす

寝顔久しぶりに見たな

切り方分からないんでここで

甘 ｰ甘

ファンマ付けてくれてる人増えて 嬉しい今日この頃