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リシェ
27
羽海汐遠
16,054
57
闇が晴れた後、ルーファとレイラはつい先程その闇の中に立っていた人物を探し回っていた。
ルーファ・フォラン
レイラ・フローレン
レイラ・フローレン
ルーファ・フォラン
建物の中を駆け抜けていると、ふと音がした。 それはレイラが所持している緊急連絡用の魔道具からだった。──つまり、庭園で何かが起きたということである。
魔道具は見た目はただの宝石で、透き通った青の石の中心だけが赤色に点滅している。連絡があるということを示しているのだ。
ルーファ・フォラン
ルーファ・フォラン
レイラ・フローレン
レイラが魔道具を手のひらに乗せた。 すると、宝石から少し焦りが見えるサザンカの声が聞こえてくる。それだけで、ただ事ではないと察するには十分だろう。
サザンカ
サザンカ
ルーファ・フォラン
ルーファがレイラの背後から魔道具を覗き込むと、レイラが「近い」と言ってルーファの肩をぺしりと叩いた。ルーファは肩をさすりながらも離れる。
それを聞いたサザンカが、魔道具越しでもなんとも言えない表情をしているのが今にも見えそうだったが、彼女はそのまま続ける。
サザンカ
サザンカ
レイラ・フローレン
レイラ・フローレン
サザンカ
ルーファ・フォラン
ルーファ・フォラン
サザンカ
「かくかくしかじかで……」とルーファが手短に内容を話す。 主に任務中に謎の暗闇と渦が現れたことについてだ。サザンカはそれを黙って聞いていた。
話が終わると、しばらく考え込むような間があった。
サザンカ
レイラ・フローレン
レイラ・フローレン
サザンカ
周囲に穢れた魔力の残滓が周囲に漂い始める。 まだあの暗闇と渦を生み出した主がどこかに居るということだ。地面からは鋭く黒い“何か”が飛び出していた。
レイラ・フローレン
サザンカ
魔力のせいか何なのか、魔道具の通信が途切れて石は沈黙した。 二人が武器を取り出して周囲を警戒していると、暗がりから黒を凝縮させたかのような弾が飛び出してきた。
ルーファが咄嗟に刀でそれを弾く。 出てきた方向に跳ね返された弾は、そのままどこかへと消えていった。
──暗闇の主が姿を現す。
???
???
ルーファ・フォラン
長い白髪に微笑を浮かべた目元。 その手にはあの闇にも影にも似た何かによって作られたであろう、黒一色の槍が握られていた。
長髪の男は、そんな凶暴さにはそぐわない恭しい礼をひとつ。 突然の攻撃という無礼と礼儀作法のお手本かのような礼が、妙に噛み合わない不気味さを演出している。
???
カイル
針の雨を降らせて庭園に害を成している植物型の害虫に、まず最初に攻撃を仕掛けたのは意外にもリンナだった。
『花影の戦士』の創設者にして庭園の前管理人である彼女からしてみれば、庭園を荒らすという行為は許せなかったのかもしれない。
リンナ・フィン
リンナ・フィン
普段のおっとりした性格とは似つかない鋭い剣先が、庭園で暴れ回っている害虫の胴を正確に捉えた。──はずだった。
花を纏った美しい剣が胴を引き裂くよりも先に、茨によって防がれてしまった。
ヤーシャ・リアット
ヤーシャ・リアット
ヤーシャ・リアット
影が幾重にも絡み合い、害虫を瞬く間に拘束する。 リンナが【フローラル・ヴァインソード】で害虫を斬ると、害虫の身体は呆気なく頽れ灰となっていく。
そのあまりに呆気ない終わりに一行が違和感を抱いていると、どこからか再び悲鳴が聞こえてきた。
そう、まだ終わる訳がない。 害虫は大きい個体から小さい個体まで、庭園の様々な場所に侵入していたのだ。
ヴィア・クォーツ
サウカ
アスター
サウカ
サウカがそんな疑問を零した瞬間、すぐそこから轟音が響いた。 吹き飛ばされたのか、フォーリーフが壁に打ち付けられていたのだ。重傷ではないがいくつか傷があり、三つ編みの一部が解けていた。
リンナ・フィン
フォーリーフ
フォーリーフ
ヴィア・クォーツ
サザンカ
???
???
どこからか女性の高い笑い声が聞こえてきた。 すると、次の瞬間には先程まで近くに居たはずの仲間達の姿が見当たらなくなる。
──彼らが襲撃者によって転送されたと気付いたのは、それからすぐのことだった。
ヴィア・クォーツ
ヴィア・クォーツ
???
???
ヴィアの目の前に現れた、長い黒髪を風に靡かせた女性。 彼女が被ったヴェールが、その正体を覆い隠しているようにも思える。その女性が襲撃の犯人だと、ヴィアは直感で分かった。
女性はヴィアの目の前に現れると、スカートの裾をつまんでカーテシーをした。 状況が状況でなければ、ただの淑女だったと言うのに。
ローゼ
ローゼ
ヴィア・クォーツ
ヴィア・クォーツ
ローゼ
黒い淑女──ローゼは微笑を浮かべたまま、顎に手を当てて考え込む。
ローゼ
ローゼ
ヴィア・クォーツ
ヴィア・クォーツ
ヴィアは話し合いを諦め、短剣を手にする。 その様子を見たローザは、相変わらず微笑を浮かべながらも弓矢を取り出した。
お互いに黙り、周囲には静寂が落ちる。 どちらも、集中して相手の動向を観察していた。
あの後、レインとテリオスを襲った鋭い針の雨はいつの間にか消えていた。
どれだけ探しても、針が飛ばされた形跡すらない。 二人はそれを怪訝に思いながらも、ひとまず庭園に帰ろうと森を引き返している。
休憩として大樹の幹に背を預けて座っていた時、サザンカから庭園が襲撃されたという報告を受けた。
レイン・アミュレット
レイン・アミュレット
テリオス
テリオス
休憩なんてしていられないと休憩を切り上げ、まずは庭園へと戻ることにした。 幸い、ここから庭園はそう遠くはない。
──のだが。
テリオスは庭園のある方向に意識を向けており、自然とレインから視線が離れる。その時、ふと前方からゴンッという鈍い音がした。
……レインからだ。だいぶ盛大にどこかをぶつけたようだが。
レイン・アミュレット
テリオス
レイン・アミュレット
レイン・アミュレット
レインはそっと、自身が頭をぶつけた箇所に手を添える。 そこは何もないはずなのに、何かに阻まれたかのように手はそれ以上通り抜けることができなかった。
見えない障壁が、彼らを拒んでいる。
テリオス
テリオス
レイン・アミュレット
レイン・アミュレット
テリオス
それぞれに別れて探索しようとした時、レインはとあることに気付いた。
自分達が来た道から、ぞろぞろと害虫がやって来る。 それは兵隊のように列を成し、二人の方へ向かってきていることは明らかだった。
コメント
4件
今回もめちゃくちゃ良かったです!!!! 皆、別の方々に襲撃されていますね… これは明らかに何かしらの目的があり、 この襲撃を起こしたのは 絶対に例の害虫側の人達でしょうね… うーん…目的は分かりませんが とにかく強者だと言う事は分かります… 皆さん、大丈夫だと良いんですが… それにしてもカイル、ローゼ… どこかで聞いた事がある様な…無い様な… 次回も楽しみに待ってます!!!!
【安に居て危を思う】(あんにいてきをおもう) 平穏で安全な状況にあっても、将来起こりうる危険や災難を忘れず備えよという意味のことわざ。
第11話、読み終えたよ!ルーファとレイラのところにカイルが現れて、同時に庭園襲撃でヴィアがローゼと対峙する展開……一気に緊張感が駆け上がったね。特にヴィアの「話すだけ無駄」からの短剣構えはカッコよかった!最後の結界と害虫の列も不気昧すぎる。続きが気になって仕方ないわ🔥