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林檎飴
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⚠ R18☓ 親が苦手な人、またはトラウマがある人は見ないことをお勧めします。
林檎飴
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いるま
いるま
いるま
学校に遅れてしまう。
…静かだな、
今日も"アイツ"は、
呑んだくれて眠ってんだろーな。
いるま
誰も返事をしない。
いるま
いるま
いるま
いるま母
いるま
いるま母
いるま母
いるま母
、また始まった。
いるま
いるま
まあ、嘘だけど。
朝から呑んだくれて眠ってる母親の相手してたら、時間ギリギリなんだよ、
いるま母
いるま母
いるま
いるま
いるま
いるま母
いるま母
、めんどくさ。
…なんで俺、毎回止めてんだろ、笑
そんなことを思いつつ、母親を宥めて学校へ行く準備を整える。
これが俺のいつもの朝。
…俺がなつと別れたのも、
俺の弱さと、
コイツがなつを"殺そうとした"から。
小さい頃に、親が離婚した。
ってか、ほぼ母親が父親に捨てられる形に近かったと思う。
母親は、
父親に似ているまだ小さかった俺に、
"私を捨てない良い子"
"私が居ないと生きていけない子"
そう言って呪いをかけて、
狂ったように俺にすがった。
いるま
いるま母
いるま母
いるま
いるま
いるま
あのときは、ただただ分からなかった。
ただ、狂気に満ちた顔の母親が、
手を伸ばして迫ってくるのが怖かった。
多分俺がここで言い淀めば、すぐにこの人は壊れてしまう。
それだけは、小さい俺でもなんとなくわかってた。
俺が"お母さん"と呼ばずに、
"あの人"と呼ぶようになったのは
俺がなつを振る少し前のことだった。
いるま
いるま
学校から帰ってきたはいいものの、母親がリビングにいない。
いつもなら呑んだくれて寝ているか、 ヒスっているかのどちらかなのに。
階段を上がる。
なんだか、嫌な予感がした。
いるま
いるま
ガチャ)
ああ、なんで。
いるま母
なんであんたが、
"俺の部屋"にいるんだ。
いるま母
いるま
いるま母
いるま母
ちょっと待て何いってんだこの人。
そもそも、なんでなつの存在知ってんだ? 俺、教えてないよな?
いるま
いるま
いるま母
…は?
いるま
いるま
いるま母
いるま母
いるま母
え。知らない、知らない、
同期するなんて、聞いてない。
いるま
いるま
いるま母
いるま母
いるま母
かんし、カメラ?
洪水のように情報が流れてくる。
いるま
いるま
いるま
いるま母
いるま母
は?
あんたのことなんて、
もうずっと、ずっと、ずっっっと、
味方なんて、思ってねぇよ。
いるま
いるま母
何いってんだこいつ。
そんなの当たり前じゃねぇか。
いるま
いるま
いるま母
いるま母
いるま母
そうだよ。
あんた、邪魔なんだ。
あんたさえいなければ、今頃俺は、
いるま
いるま母
いるま
いるま母
いるま母
いるま
いるま
いるま
いるま
いるま
いるま母
いるま母
いるま母
薄気味悪い笑いで母親が語りかけてくる。
いるま
いるま母
いるま母
いるま母
いるま母
いるま母
いるま
…やばい、
普段なら聞き流していた声が、
今は俺を縛る。
いるま
いるま
いるま母
いるま母
いるま母
静かに、しかし確かに母親は笑っていた。
いるま母
いるま
いるま母
いるま母
いるま母
いるま母
、不思議?
不思議じゃねぇよ、異常なんだ、
意味わかんねぇ…ッ
けどここで俺が別れないと、
なつが…ッ
いるま
いるま
いるま
はじめてコイツに土下座なんてした。
いるま母
いるま母
いるま母
いるま母
いるま母
いるま母
"いい子なんだから、できるわね?"
いるま
結局俺は、なつと別れた。
電話番号もLINEも、全部俺自身に消させられた。
いるま
いるま
なつ
なつ
なつ
なつ
なつ
なつ
ごめんな、なつ
いるま
嘘。
いるま
嘘。
どれもこれも、全部全部、全ッッ部嘘。
俺最低だよな、笑
俺が助けたいから別れるなんて、ただのエゴ。
多分なつは、言ったら「俺も一緒になんとかする」って言ってくれる。
もっといい方法だってあったかもしれない。
けど、
怖いんだよ、笑
家庭環境のことも、俺自身のことも、
知られるのが怖い。
だからごめんな、なつ、
全部、俺のエゴで、自分勝手な言い分なんだよ。
もう、嫌いになってほしい。
いるま
涙があふれてきた。
けど俺は、俺だけは、泣いちゃいけない。
いるま
これで、終わり。
そこからずっと、俺の隣は空いたまま。
林檎飴
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いるま
林檎飴
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