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冷たい視線の監獄

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冷たい視線の監獄

2 - 九番の過去と、鉄壁の決断

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2025年12月18日

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クロノア(9番)

(壁に背を向ける)

クロノア(9番)

『道化師の言葉が、耳から離れない』

道化師

君は、彼らの希望の殺人者

クロノア(9番)

『彼らにとって、あの計画こそが全てだった...』

ぺいんと(8番)

(大声で、クロノアに向けて)

ぺいんと(8番)

おい九番!飯食ったらすぐに掃除に戻れ!今日の共同浴場は、お前の担当だ!

しにがみ(6番)

(小声でぺいんとへ)

しにがみ(6番)

なんであいつにやらせんだよ、8番。俺がやるから、あんな奴の使った風呂、入りたくねぇ

ぺいんと(8番)

(しにがみへ、低い声で)

ぺいんと(8番)

いいから黙ってろ、6番。あいつに屈辱を与えてやるのが、俺たちの、せめてもの復讐だ

クロノア(9番)

(小さく頷く)

クロノア(9番)

...わかった、ぺいんと

クロノア(9番)

『8番は...俺を罰したいんだ。それは当然だ。俺が、この手で、彼らの計画を...』

回想:3ヶ月前、脱獄計画決行直前

クロノア(9番)

(焦燥)

クロノア(9番)

ぺいんと、待ってくれ!この計画は、罠だ!

ぺいんと(8番)

(怒鳴る)

ぺいんと(8番)

何言ってんだ、クロノア!もう後戻りはできない!俺たちがここまで築き上げた、唯一のルートなんだぞ!

しにがみ(6番)

9番、お前、今更になってビビったのか?!

クロノア(9番)

違う!俺は...俺は昨日、偶然、看守たちの会話を聞いたんだ!あの換気口の先の通路は、今は監視カメラの死角じゃない!待ち伏せしている!行ったら、俺たちは撃たれる!

ぺいんと(8番)

(疑いの目)

ぺいんと(8番)

そんなの、お前のでまかせだろ!俺たちの足跡を知っているのは、俺たちだけだ!

クロノア(9番)

(叫ぶ)

クロノア(9番)

信じてくれ!俺は...お前たちを失いたくないんだ!

しにがみ(6番)

ふざけんな!この計画に賭けてるんだ!俺たちには、明日なんてないんだよ!

クロノア(9番)

(一瞬、目を閉じる)

クロノア(9番)

...ごめん

クロノア(9番)

『他に、方法はなかった。彼らを、生き残らせるためには...』

クロノア(9番)

(隠し持っていた警報装置のボタンを押す)

クロノア(9番)

これで...計画は中止だ!

警報

(鳴り響く)

ぺいんと(8番)

(絶叫)

ぺいんと(8番)

クロノアアアアアア!!!

しにがみ(6番)

てめぇ...何してくれたんだ!!!

回想終了

クロノア(9番)

(水を流す音を聞きながら)

クロノア(9番)

『あの時の、8番の、そして6番の、絶望に満ちた顔...。それが、俺の心に焼き付いて離れない』

クロノア(9番)

『あのまま進んでいたら、彼らは死んでいた。撃たれていた。でも...彼らは、自由を選ぶためなら、死も厭わなかった。俺は、その選択権を、彼らから奪った』

ジェイ・ステイサム看守

(見回り、浴場に入ってくる)

ジェイ・ステイサム看守

九番。お、珍しく共同浴場か

クロノア(9番)

ジェイ看守。失礼します

ジェイ・ステイサム看守

なあ、九番。お前、あの脱獄計画の時、どうして警報を鳴らしたんだ?あれで、お前は仲間から裏切り者扱いだぞ

クロノア(9番)

(掃除の手を止めず)

クロノア(9番)

...彼らに、死んでほしくなかったからです

ジェイ・ステイサム看守

ほう...。お前は、命を選んだ、と

クロノア(9番)

はい。彼らの計画は、スティーブ看守が仕掛けた、完璧な罠でした。あのルートは、既に、看守長の間で共有されていました」

クロノア(9番)

『ジェイ看守は、看守側から見た真実を知っている』

ジェイ・ステイサム看守

...そうか。スティーブが仕組んだ、な。あいつは、模範囚のふりをした危険人物ほど、泳がせてから潰すのが好きだからな

ジェイ・ステイサム看守

だが、お前が警報を鳴らしたせいで、あの二人はお前の行動を『看守への媚び』か『命知らずの臆病者』だとしか思わねぇだろうな

クロノア(9番)

(苦笑)

クロノア(9番)

...ええ。その通りです

ジェイ・ステイサム看守

一つ言っておくぞ、九番。この監獄(プリズン)で、命の価値は、自由の価値よりずっと低い。お前は、彼らの信条を踏みにじった。生かした代償は、重いぞ

クロノア(9番)

(浴場の冷たいタイルを見つめる)

クロノア(9番)

...理解しています

クロノア(9番)

『命を選んだ、俺。自由を奪われた、彼ら。この溝は、もう埋まらない』

(夕食後、独房棟 巡回中)

リアム・バッカード

(独房の扉の前に立つ)

リアム・バッカード

9番

クロノア(9番)

リアム看守

リアム・バッカード

お前は、自分がしたことを後悔していないか?

クロノア(9番)

...後悔はありません。彼らが生きていることが、俺にとっての、唯一の救いです

リアム・バッカード

ふむ。お前は、優しすぎる。それは、この場所では最大の弱点だ

リアム・バッカード

八番と六番は、お前を心底嫌っている。それは、お前が彼らの脱獄の夢を、自分勝手に潰したからだ。彼らは、お前の優しさを、傲慢だと受け取った

クロノア(9番)

(扉越しに、胸を押さえる)

クロノア(9番)

我慢……

クロノア(9番)

『俺の優しさが、傲慢...。俺はただ、彼らの未来を守りたかったのに』

リアム・バッカード

だがな、九番。看守として、私はお前を評価する。お前は、規律を乱さず、他人の命を尊重した。この刑務所(ところ)では、珍しい囚人だ

リアム・バッカード

だから、私はお前を、庇護対象とする。私たちがいる限り、八番と六番がお前に手出しはできん。せいぜい、彼らの嫌悪に耐えることだ

クロノア(9番)

(小さい声で)

クロノア(9番)

ありがとうございます…

クロノア(9番)

『庇護...。彼らの嫌悪から、守られる。それは、俺にとって、救いなのか。それとも...より深い孤独なのか』

道化師

(通路の角から、クロノアの独房を覗き込む)

道化師

ヒヒッ...。庇護ネ...。ソレハ、自由ヲ奪ッタ者カラノ、甘イ毒ダヨ

道化師

君ハ、イヨイヨ、彼ラトハ、永遠ニ相容レナイ存在ニナッタネ。サァ、君ノバッドエンドハ、ドコニ向カウノカナ...

クロノア(9番)

(道化師の声を聞きながら、壁にもたれる)

クロノア(9番)

『もう、どこにも行けない。彼らからは嫌われ、看守からは監視される。俺は、この裏切りの鎖に、永遠に繋がれたままなのか...』

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