泡と、黒蝶。〜season2〜

子供は何故こんなにも無邪気なのだろうか───

私が到着した頃、既に奏多の両親は来ていた───

そして、奏多の移植手術も始まっていた───

旭陽さん…笑えてないよ

心配と不安を隠しきれていない旭陽さんは初めてみた───

私も旭陽さんも不安な気持ちでいっぱいだった───

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病院に到着して何時間経っただろう

未奏は長椅子に横になり旭陽さんの膝を枕にし眠ってしまった───

カチッ───

手術中のランプが消えた

旭陽さんは未奏をそっとずらし立ち上がった

私も旭陽さんと一緒に立ち上がる

ガラッ───

手術室のドアが開き中から医師が出て来る───

その一言で私は溜めていたモノが一気に溢れ出し、その場に泣き崩れた──

たった一言囁いただけだったが旭陽さんの声が凄く震えていたのがわかった

奏多の両親も満面の笑みを浮かべ手術の成功を喜んでいた

- 翌朝 -

一般病棟の個室に移り目を覚ますのを待った───

だが、私はいつの間にか眠りに落ちていた

「未怜」

この声───

移植手術を終えたばかりの人との会話ではない───

この日は学校を休み奏多とずっと一緒にいた───

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- 数日後 -

奏多の容態も安定してきた為、私は学校に登校した───