BL
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きみのとなりで息をする
1話から読む___心に触れたのは、ピアノと君の声だった。
クラスのざわめきに、息が苦しくなる。 自分の声も、感情も、もう何もわからない。 そんな“僕”が逃げ込んだ音楽室で、 ひとりピアノを弾いていた“彼”と出会った。
痛みを隠して生きるふたり。 誰にも言えなかった「傷」を、 少しずつ、少しずつ、見せ合うようになっていく。
――傷ついたままでも、生きていい。 そう思えたのは、君がいてくれたから。
守られる関係じゃなく、守り合う関係へ。 ふたりだけの静かな日々が、今ここからはじまる。