なみだを通して、さようなら。

私と姉。純粋で美しく、透明な涙を流せる姉。それに対し、歪んで醜く、涙を流せない私。母の死から5年の月日が流れ、2人は成長した。姉は母の死から立ち直る様子の中、私は未だ困惑の中にいた。2人の対立、対話、複雑な問題と考えの中で、お互いに生きていく。そして、お互いに見つめ合っていく。そんな姉妹を描いたヒューマンドラマ。複雑で答えの溢れた世界の中でこそ、純粋な愛は、そこに在り続ける…

きっと、私は復讐の虜ね。

復讐を終えた私。憎しみを晴らし、あいつの命脈を絶った。しかし、その復讐こそが私を生かしていた呪いであり、希望だったことを知る。やりきれない自分の気持ちを抱えて、私はそれでも生きる。

だから私は天才だ。

高校2年生、七瀬、陸上部。
陸上部では走り幅跳びを専門とし、その青春を投げる。しかし、人間関係、進路、欲求、さまざまな心のうねりが、彼女の道を揺るがす。そして、その波に揉まれてゆく。