俺だけ十年後が見えるので、誰も見向きもしない未来の剣聖に全財産つぎ込んだら執着された
冒険者ギルド・黄金秤で十年間、原石鑑定士として新人の査定を続けてきたシード。
彼にだけ見えるのは、現在の能力ではない。
その人物が十年後にたどり着く未来の姿だった。
ある日、役立たずのスキルを授かった少女ミアが、五百万ドゥレもの借金を背負わされ奴隷として売られようとしていた。
しかしシードの目には、彼女が十年後――世界最強クラスの剣聖へ成長する未来が映っていた。
「未来の剣聖が、五百万ドゥレ!? 安すぎる!」
シードは全財産を投じてミアを買い戻す。
その結果、貴族との取引を潰したとして十年間勤めた悪徳ギルドから追放されてしまった。
──ミアと二人、小さなギルドを立ち上げて再出発しよう。
シードは、その程度に考えていた。
だが、彼は知らなかった。
かつて才能を見いだし、誰にも評価されなかった頃に手を差し伸べた者たちが、今では一国を救う英雄や、災厄と恐れられるほどの怪物へ成長していたことを。
「シードさんがギルドを作った? なら、俺も入る」
「今度こそ、あの方の役に立てるのですね」
「シード様を追放したギルドがあると聞きましたが――潰しますか?」
剣聖、賢者、聖女、竜殺し。
シードを慕う規格外の英雄たちが、続々と彼のもとへ集まってくる。
本人はただ、見捨てられた少女を救っただけ。
それなのに気づけば新たなギルドは、誰にも手がつけられない世界最強の集団となっていた。
これは見る目だけは誰にも負けない鑑定士と、彼に救われた怪物たちによる恩返しから始まるギルド経営譚。
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