きぶえぬ
ある秋の日______
ハァハァ、と息を切らしながら走っている12歳くらいの女のことを、異形の鬼が追いかけている。
「十二鬼月の俺様に殺されるがいい!!」
追いつかれ、もうだめだと目を瞑った次の瞬間。
ヒュガッ!!! と音がして__
「誰が十二鬼月を名乗っていいと言った」と誰かが
言った。
「......え」
女の目に映ったのは
背の高い男と塵になって消えていく鬼の姿だった。
「だ.....誰.....」女の子は震えながら男の方を見た。
「丁度いい。1匹部下を失ったところだ。」
そう言うと男は長い触手で女の体を貫いた。