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あたしは蝶になりたいノベル

あたしは蝶になりたい

小学六年生の的間優江は、両親と弟の岳人、親友の果歩に囲まれ、穏やかな毎日を送っている。気になる同級生の望月亮ともっと話してみたい。でも、卒業や進学の先に待つ「大人になること」を思うと、今の幸せが変わってしまうのが怖い。そんな優江がある日、夢の中で「一一三五日」という数字を見る。翌日には一日減っていた。夢は眠るたびに繰り返され、数字も減り続ける。これは自分に残された命の日数なのではないか。誰にも確かめられない疑いが、優江の日常を少しずつ侵していく。
中学に進んでも、死への恐怖は消えない。学校を休み、家族に心配をかけ、自分だけが未来を思い描けないことに苦しむ。そんな優江の前に、奇妙な姿をした「デモン」が現れる。優江がデッドと名づけた彼は、死期が見える命に寄り添う存在だという。悪夢が示すものを否定したかった優江は、その言葉に揺さぶられながらも、果歩や新たな友人の美羽、そして亮と過ごす時間の中に、確かな喜びを見つけていく。
しかし、最愛の弟・岳人が交通事故で命を落とす。自分の死を恐れていた優江は、初めて大切な人を失う痛みと向き合うことになる。家族の悲しみ、岳人を守れなかったという悔い。立ち直れない日々の中でも、友人たちは彼女のそばを離れず、亮との距離も近づいていく。やがて亮と愛し合い、優江は子どもを授かる。まだ中学生の二人に周囲は戸惑うが、優江は生まれてくる命を守りたいと願う。亮や両家の家族も、その決意を受け止め、支え合うことを選ぶ。
出産を迎え、優江は娘のふうわを無事に産む。ようやく三人で生きる未来を思い描いた矢先、病院の庭で事故に遭い、声も身体の自由も失ってしまう。ふうわを抱き、成長を見届けたい。その願いが叶わない悲しみの中、優江は家族や友人、亮に愛された日々を振り返る。短くても、自分の人生には幸せがあった。命の終わりにデッドと再び向き合った優江は、次の生では美しい羽で飛びたいと告げる。死を恐れ続けた少女が、愛する人々に生きる希望を託し、自分の人生を「幸せだった」と受け止めるまでの物語。

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