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ねこねこにゃんこ
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#〔インターネット少年/少女〕
狸野 ゆゆせ
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朝比奈ひかりがスマートフォンを開いたのは、まだ布団の中にいた早朝のことだった。 画面には、すでに一件だけ通知が来ている。
月城レイ:おはよう
それだけ。 たったそれだけなのに、ひかりはしばらく画面を見つめたまま動けなかった。
朝比奈 ひかり
小さく呟いてから、ひかりは自分で少しだけ笑った。 おはよう。 ただの挨拶だ。 何も特別なことじゃない。 なのに、どうしてこんなに胸がうるさいのだろう。 昨日、ひかりはついに気づいてしまった。 レイのことを、好きかもしれないと。
そう思った瞬間から、世界の見え方が少しだけ変わってしまった。 何気ない一言が、全部、少しだけ特別に聞こえる。 レイが自分に向ける視線も、声も、沈黙も。 今まで当たり前だったものが、いちいち胸に残る。 ひかりは返信を打つ。
朝比奈ひかり:おはよう!
送信したあと、すぐにスマホを枕元に置いた。 でも、またすぐに手を伸ばしてしまう。 返事はまだ来ない。 分かっている。 当たり前だ。 なのに、少しだけ気になってしまう。
朝比奈 ひかり
好きだと気づいたら、こんなにも落ち着かないなんて。 ひかりは布団から出て、顔を洗うために洗面所へ向かった。 鏡に映る自分の顔は、いつも通りに見える。 でも、頬のあたりが少しだけ熱い気がした。 ――レイのせいだ。 そう思ってしまって、ひかりはまた少しだけ困ったように笑う。
事務所に着いたのは、昼前だった。 今日はひかりとレイのふたりで、次の配信に向けた簡単な打ち合わせをする予定になっている。 大したことはない。 ただ、雑談しながらテーマを決めたり、遊ぶゲームを少しだけ選んだりするだけだ。 なのに。
朝比奈 ひかり
エレベーターの中で、ひかりはひとりごちた。 おかしい。 昨日までは、こんなことなかったのに。 エレベーターの扉が開くと、ちょうど事務所の廊下の向こうからレイが歩いてくるのが見えた。 黒っぽい上着。 片手をポケットに入れたまま、何でもない顔。 その姿を見た瞬間、ひかりの心臓が、ひとつ跳ねた。
朝比奈 ひかり
まずい。 いま、顔に出たかもしれない。 ひかりは思わず視線を逸らした。
月城 レイ
レイが近づきながら言う。
朝比奈 ひかり
返事の声が、少しだけ上ずった気がした。 レイは、ひかりの顔をちらりと見た。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは少しむくれた。 でも、レイの「おはよ」という声が頭の中に残っていて、ちっとも怒りきれない。 レイは、そんなひかりを見て少しだけ眉を上げる。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
レイはそう言ったけれど、その声は少しだけおもしろがっていた。 ひかりは、それがまた悔しい。 自分でも分かるくらい、少しぎこちない。 でも、理由は言えない。 好きだと気づいたから、なんて。 そんなの、言えるわけがない。
打ち合わせ用の小部屋に入ると、少しだけ空気が静かになった。 テーブルの上には、簡単なメモと、レイが持ってきたノートPC。 ひかりは椅子に座りながら、少しだけ手元をもてあました。
月城 レイ
レイがノートを開きながら言う。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは、少しだけ視線を泳がせた。 レイが目の前にいる。 ただ、それだけなのに、心臓が少しだけ速い。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
レイがノートを閉じる。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
ひかりは、少しだけ困った顔をした。 確かに。 いつもの自分なら、こんなふうに迷わない。 でも今は、レイが何を言っても、どこか胸の奥に落ちてしまう。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
レイは少しだけ考えてから答えた。
月城 レイ
その瞬間、ひかりの胸が、また少しだけ跳ねた。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
レイは、それ以上追及しなかった。 けれど、その「ひかりがやりやすいほう」という言葉が、ひかりの中で何度も反響する。 やさしい。 いつも通りなのに、やさしい。 そんなことを思ってしまう自分が、少しだけ恥ずかしかった。
打ち合わせは、思っていたよりも順調に進んだ。 配信内容、テーマ、少しだけ試したい企画。 レイがメモを取り、ひかりがそれに補足を入れる。 ふたりの役割は、いつもと同じだった。 でも、ひかりは気づいてしまう。 レイが話しているとき、顔を見るだけで少しだけドキドキする。 レイがメモを手で押さえる仕草も、少し長めに考え込む横顔も、全部、前よりもずっと目についてしまう。 ――やばい。 本当にやばい。 ひかりは、話を聞きながらも、頭の半分でそんなことを考えていた。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは、一瞬だけ言葉を失う。 しまった。 聞いていたはずなのに、レイの声がまぶしすぎて、内容が少し飛んでしまった。
朝比奈 ひかり
レイが、少しだけ口元をゆるめた。
月城 レイ
そう言って、もう一度同じ説明をしてくれる。 その声が、少しだけやさしい。 ひかりは、真面目な顔で頷きながら、内心ではますます混乱していた。 好きだと気づいてから、レイのやさしさが全部まぶしい。 前からやさしかったはずなのに。 前からこの距離感だったはずなのに。 今は、それだけで胸が痛いくらい嬉しい。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりがむくれると、レイは少しだけ笑った。 その笑顔を見た瞬間、ひかりは完全に言葉を失う。 ……だめだ。 笑っただけで、こんなに。 こんなに胸が苦しくなるなんて。 ひかりは視線を下げた。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは言葉を探してから、少しだけ声を落とす。
朝比奈 ひかり
レイが、少しだけ目を瞬かせた。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
レイは、珍しくそれ以上突っ込まなかった。 ただ、少しだけ静かにひかりを見ていた。 その視線が、またひかりを落ち着かなくさせる。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは、思わず両手で頬を押さえた。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりがうずくまるようにして顔を隠すと、レイが小さく笑う気配がした。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは顔を隠したまま、くぐもった声で答える。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
その一言に、レイが少しだけ黙った。 ひかりは、その沈黙を耳だけで感じる。 そして、次に返ってきた声が、少しだけ低かった。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは顔を上げた。 その瞬間、目の前でレイが少しだけ笑っているのが見えた。 いつもみたいな、からかう笑顔。 でも、今日はそれすらまぶしい。
朝比奈 ひかり
気づいたら、そう漏れていた。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
レイは、一瞬だけ黙った。 それから、少しだけ視線をそらす。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは声を上げたけれど、もう本気で怒ってはいなかった。 むしろ、レイが少しだけ視線を逸らしたことのほうが気になってしまう。 もしかして、照れてる? いや、まさか。 でも、今の“さあ”は、少しだけ違った気がした。 ひかりは、レイの顔をじっと見つめる。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
即答だった。 でも、少し遅れた気がする。 ひかりは、そこを見逃さなかった。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
レイはそう言ったあと、少しだけ口元を引き結ぶ。 その仕草が、ひかりには妙に可愛く見えてしまった。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは、少しだけ笑ってしまう。 好きだと気づいてから、レイの何気ない言葉や顔が、全部心に残る。 やさしい。 ずるい。 まぶしい。 そう感じるたびに、胸の奥が熱くなる。 レイは、そんなひかりの様子を見て、少しだけ目を細めた。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
レイはそこで少しだけ言葉を止めた。 ひかりが、思わず身を乗り出す。
朝比奈 ひかり
レイは少しだけ目を伏せてから、静かに言う。
月城 レイ
ひかりの心臓が、ひとつ大きく跳ねた。
朝比奈 ひかり
思わず固まる。 今のは。 今のは、かなりずるい。 レイは何でもない顔をしようとして、少しだけ失敗したみたいに視線を逸らした。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりはもう、顔が熱くてどうしようもなかった。 好きだと気づいてから、こういう一言がいちいち刺さる。 前なら、何とも思わず笑って返せたはずなのに。 今はだめだ。 だめすぎる。
朝比奈 ひかり
ひかりがもう一度そう言うと、レイは少しだけ笑った。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
レイのその顔が、少しだけ楽しそうで。 ひかりは、もう完全に視線を外せなくなっていた。 だめだ。 本当に、だめだ。 好きだと気づいてしまった今、レイの普通のやさしさが、全部特別に感じる。 少し話すだけで嬉しくなって、少し笑うだけで胸がうるさい。 こんなの、もう。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
ひかりは、少しだけ口を開いて、そしてためらったあと、結局小さく言った。
朝比奈 ひかり
レイは、少しだけ黙ったあと、静かに笑った。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは、つい笑ってしまう。 その笑い声を聞いたレイが、少しだけやわらかく目を細めた。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
レイは、小さく笑いながらメモを閉じた。 もう打ち合わせは終わったらしい。 ひかりはまだ少しだけドキドキしていたけれど、気づけば少しだけ落ち着いている。 いや、完全には落ち着いていない。 むしろ、今まで以上にレイを意識している。 でも、その意識が嫌じゃなかった。 むしろ、少しだけ嬉しい。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
レイが、少しだけ黙った。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
レイは少しだけ視線を落としたあと、静かに言った。
月城 レイ
その一言に、ひかりは思わず息を飲む。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは、もう返せなかった。 そんなの、ずるい。 本当にずるい。 でも、そのずるさが、どうしようもなく嬉しかった。 レイは、そんなひかりを見て、少しだけ苦笑した。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは、少しだけむくれた。 でも、その表情のまま笑ってしまう。 好き。 たぶん、ほんとに好き。 その気持ちを自覚した途端、全部がまぶしい。 レイの声も、表情も、何気ない一言も。 今まで何でもなかったはずのものが、どれも心に残る。
打ち合わせが終わって部屋を出ると、外の廊下は少しだけ静かだった。 ひかりは、レイの横を歩きながら、何度も言いたいことを飲み込む。 好き。 たぶん好き。 レイのことが。 でも、まだ言えない。 言ったら、今みたいな距離が変わってしまう気がするから。 それでも、隣を歩くレイの存在が、どうしようもなく嬉しかった。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
レイが少しだけ前を向いたまま言う。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
レイは、少しだけ間を置いてから、静かに続けた。
月城 レイ
ひかりの足が止まりかける。
朝比奈 ひかり
レイは何でもないふうに歩き続けている。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
ひかりは、顔を真っ赤にしてレイを睨んだ。 でも、レイは少しだけ笑っている。 その顔が、またずるい。
朝比奈 ひかり
ひかりが小さく呟くと、レイは横目でこちらを見た。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
その一言に、レイが少しだけ目を瞬かせた。 ひかりは、少しだけ視線を下げて、でもちゃんと続けた。
朝比奈 ひかり
レイは、そこで少しだけ黙った。 そして、ふっと息を吐くように笑う。
月城 レイ
その声は、やけにやわらかかった。 ひかりは、その瞬間、自分の胸が少しだけ満ちるのを感じた。 好きだと気づいたあと、目の前のひとつひとつが全部まぶしい。 でも、そのまぶしさは、もう嫌じゃなかった。 むしろ、もう少しだけ見ていたいと思ってしまう。 ――レイの隣にいる時間を。 その気持ちは、まだ恋と呼ぶには曖昧で。 でも、確かにひかりの中に根を張り始めていた。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
レイは、少しだけ驚いたように足を止めた。 そして、ほんの少しだけ笑う。
月城 レイ
その返事だけで、ひかりの胸はまた少しだけ熱くなる。
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
言ってから、ひかりはまた少しだけ恥ずかしくなる。 でも、今さらもう遅い。 だって、気づいてしまったのだから。 レイが、少しだけ目を伏せる。
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
月城 レイ
朝比奈 ひかり
レイは少しだけ笑って、先に歩き出す。 ひかりは、その背中を見ながら、胸の奥でそっと思う。 好き、かもしれない。 じゃなくて。 たぶんもう、好きだ。 まだ言えないけれど。 でも、ちゃんとそこにある。 その気持ちを抱えたまま、ひかりはレイのあとを追った。
コメント
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第18話、めっちゃ良かったです!ひかりが自分の気持ちに気づいてから、レイの何気ない一言とか動作全部が特別に見え始める感じ、すごく共感しました。「おはよう」のLINEだけでこんなに胸が騒ぐの、恋する女の子あるあるすぎてにやけました。レイが「ひかりがやりやすいほう」って言った時のドキッとする描写とか、顔赤いって言われて慌てるとことか、全部が可愛くて…最後の「会えるの、嬉しい」って素直に言えたのも良かったです。次が気になる展開、続き楽しみにしてます!