山崎 美香
全然ダメ!あなた、その理由すら分からないの?
井久田 菜摘
…すみません
井久田 菜摘
(せっかく頑張ったのに…)
山崎 美香
私は理由を尋ねているの
井久田 菜摘
(こんなの分かるわけないよ…)
井久田 菜摘
(どうせ怒られるし…)
井久田 菜摘
申し訳ありません…
山崎 美香
だから謝られても困るわけ
井久田 菜摘
……
山崎 美香
井久田さん、私は企画書自体を考え直すようにと言ったはずよ。誰も修正しろとは言ってないの
井久田 菜摘
はい…
井久田 菜摘
(企画書の案を見た時『いいわね』って言ってたはずなのに…)
山崎 美香
はっきり言わせてもらうとね、井久田さんはユーザー目線にたつ、っていう基本がそもそもできてないのよ
井久田 菜摘
すぐにやり直します
私は指先でネームプレートを触っていた
山崎 美香
あのねぇ
井久田 菜摘
!
山崎 美香
企画書が1度も通ってないのは井久田さんだけなの。だから私は協力してあげているの。
山崎 美香
武藤さんなんて入社してたった半年で商品化までこぎつけてーーーーーーあなた、悔しくないの?
井久田 菜摘
でもそれは…
井久田 菜摘
(元々私のアイデアなのに…)
大学を卒業して1年8ヶ月…
文房具集めが趣味だった私がこの会社に入社したのは間違いだったのか…







