テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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いつか、自分の誇りになるように

第3話 - #3やっぱり僕は

1,287

2024年02月05日

#日常組

#ぺいんと

#しにがみ

#クロノア

#トラゾー

リリ📕💫

しにがみ

……

しにがみの父

…１人暮らしはどうだ？

しにがみの父

生活リズムを崩したり
してないだろうな？

しにがみの父

学校にもちゃんと毎日
行ってるか？

しにがみの父

話せる友達は
いるのか？

しにがみ

……

しにがみ

……

先生

…しゅうとくん…

先生

…せめて､何か１つは
答えてあげて

しにがみ

……

しにがみ

…や､です…

しにがみ

…この人は…

しにがみ

僕の家族なんかじゃ
ない…

しにがみ

この人だって

しにがみ

僕のことを家族だなんて
思ってない…

先生

そんなことないよ

先生

家族だと思っているから

先生

わざわざここまで
来てくれたんだよ

しにがみ

僕がバイトできる
年になったのを知って

しにがみ

僕からお金を取ろうと
してるんでしょ…

しにがみ

……やめてよ

しにがみ

…僕はもう

しにがみ

あんたの顔なんて
見たくない…

先生

しゅうとくん…

先生

……

先生

…いくらなんでも

先生

その言い方は…

しにがみの父

いいんですよ

しにがみの父

全て自分の責任ですから

先生

っ…

しにがみの父

…しゅうと

しにがみの父

お前にとっては

しにがみの父

理不尽で身勝手な話
かもしれない

しにがみの父

…だけど聞いてほしい

しにがみの父

俺は…

バンッ！ (机を叩く)

嫌だって言ってるじゃん!!

しにがみ

あんたからの
言い訳なんて
どうでもいい…！

しにがみ

僕はもう､あんたが
いなくても生きていける

しにがみ

だからもう
ほっといてよ！

しにがみ

自分で捨てたくせに

しにがみ

都合が良くなったら
引き戻すとか

しにがみ

自分勝手にも
程があるっ！

しにがみ

僕はあんたの操り人形
じゃない！！

しにがみの父

……

しにがみ

っ…

しにがみ

（ゲームの時以外で）

しにがみ

（こんなに大声で
叫んだことあったかな…）

しにがみ

（…しかも）

しにがみ

（自分がずっと
思ってた本音を）

しにがみ

（こんな大きな声で
話すなんて…）

しにがみの父

……

しにがみの父

…本当にすまなかった

しにがみの父

お前には何を
言われても

しにがみの父

仕方ないと思う

しにがみの父

全て自分が悪いと

しにがみの父

自分でもわかっている
つもりだ

しにがみ

…だからなんなの…？

しにがみ

謝れば僕が戻るとでも
思ってんの…？

しにがみの父

……

しにがみの父

…そんなに強く

しにがみの父

俺に反抗できるように
なったんだな…

しにがみ

は…？

しにがみ

（…何言ってんの…？）

しにがみ

（…まぁ確かに…）

しにがみ

（昔のままの
僕だったら）

しにがみ

（絶対こんなこと
言ってないな…）

しにがみ

（この人に逆らうなんて
できるわけないって）

しにがみ

（ずっと思い込んでた…）

しにがみ

（…でも…）

しにがみ

（クロノアさんが）

しにがみ

（自分の意思を親に
伝えてるところを見て…）

しにがみ

（僕もそれができる
ようになりたいって
思ったんだ…）

しにがみ

（……いや…）

しにがみ

（…本当はもっと
ずっと前から）

しにがみ

（そう思ってたけど…）

しにがみ

（僕には“覚悟”が
なかったから…）

しにがみ

（…この人とあって
話すっていう）

しにがみ

（自分にとって
苦痛でしかない
この状況を）

しにがみ

（耐え抜く“覚悟”が…）

しにがみの父

…しゅうと

しにがみの父

あの日は____

しにがみ

っ！

もう無理だ

こんなところにいたくない

ダッ…！ (しにがみが扉に向かう)

先生

！

先生

しゅうとくんっ

バンッ！ (扉を強く閉める)

しにがみ

……

どうしたの？しにがみくん…

しにがみ

((ﾋﾞｸｯ

ぴくと

すごい音がしたから
気になって見に来たら

ぴくと

急に出て来たけど…

しにがみ

…ぴくと…さ…

ぴくと

えっ､なになにっ？

ぴくと

なんでそんな泣きそうに
なってんのっ？💦

ぴくと

とりあえず向こうで
話す？

しにがみ

…いや…です…

しにがみ

このまま帰ります…

ぴくと

そう？

ぴくと

だったら向こうまで
送る___

ガチャ (扉が開く)

しにがみの父

しゅうと

しにがみの父

人の話は最後まで
聞きなさい

しにがみ

っ…！

ぴくと

え？

ぴくと

（…誰だ…この人）

ぴくと

（しにがみくんのことを
“しゅうと”って
呼んでるのは）

ぴくと

（先生だけだと
思ってたけど…）

ぴくと

（…しにがみくんの
本名を知ってるのは）

ぴくと

（俺と施設の関係者と）

ぴくと

（あとは___＿）

ぴくと

…！

ぴくと

……もしかして…

ぴくと

お父さん…ですか？

しにがみの父

なんだ？君は

しにがみの父

しゅうとの友達か？

ぴくと

あ…はい

ぴくと

同じくこの施設で
お世話になった者で…

ぴくと

しにが…

ぴくと

しゅうとくんとは
仲良くさせてもらってます

しにがみの父

…そうか

しにがみ

……

しにがみ

（…逃げたい…）

しにがみ

（帰りたい…）

しにがみ

（この人の手の
届かないところに…）

しにがみ

（僕の居場所に…）

しにがみ

……

しにがみ

（ぺいんとさん達が
いるところに…）

しにがみ

（今すぐ逃げたい…）

しにがみ

（この人の視界に
入りたくないし）

しにがみ

（自分の視界にも
この人を入れたくない…）

ぴくと

……

ぴくと

（…しにがみくん…）

ぴくと

（怯えてる…？）

ぴくと

（…というか）

ぴくと

（全面的に
拒絶してる…）

ぴくと

（…当然だろうな…）

ぴくと

（詳しいことはよく
知らないけど）

ぴくと

（この人に捨てられたと
思ってるんだもんね…）

ぴくと

（…もし本当に
この人が）

ぴくと

（しにがみくんのことを
捨てたクズだとしたら）

ぴくと

（今更しにがみくんに
会いに来た理由って
何だ…？）

しにがみの父

しゅうと

しにがみの父

話の続きだ

しにがみの父

部屋に戻ってくれ

しにがみ

…いやだ

しにがみ

あんたと話すこと
なんてない

しにがみ

あんたがさっさと
出て行かないから

しにがみ

僕の方から
出て行くんだよ

しにがみ

……

しにがみ

…お願いだから…

しにがみ

…もう､僕の人生に
干渉しないで…

しにがみ

邪魔しないで…

しにがみ

僕の視界に…

しにがみ

心に…

しにがみ

入ってこないで…！

しにがみの父

……

ぴくと

（しにがみくん…）

先生

……

しにがみの父

……

しにがみの父

…母さんが､言ったんだ

しにがみ

は…？

しにがみ

…なにを…

しにがみの父

……

十数年前__

しにがみの母

…もし…私が…

しにがみの母

ここにいることすら
できなくなったら…

しにがみの母

……あの子を…

しにがみの母

しゅうとを…

しにがみの母

あなたから遠ざけて…

しにがみの父

⁉︎

しにがみの父

なんでそんなこと…

しにがみの母

……あの子は…

しにがみの母

何も…悪くない…

しにがみの母

あの家にいたら…

しにがみの母

きっと…

しにがみの母

私達のことを
思い出して…

しにがみの母

自分を責めて
しまうから…

しにがみの母

…だから…

しにがみの母

あの家から…

しにがみの母

逃してあげて…

しにがみの父

そんなことできるわけ
ないだろ…！

しにがみの父

そうしたら､しゅうとは
どこで暮らすんだよ！

しにがみの父

仮にお前が死んでも…っ

しにがみの父

お前がいなくなっても！

しにがみの父

俺がいるから…！

しにがみの父

俺がそばにいなきゃ

しにがみの父

しゅうとはどうなる…⁉︎

しにがみの母

……

しにがみの母

…ダメなの…

しにがみの母

それじゃあ…
ダメなんだよ…

しにがみの父

なんで…っ

しにがみの母

あの子に

しにがみの母

私達のことを
忘れて欲しいの…っ

しにがみの母

…それで…

しにがみの母

優しい人達が
たくさんいる

しにがみの母

暖かいところで…

しにがみの母

幸せに…なって…

しにがみの母

…欲し…

ピー！ピー！ピー！ (心電図の音)

しにがみの父

⁉︎

しにがみの父

おいっ！

しにがみの父

しっかりしろっ！

神代さん⁉︎

どうされました⁉︎

すぐに医師を呼んできます!!

しにがみ

…どういう…こと…？

しにがみ

……じゃあ…

しにがみ

…父さんは…

しにがみ

僕のために…

しにがみ

僕を捨てたってこと…？

しにがみの父

…あぁ

ぴくと

……

ぴくと

（…そういう理由が
あったんだ…）

ぴくと

（…しにがみくんは）

ぴくと

（大切に思われてない
わけじゃなかった…）

しにがみ

……

しにがみ

…っ…

グッ…！（しにがみが拳を握る)

しにがみ

…意味…わかんない…っ

しにがみ

じゃあなんで…

しにがみ

僕のことを
『死神』だなんて
言ったの…？

しにがみ

僕が自責しないように
したかったなら

しにがみ

なんで父さんが
僕を責めたの…⁉︎

しにがみの父

それは…

しにがみ

違う…

しにがみ

…そもそも､なんで
僕の母さんが…

しにがみ

…やっぱり､僕が
死神だったから
としか…

しにがみの父

しゅうと､それは違…っ

しにがみ

母さんだけじゃ
ないんだよっ

しにがみ

あんたは知らない
だろうけど

しにがみ

ここの先生の１人も

しにがみ

小学生の時の担任も

しにがみ

中学の頃よく話しかけて
くれた同級生も

しにがみ

みんな不幸になった…っ

しにがみ

だから､僕はやっぱり…！

…ごめん､ぺいんとさん

せっかく否定してくれたのに

やっぱり､心のどこかではまだ僕自身が認めちゃってるんだ

僕は

“死神”だって

いつか、自分の誇りになるように

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喧嘩の部分で気持ちが入りながらもリアルな所もあって、もう泣きましたね

リリさんお疲れ様です！母ちゃん出てきたー！！！衝撃の事実判明したし....ぴくさんは何でいたんだろう......謎深まる続き楽しみにしてます！

リリ📕💫

プロフィール

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