可惜夜

口を開けば『期待』の言葉

そんな毎日が続く日々

僕は嫌いだ

大っ嫌い

物心がついた時には僕は人とは違った

どうやら僕には『才能』があったらしい

両親共々その『才能』を褒めたんだ

そしてその『さいのう』に期待した

愛したのは『サイノウ』

僕やない

元々僕に興味は無かった

自分のコンプレックスを埋めれるのなら誰でも良かったんだ

期待しとるで

流石ヨウちゃんやわぁ

凄いで

期待してるで

頑張れ！

愛しとるで

世界一やぁ！

…

うるさい

自分何の為に結婚したか分かっとるんかｯ！？

知っとるでｯ！鬱陶しいなぁｯ！

ヨウが世界一やなかったら

離婚やｯ！！

…

気持ち悪い

きもちわるい

キモチワルイ

神様

どうして僕は才能を持ってしまたんですか？

それはね、選ばれたからだよ

どうして選ばれてしまったんですか？

それが君の運命だからだよ

運命は変えられますか？

…

君は変えられると思うかい？

分かりません

何故？

分かりません

いつかわかる日が来ると思うかい？

…

分かりません

分からないうちはきっと

変えられないよ

僕は逃げました

あんな地獄から逃げ出したかった

あんな

地獄から

僕は

自由に生きてたい

自由に

踊りたい

僕は逃げました

行くあてもなく

ただ彷徨うばかり

味気ない笑顔と共に

僕は薄らとボヤけた視界に

映った世界を

笑った

結局神様は何もしない

只々そこに居るだけ

只々観てるだけ

それを人々は純粋だと言い

神を讃えた

どうしたの？

君は大切な人を殺した人をすきになれるかい？

ﾊﾊ、そうか

僕もだ

君は素敵な舞台を見たいと思うかい？

御伽話よりも可笑しい舞台を

僕はそう思う

だから今こうやってる

なってるさ

僕は悲劇のような喜劇を創る

お揃いだね

僕は好きな人が出来ました

その人は何気ないことで笑い

何気ない事で怒りました

表情豊かで喜怒哀楽が激しい

僕とは真逆です

でもどこか

ほんの少し

僕に似てる気がする

ずっとこのままが良い

そう思ってしまう

自分の才能を隠し

僕だけを愛して欲しい

そう思ってしまうのは

我儘過ぎるだろうか？