氷翠
…………

僕は『霜月 氷翠(しもつき ひすい)』。
今は、絶賛読書中。
そして、僕がいるここは『奇病棟』。世界にはあまり知られていない奇病の子供たちが集まる場所。まぁ、今は僕しか患者さんはいないんだけどね…
氷翠
(へぇ…ここ、こうなっちゃうんだ…)

紅音(看護師)
氷翠く〜ん?ご飯持ってきたよ〜!

氷翠
!

紅音(看護師)
お、また本読んでる〜

紅音(看護師)
何読んでたの?

氷翠
……………

この、とても元気な女の人は『桜木 紅音(さくらぎ あかね)先生』。
僕の専属の看護師だ。話はあまり合わないけど、この人と話すと…とても暖かい気持ちになる。
氷翠
「探偵Sの事件簿」っていう、ミステリー小説……

紅音(看護師)
へぇ〜…さっすが、氷翠くん!

紅音(看護師)
頭いいから、ミステリー系も読むんだね〜

氷翠
……それは、よくわかんないけど…

氷翠
で、?今日のご飯は…?

紅音(看護師)
あ、今日はね!

紅音(看護師)
白ご飯に味噌汁

紅音(看護師)
鯖の塩焼きと、野菜の煮物だよ!

氷翠
(う、野菜……)

僕は、野菜が大嫌いなんだ。特に…ゴーヤとか、ピーマンとか……。…子供っぽいって言うなよ、??
紅音(看護師)
ちゃーんと、全部食べてね!

氷翠
……………はぁ、わかった…

氷翠
…いただきます。

氷翠
パクッ……モグモグ…

紅音(看護師)
どうかな?

氷翠
んまぁ、悪くないよ……野菜以外…((ボソッ…

紅音(看護師)
ん?何か言った?

氷翠
………別に。

紅音(看護師)
?そっか

氷翠
…ご馳走様でした。

氷翠
(はぁ……何とか食べきった……)

紅音(看護師)
お、ちゃんと完食してるね〜!偉い偉い!

氷翠
………………

氷翠
……?

紅音(看護師)
はぁーい?

久遠 海璃(先生)
失礼するね

氷翠
(あ、久遠先生)

この眼鏡をかけている男の人は『久遠 海璃(くおん かいり)先生』。
僕の専属の先生だ。誰にでも優しく接してくれる、女性からの人気がすごい先生。
久遠 海璃(先生)
って、あ…やっぱり…

久遠 海璃(先生)
ここにいたんですね、桜木先生

紅音(看護師)
久遠先生!

氷翠
……どうしたんですか、?

久遠 海璃(先生)
そろそろ時間だから、呼びに来たんだけどね

久遠 海璃(先生)
桜木先生がいないから、探してたんだよ

紅音(看護師)
あ、え、もうそんな時間ですか!?

氷翠
……………はぁ、よくわかんないけど…

氷翠
ほんと、相変わらずだよね……桜木先生は。

紅音(看護師)
急いで行かなきゃ!💦

紅音(看護師)
久遠先生!ありがとうございます!💦

紅音(看護師)
じゃあ、氷翠くん!私は、この辺で!💦

紅音(看護師)
それじゃ!💦

氷翠
……………朝から騒がしいなぁ…

久遠 海璃(先生)
あはは、そうだね

久遠 海璃(先生)
あ、せっかく来たし…診察、やって行ってもいいかい?

氷翠
……うん、大丈夫

久遠 海璃(先生)
じゃあ、始めるね

久遠 海璃(先生)
はい、ありがとう

氷翠
うん…

久遠 海璃(先生)
今日も、特に異常はないね

久遠 海璃(先生)
氷翠くん、最近体調も良好みたいだし…

久遠 海璃(先生)
このまま行けば、治るかもね?

氷翠
……冗談言わないでよ

氷翠
治らないって、わかってるから…

久遠 海璃(先生)
…夢がないなぁ、氷翠くんは

久遠 海璃(先生)
この病院から、退院できるかもしれないよ?

久遠 海璃(先生)
したいこととか、ないのかい?

氷翠
………

氷翠
(そんなこと、考えたこともなかった…)

氷翠
……僕、もうここに慣れちゃったし…

氷翠
出たいって思ってないから、わかんない…

久遠 海璃(先生)
ん〜、そうかい?

氷翠
…うん

久遠 海璃(先生)
まぁ、必ず治らないって訳でもないんじゃないかな?

氷翠
…どういうこと、?

久遠 海璃(先生)
治療方法も、見つかってないだけで

久遠 海璃(先生)
あるかもしれないだろう?

久遠 海璃(先生)
まだ、諦めるべきでは無いと思うよ

氷翠
…確かに、そう言われてみれば…

氷翠
でも、ここに長く居すぎて

氷翠
…病気とか、どうでもよくなった

久遠 海璃(先生)
…そうか

久遠 海璃(先生)
ま、可能性がゼロではないってことは

久遠 海璃(先生)
知っておいてね

氷翠
…わかった。

久遠 海璃(先生)
あ、桜木先生から聞いたかもだけど…

久遠 海璃(先生)
今日は、新しく入院することになった子たちが来るんだよ

氷翠
…うん、知ってる

久遠 海璃(先生)
そっか。

久遠 海璃(先生)
どんな子がくるのか、先生わくわくしてるんだよね〜

氷翠
……まぁ、何年も来てなかった訳だしね

久遠 海璃(先生)
うんうん。あ、氷翠くんは楽しみかい?

氷翠
え、…僕は……そんなに……かな?

氷翠
……興味無いし、

久遠 海璃(先生)
そうかぁ……

久遠 海璃(先生)
まぁ、君の性格上…仕方ないのかなぁ?

氷翠
…………………

久遠 海璃(先生)
おっと、困らせちゃってごめんね。

氷翠
…大丈夫。本当のことだから…

久遠 海璃(先生)
…あー

久遠 海璃(先生)
氷翠くんが持ってるその本。「探偵Sの事件簿」だよね?

久遠 海璃(先生)
僕もその本、結構好きなんだよね〜

久遠 海璃(先生)
謎解きも面白いし、ストーリーもいいしね。

氷翠
!……いい、よね…この本。

氷翠
探偵Sが、謎を次々に解決していって…

氷翠
謎解きも、めっちゃ色んな種類あるし

氷翠
子供の僕でも、簡単に読めて楽しめちゃうし……って、あ…

氷翠
……ごめん、つい…その……

久遠 海璃(先生)
あっはは、大丈夫だよ

久遠 海璃(先生)
その気持ち、先生もすっごく分かるから

久遠 海璃(先生)
それより、もっと聞かせて欲しいかな!

氷翠
!……うん、わかった…!

氷翠
あとはね……

久遠 海璃(先生)
うんうん

久遠 海璃(先生)
いやぁ…とても面白い話だったよ

久遠 海璃(先生)
ありがとうね、氷翠くん。

氷翠
いや、大丈夫……

氷翠
こっちも……その……楽し、かった……

久遠 海璃(先生)
ふふっ、そうかそうか!

久遠 海璃(先生)
なら、よかったよ

久遠 海璃(先生)
あ、そろそろ時間だね…

氷翠
?なにかあるの…?

久遠 海璃(先生)
…お待ちかねの、入院してきた子たちとの初対面のお時間だよ

久遠 海璃(先生)
それじゃ、先生はお先に会ってくるから

久遠 海璃(先生)
この辺で。

久遠 海璃(先生)
また来るからね〜

氷翠
あ、うん……わかった。

氷翠
………………

氷翠
(また、騒がしくなるのかな……)

氷翠
!…ん、……

久遠 海璃(先生)
失礼するね

紅音(看護師)
やっほ〜!氷翠くん!

紅音(看護師)
連れてきたよ〜!

氷翠
!

紅音(看護師)
紹介するね!

紅音(看護師)
この子は舞優くん!

舞優
ども…僕は舞優、です。

氷翠
………………ペコッ…

氷翠
(礼儀正しい……)

氷翠
(それに…なんか、ちょっと…似てるかも……?…)

紅音(看護師)
舞優くんは、氷翠くんと同じような病気で

紅音(看護師)
氷翠くんと同じ部屋になるから、仲良くしてあげてね!

氷翠
(へぇ……この子が……、)

氷翠
……………よ、よろしく…

舞優
…うん

久遠 海璃(先生)
あ、桜木先生

久遠 海璃(先生)
そろそろ、他の子たちの様子をチェックしに行かないと…

紅音(看護師)
あ、そうでしたね!

紅音(看護師)
じゃあ、2人とも!私たちは、この辺で!

久遠 海璃(先生)
氷翠くん

氷翠
………?

久遠 海璃(先生)
舞優くんに、この病院の案内とか

久遠 海璃(先生)
この病院についてとかは、氷翠くんが紹介してあげてね

氷翠
………ぇ、…

久遠 海璃(先生)
よろしく

久遠 海璃(先生)
じゃ、先生たちは行ってまいります(`・ω・´)ゞピシッ

久遠 海璃(先生)
またね

氷翠
ぇ、ちょ………僕、むりなんだけd

氷翠
…ぇぇ………

氷翠
(あの二人……僕が、こういうの苦手なの知ってて……)

氷翠
…………はぁ、

氷翠
えと、ま、舞優……さん…

舞優
ん、?

氷翠
この病院に、ついて……説明するね

舞優
あ、うん。よろしく。

氷翠
この病院は…「奇病棟」って、言って…

氷翠
僕や、君…みたいな

氷翠
奇病の子供たちが集まる場所、なんだ

舞優
へぇ…

氷翠
えっと、で……

氷翠
あの人たち、は…

氷翠
「桜木 紅音先生」と、「久遠 海璃先生」で…

氷翠
僕の…専属の看護師、と…専属の先生、なんだ

舞優
ふーん、なるほどね…

舞優
ん、?「僕の」って事は…僕の専属の先生とかは、いるの?

氷翠
…えっと、それが…少し難しくて…

氷翠
この病院、…1人に1人ずつ…専属の先生と看護師がいるんだ

氷翠
なんか、部屋ごとに1人ずつ…いる、らしくて

氷翠
だから、多分……舞優さん、の…専属の先生たちは…

氷翠
あの二人、なんだと思う…

舞優
なるほど〜…ありがとう

氷翠
!……う、うん

舞優
で、あとは……

氷翠
病院の、探索…だね。

舞優
うん

舞優
あ、でも…君、動いて大丈夫なの?

氷翠
…ん、?うん、普通に大丈夫…だけど…?

氷翠
なんなら、この病院内は……暇な時に、よく出歩いてるよ。

舞優
え、出歩いて大丈夫なの?

舞優
君の病気によっては…

氷翠
…あー……なるほど、ね……

氷翠
…さっき、桜木先生が言ってたでしょ…「同じような病気」って

氷翠
僕の病気、は……「睡晶病」なんだ。

舞優
!……なるほど。

氷翠
…ぁ、というか…

氷翠
舞優さんは…なんの、病気なの…?

舞優
僕はね……

舞優
…………………

氷翠
……ごめん、話したくないなら…大丈夫

舞優
あ、いや…こっちこそ、ごめん。

氷翠
………

氷翠
じゃぁ……そろそろ、行こ…

舞優
そう、だね

舞優
行こっか

氷翠
うん

平日だし投稿する時間すぎちゃったけど
余裕あったから、2個も投稿しちゃったw
まぁ、みんな楽しみにしてくれてたし……いいよね?( *´꒳`*)