カナ
春‼春❗待って!

春と毎日通った通学路は薄いピンク色のはなを満開に咲かせて新しい一年の始まりを知らせていた。だけど、そんな美しい桜に目もくれず、春の後ろ姿を探して駆け抜ける
カナ
春は天国のお父さんの後を継いで音楽家になるという夢を叶えるため、海の向こうの国にある学校へ進学する

それを知った私は悲しさと寂しさを隠しきれなかった行かないでずっとそばにいて
そんな自分勝手なことばかり春に押し付けていた
カナ
この道を抜けると私たちが三年間通った高校があり、その先は駅。そこから空港向かう電車が出ている。私が見送れるのはそこまで

カナ
春はもうすぐ遠い国に旅立ってしまう出遅れになるまえに
本当の気持ちを伝えなければならない。高校の校舎が見えてくる頃、私はようやく見慣れた姿に追い付いた

カナ
初めて会った時よりもずっと大きくなったその背中に向かって力いっぱい叫んだ

カナ
春ーっ‼待ってー‼

キャリーバックを引きながらゆっくり駅に向かっていた春が立ち止まった
春千夜
カナ?何でいんの?

振り返るとどうじに私の姿に気付いた春は目を丸くした
カナ
どうしても言わなきゃ行けない事があるの

カナ
私、春のことが、、、!

春千夜
待って俺から言わせろ

春千夜
カナお前のことが好きだ!

カナ
春もわたしと同じ気持ちだったんだ、、、!

カナ
ずっと言わなきゃ行けないって思ってただけど勇気が出せなくてごめん、、ッ

春はキャリーバックから手を離すと、
私のことを抱きしめた。
不意をつかれて、私は息が止まりそうになった
春千夜
必ず迎えに行く。だから待ってて欲しいんだ

カナ
うん。もう行かないでなんて言わないよ。私はこの町で春を応援してる!

カナ
春の腕の中で何度もうなずく

カナ
私も春のこと好き!

カナ
やっと言えた。ずっとすれ違ってばかりで、言えなかった言葉。私の心の一番深い場所から、溢れ出した言葉。

カナ
それを受け止めるように、春は少しだけ頬を染めてほほ。笑んだ

カナ
二度と会えない訳じゃない。遠い国に行っても私たちの心はずっと繋がってる。

カナ
だから大丈夫。

春千夜
俺そろそろ行かなきゃ

カナ
ポロポロ

春千夜
泣くなよww大丈夫だから!

カナ
だって悲しいもん!( ノД`)…

春千夜
待ってろよ、俺が戻って来るまで誰とも付き合うなよ(-.-)

カナ
うんグスッ‼もちろん❗

春千夜
じゃあ行くな

カナ
春行ってらっしゃい、、、

カナ
私はそっと春に囁いた
