テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
威榴真side
紫龍いるま
ますます疑問が深まり 俺は改めて乾を見やる。
紫龍いるま
紫龍いるま
徐々に熱が入り 俺は一気にまくし立てた。
紫龍いるま
紫龍いるま
紫龍いるま
思った以上にヒートアップ したらしく言い終わる頃には 息が乱れていた。
対する乾は黙ったきり じっとこちらを見つめている。
その瞳から感情を 読み取ることは出来ず 俺は一方的に続けるしかない。
紫龍いるま
紫龍いるま
紫龍いるま
乾ないこ
よくやく声を発した 乾の口元には苦笑が 浮かんでいた。
紫龍いるま
あえて「紫龍くんは」と 言ったのは自分とは違うと 主張したいからだろう。
本当に自信があるのか こちらを煽る為なのかは分からないが どちらにしても意味がない。
紫龍いるま
俺は何故か泣きたい 気持ちになりながら 皮肉げに笑ってみせた。
紫龍いるま
紫龍いるま
紫龍いるま
乾ないこ
乾ないこ
理解不能だ。
俺は正直に「なんだそれ?」と 聞き返したが乾は静かに笑っている。
そのまま暫く待っても それ以上の答えは返ってこなかった。
紫龍いるま
話を切り上げるタイミングを 見失っているとズボンの 後ろポケットの中で スマホの通知が鳴った。
この時間だから、 きっと相手は穂留彗だろう。
夕飯どうするの、とでも 書いてあるに違いない。
紫龍いるま
紫龍いるま
丁度いい機会だしこのまま 退散してしまうべきだ。
そんな俺の考えが垣間見えたのか 乾が何か言いたげな視線を 投げかけてきた。
紫龍いるま
堪らず叫ぶと乾は 信じられないようなことを 言ってくる。
乾ないこ
紫龍いるま
前言撤回だ。
自分のペースに 持ち込みたいからではなく 本当に話が通じない。
どっと疲労感が押し寄せ 俺は堪らずため息をつく。
紫龍いるま
その為にもきっぱりと 意思表示をしなくてはならなかった。
相手が最も聞き出したかった であろう俺の気持ちを。
紫龍いるま
乾ないこ
乾は驚いたように息を呑み それから「失敗した」と いう顔になった。
その反応に俺は 立ちくらみを覚える。
紫龍いるま
今更理由を聞く気にもなれず くるりと乾に背を向けた。
紫龍いるま
ひりつく喉から無理やり声を出し その場を後にする。
背後からは返事もなければ 呼び止める声もない。
紫龍いるま
そんなことを間違っても 夏都には言えないなと 苦笑しながら俺は足早に歩いて行く。
熱くなった頬を ひんやりとした風が撫でていった。
紫龍いるま
1人残された乾はどんな顔を していたのか。
暗くなった空に輝く月だけが 見ていた。
コメント
2件