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半透明な君へ

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半透明な君へ

36 - 第36話

♥

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2025年05月10日

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またね、と焦ったように言った蒼宮の表情が、頭から離れない

胸が押しつぶされるような思いだった

もう会っちゃいけないって、そう決めたばかりなのに、何を考えているんだろう

俺は、ひたすら自分のことを非難し続けた

先生と蒼宮が二人でいるだけで、嫉妬している自分が、恥ずかしくて情けなかった

どうして二人でいたかは分からないけれど、あのとき、なぜか蒼宮が遠く感じられた

蒼宮が、俺のものだったらいいのに、と強く思った

...っ、

 ……でも、蒼宮の隣に俺はいてはいけない。俺の場所は、多分一生ここだ

まるで自分に暗示をかけるかのように、店を見上げた

やっと辿り着いたそこは、闇に溶け込んでいるかのように見えた

蒼宮と別れてからほんの少ししか経っていないのに、辺りはもう黒に近い紺色で

電飾がうっとうしいほどに光っている

この店の周辺では、クリスマスとか関係なしに、毎日こんな風景だ

眩暈がするほどの雑音と、汚い人間の欲望に溺れそうになり、俺は慌てて店に入った

桃くん、どうしたの、?

今日遅かったけど...、

店に入った瞬間、街の雑音が全て消えた

早く着替えてね、もう開店しちゃうから...(苦笑)

紫ーくんは遅刻したのにとくに怒る様子もなく、早く着替えるよう俺を促した

まるで外の雰囲気と違う店内は、もう何人かのバイトの人が掃除をしている

俺は、それらをしばらく見てから、決心したように重い口を開いた

紫ーくん、ちょっと話があるんだけど...、

着替えたらね〜、!

わかった、

香水の香りの染みついた黒シャツに着替えながら、俺はこれから話すことを必死に整理した

……怒鳴られるなんて百も承知だ

でも、これ以外に答えが見つからない

着替え終えた俺は深く息を吐いてから、紫ーくんの元へと近づいた

そして、ゆっくりと口を開いた

……紫ーくん、俺、高校やめる事にした

真っ直ぐに紫ーくんを見て言った瞬間、妙な沈黙がフロアに漂った

紫ーくんは、目を見開いて驚いている

今まで紫ーくんに育ててもらったも同然なのに、なんて親不孝なんだろうか、俺は

でも、本当にこれ以外見つからなかったんだ

蒼宮を守る方法が...、

......、本気で言ってるの、?

紫ーくんは深くため息をつき、額に拳を当てた

眉間にしわを寄せたその表情は、苦渋と困惑に満ちている

もう何回目だろう、こうして大切な人に迷惑をかけるのは

しばしの静寂の中、沈痛な面持ちで、紫ーくんはやっと口を開いた

……理由は、言えない、、?

俺はゆっくりと首を縦に振った

......、コクッ

...、俺って、そんなに頼りないかな...

桃くん、...ッ、

微かに震えている宮本さんの声に、胸が苦しくなった

違う。違う、そうじゃない。そうじゃなくて。俺はただ...

もうこれ以上誰かを巻き込みたくないんだよ...ッ

なのに、なんで俺は、こうも大切な人を大切にできないんだ

なんて、非力なんだ

信頼してるから、言えない……

何もかもが情けなくて、じっと涙が込み上げてきそうになった

こんな能力がなければと、今、心の底から思った

こんな、こんな能力要らなかった

人の心なんか、分からなくたっていい

モブ

オーナー。あの、お客が……

その瞬間、カランカランというベルとともに、常連の客たちが入ってきた

それを気まずそうに知らせる新人のバイトに、無理ーくんは、何か言いたげな顔を一瞬したけれど、「ああ」と返事を返した

とりあえず、桃くん、このことはまたあとでじっくり話そう、?

ねぇ、それまでにもう一度よく考えてくれないかな……?

俺は黙り込んだまま、紫ーくんがホールに戻っていくのを見ていた

莉子

桃くん、カウンター空いてる?

そのとき、ポン、と肩を誰かに叩かれた

突如視界に飛び込んできた赤いマニキュアに驚き、振り向いたそこには、莉子さんがいた

莉子

元気ないね。どうしたの?

……別に。なんでもないです

俺は必死に平静を装って冷たく言い放った

ざわざわと騒ぎ出す胸を押さえたけれど、体が、この人に対して拒否反応を示している

莉子

へぇ……。

莉子

今日は随分機嫌が悪いのね。何か嫌なことでもあったのかな

あの、この前聞き忘れたんですけど、あのときのガラスのケガって……

莉子

それとも悩んでいるのかな?

何をですか、話をさえぎらないでください

莉子

自分の能力のことについて

お久しぶりです☺️

色々あって結構経ってしまいましたが自分なりのペースで投稿していきます😚

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