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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

LAN

うわあああぁぁん!!!

暇72

い、いるまさん…これ、どういうことですかね…。

俺の家でLANとなつと作業してた。俺はラップ詞を作るため別室に居たのだが…。目の前には号泣してるLANと困惑してるなつ。…地獄絵図だ。

いるま

あー…えっと…なつ、ちゃんと説明するからとりあえず今だけは俺の行動に何も言わないでほしい。

暇72

お、おう…?

不思議そうななつを制し、俺は泣き続けるLANを抱き締める。

いるま

LAN。

LAN

ふぇ…。…いるま、おにーさん…?

前に幼児退行した時の記憶が残ってるか不安だったけど、覚えててくれたみたいだ。

いるま

うん、そうだよ。知ってる人いなくて不安になっちゃった?

LAN

うん…。

いるま

一人にさせちゃってごめんね。大丈夫だよ、俺が側にいるから。

やっと落ち着いたLANを抱き締めながら、なつの方を振り返ると、なつはスペースキャットみたいな顔をしていた。

***

暇72

…ストレスが溜まると幼児退行する…?

いるま

ああ。今まで俺以外の前でなることはなかったから言わなかったんだけど…。

暇72

…。

いるま

とにかく、こうなった以上LANを甘やかすしかないから…今日は帰―――。

暇72

俺も。俺もLANの面倒見る。

いるま

…へ?

なつの意外な申し出に俺は間抜けな声を上げてしまった。

暇72

…シクフォニの一員なのに、LANのストレスが溜まってるなんて気付けなかった。だったら、せめてLANのストレスを取り除く手伝いくらいしたい。…駄目か?

いるま

駄目ではないけど…。

正直、意外ではあった。なつは子供の世話とかめんどくさがりそうだし…。ずっと話についていけずキョトンとしているLANに、なつはずい、と顔を近づける。

暇72

LAN。俺は暇72。いるまの友達だよ。よろしく。

そう言ってLANに微笑みかけるなつ。LANは頬を赤らめていた。

LAN

ひ…暇72おにーさん…?

暇72

なつでいいよ。

LAN

なつお兄さん…。

暇72

うん、それがいいな。

そこまで言ってなつは俺と目を合わせる。

暇72

いるま…。

いるま

どうした?

暇72

LANめっちゃ可愛いな…。

いるま

だろ?

いるま

LANは今日何したい?

暇72

お兄さん達がなんでも叶えてあげる。

LAN

らん公園行きたい!

公園か…。流石に他の子供も居るだろうたから遊具で遊ぶのは厳しいよな…。どうしたものかと頭を悩ませているといるまがとある物を取り出す。

いるま

それじゃあLAN。折角だし公園でお弁当食べよう。LANもお弁当作り手伝ってくれる?

LAN

うん!

…流石いるま。やっぱりLANの幼児退行、慣れてんのかな…。

いるま

なつ、ボーッとしてんなよ。お前も作るんだよ。

暇72

あ、ああ…。

いるまは手際よく茹で卵を作ると、LANに渡す。

いるま

LAN、茹で卵をフォークで潰してくれる?

LAN

わかった〜!

その間に俺といるまは包丁を使って材料を切っていく。

暇72

…いるま、LANの扱い慣れてんね。

いるま

まあ…何回か経験してるし。その度に慌ててたらLANもパニックになっちゃうでしょ。

暇72

…。

そういう意味で言ったんじゃねぇんだけど、わかってなさそー…。

簡単にサンドイッチを作って近くの公園へ。平日の昼間だからかあまり人はいなかった。とは言え、遊ぶのはちょっと…。見た目は成人男性なわけだし…。

そんな俺の心配を他所に、LANは公園に来ただけでニコニコだった。遊びたいわけではないのか…?ベンチに座っているまと楽しそうに話してる。…まあLANが楽しいならそれでいいか…。LANのストレスを取り除くのが目的だし。

いるま

ご飯食べよっか、LAN。

LAN

うん!いただきまーす!

俺も自分で作ったサンドイッチを一口齧りながら、笑顔のLANは可愛いなぁとか考える。

暇72

…LAN、美味しい?

LAN

美味しい!いるまおにーさん、なつおにーさん、作ってくれてありがとう!

暇72

そっか、それなら良かった。

LANの頭を撫でながらそう言うと、また嬉しそうに微笑む。

サンドイッチを食べ終えたLANは暫く楽しそうに話してたけど、次第にウトウトしてくるのがわかる。子供って本能に素直だな…。

いるま

LAN?眠い?

LAN

いるまおにーさん…。

ぎゅ、といるまに抱き着くLAN。…まあ、流石にこんなにすぐは懐いてくれないよな…。

いるま

眠かったら寝ていいよ。一緒に居るから。

LAN

ん…。

いるまが優しくLANの背中をトントンすると、すぐにLANの寝息が聞こえてくる。

いるま

…これで一先ず安心かな。

暇72

そうなん?

いるま

大体寝て起きたら幼児退行治ってるから。…一応言っておくけど、他のメンバーにはこのこと言うなよ。

暇72

なんで?

いるま

LAN自身は秘密にしてるわけじゃなさそうだけど…皆に知られて気を遣われるようになったら、逆にLANも気を遣いはじめるだろ。こうやって幼児退行した時宥める役は必要だろうけど、だからって全員気を遣い始めたら本音で会話なんてできなくなる。

元々言うつもりなんてなかったけど、しっかり考えてるいるまに思わず黙ってしまう。

暇72

…わかったよ。別に元々言うつもりもないけど。

いるま

助かるよ。

いるまがおんぶして、すやすや眠るLANを連れているまの家に戻ってきた。

暇72

…いるま、LANより身長低いのに。

いるま

は?かんけーねーだろ。てかそう思うならなつがおんぶすればよかっただろ。

暇72

俺はまだ懐かれてないみたいだから。

皮肉も込めてそう言うとLANをベッドに寝かせたいるまは溜め息をつく。

いるま

なーに、お前。LANのこと好きなの?

暇72

は、ぁ!?違っ…!

いるま

俺はLANのこと好きだよ。

いるまのその発言に俺は目を丸くした。

いるま

勿論恋愛的な意味でね。誰にも譲る気なんてなかったけど…なつがライバルじゃないなら良かった。

暇72

…!

煽るようなその物言いにイラッとしてしまう。

暇72

いるま、お前…。

いるま

LANも俺のこと大好きみたいだし?恋人になるのも時間の問題かなぁ…。

俺はこんな軽い挑発に乗ってしまう程単純なのか、と思いながら頭をガシガシと掻く。

暇72

そのやっすい挑発に乗ってやるよ。俺もLANのことが好きだよ。いるまには渡さねぇ。

いるま

いいねぇ…壁は高いほうが燃えるもんね。

いるまに宣戦布告されたのはともかく…眠って起きたLANはいつも通りで。

LAN

あー…なっちゃんにもバレちゃったんだ?

暇72

不服か?

LAN

不服ってわけじゃないけどさー…。それで気遣われんのとか嫌だよ?

いるまは知ってたのに?と言いそうになったがなんとか口をつぐんだ。

暇72

…生憎、大人のLANに気遣うほど出来た人間じゃないからな。

LAN

…まあ、そうなんだけど。そう面と向かって言われるのもな〜…。

ぶつぶつ言うLANに気付かれないよう俺はため息をつく。

暇72

…いるまじゃなくて俺のこと見ろよ、バーカ…。

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