きりやん
きりやん
困惑していた
急に自分の気持ちが理解できなくなったからだ
勿論シャークんのことも好きだ。でもきんときの事も好き。
俺は果たして、誰を愛しているのだろうか?
シャークんを無くしたくない
きんときとも一緒にいたい
これは俺の我儘なのだろうか?
でも、限りなく言えることは
目の前で泣きながら気持ちを伝えてくれた彼を無下にしてはいけないこと
シャークん
きりやん
きりやん
シャークん
シャークん
きりやん
どうしたらシャークんは離れずにいてくれるのか、そんなことを今は考えている
先程まできんときのことを考えていたのに
今はシャークんの気持ちにどうにか応えたいと思ってしまっている
あまりにも、いつも強いシャークんが背中を丸めて小さく泣くものだから
頭を撫でたくなってくる
大丈夫だよ。泣かないで。俺がいる
手を伸ばして、発言しそうになりそうしたい衝動を押し殺した
だって、それを彼にしていいのは彼の恋人だけだから
俺は何者だ?
俺は彼の何になりたいんだ?
分からない
そしてフッと俺の頭に良くない考えが過ぎる
悪魔のきんときよりも天使同士のシャークんといた方が幸せになれる
きんときといた方が困難が続く
でも、シャークんは天使同士。何も問題は無いしきっと皆受け入れてくれる
なら
俺は彼をこの手で抱きしめることだってできるじゃないか
すごく、すごく。酷い考えだった
人のことを何も考えてない。
自分がただ可愛いだけの自己中心的な考え
でも…それでもいいと思ってしまったんだ
そして俺は額から何かが零れ落ちるのを感じた
きりやん
涙だった。
感情がグチャグチャになって、誰を愛してるのかも分からなくなって
でも俺はずっと君が天使ならよかったと願ってしまっている
そこまで思っているのに
君は天使になれないし、僕も悪魔にはなれない
だから
僕は天使を愛そうと思う
きりやん
きりやん
俺はシャークんを抱き寄せた
小さな身体が俺の腕にすっぽり入ってシャークんは驚きのあまり声が出ていないようだった
罪悪感と喪失感でいっぱいだった
彼のことを見よう。そう決めたのにその気持ちとは裏腹に涙は止まらない
シャークん
小さな声でそう呟いた
お前はきんときが好きなんだろ?
じゃあなんで俺を選ぶんだ…?
おかしいだろ?
そう思っているうちに、答えは出ていた
抱き寄せた腕が震えている
抱きしめる力が強くなる
彼は俺を抱きしめて泣いていた
きりやんだって辛かったんだ
いつも翼だけで決めつけるこの世界が俺らの心を切り裂いていく
こんな翼さえ無ければ俺達はこんな思いなんてせずに済んだのに
少しのため息をついてから俺は大好きだった彼の腕を俺の背中から無理やり剥がし
シャークん
シャークん
シャークん
本当は嘘でも俺の隣でいてほしかった
俺と生きてほしかった
だけど
君は俺とは違うから
俺と一緒に居ちゃいけないんだよ
だから
さよなら俺の愛した人
さよなら、俺の片思い
コメント
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お、親方目から塩水がヴッ(T-T)
うううう、、、、泣きそう、、 フォロー失礼します、、