テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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あの濡れた君が

第1話 - あの濡れた君が

2024年08月29日

#オリキャラ

#BL

#改変立ち絵

#虐待

遙稀

今回は読切

遙稀

遥輝の過去が明らかになる感じ

遙稀

これまでいくつか遥輝の過去は出てたけどね

大雨の音

海疾

(……雨、強くなってきたな)

海疾

早いとこ帰らねぇと……

海疾

……ん？

海疾

(こんな大雨の中裸足で傘もさしてない……？)

海疾

(しかも上着着てるとはいえ……上着の下何も着てなくね………？)

海疾

(……目に光もないし……心配だな)

海疾

……なぁ

遥輝(幼少期)

……？

海疾

お前、大丈夫か？

遥輝(幼少期)

……(弱々しく頷く)

海疾

……いや、震えてんじゃねぇかよ。家に来い

遥輝(幼少期)

ｯ……(首を振る)

海疾

そのままだと風邪ひいちまうだろ

海疾

………はぁ

(掴む音)

(背負う音)

遥輝(幼少期)

！？

海疾

雨の中子ども放っていくわけにはいかねぇし

海疾

無理矢理連れてかせてもらいますよー

海疾

母さんたでーまー

さくら

おかえりなさい。あら？その子は？

遥輝(幼少期)

(あわあわしてる)

海疾

雨ん中傘もささずいたから連れて帰ってきた

さくら

そ、そうなのね

さくら

とりあえず、着替え用意するからお風呂入れてらっしゃい

海疾

はーい

海疾

ほら、洗ってやるから来い

遥輝(幼少期)

(ゆっくり来る)

海疾

……えっ！？お前男だったのか！？

遥輝(幼少期)

………(頷く)

海疾

そ、そうなのか

海疾

んじゃ、洗うぞー。

海疾

(シャワーで遥輝を洗う)

遥輝(幼少期)

(シャワーで洗われる)

海疾

よし、シャンプーとリンスも終えたし、身体も洗った。風呂入るか

遥輝(幼少期)

(頷く)

海疾

……そろそろ上がるか

遥輝(幼少期)

(頷く)

海疾

うっし！飯にするか！

さくら

お父さんそろそろ帰って来るからね

海疾

はーい

奏太

ただいまー

さくら

おかえりなさい

海疾

おかえり

奏太

あれ、その子はどうした？

遥輝(幼少期)

(おどおどしてる)

海疾

あー……雨ん中上着にスカートだけだったから連れて帰ってきた

さくら

まさか男の子だったなんてね～

海疾

飯にしよーぜとーさん

奏太

あぁ、もちろんだ

さくら

そういえば、その子名前はなんて言うの？

海疾

え？……確かに聞いてなかったな

遥輝(幼少期)

………？

海疾

でも、声一回も聞いてねぇな

さくら

もしかして、喋れないとか？

遥輝(幼少期)

……(頷く)

奏太

明日、病院に連れて行こう

さくら

そうね

さくら

とりあえず今は、ご飯食べちゃいましょ

奏太

そうだな

海疾

ほら、お前も

遥輝(幼少期)

……(海疾に引き連れられ座る)

さくら

それじゃあ

さくら

いただきまーす

海疾

いただきまーす

奏太

いただきます

遥輝(幼少期)

(周りの真似して手を合わせる)

海疾

……ん？食わないのか？

遥輝(幼少期)

(おどおどしてる)

奏太

口に合わなかったか？

さくら

一口も食べてないみたいだけど……大丈夫？

遥輝(幼少期)

(おどおどして周りの顔色伺ってる)

海疾

……？食べていいんだぞ？

遥輝(幼少期)

……！？(いいの？という顔)

海疾

？あぁ、ダメな理由ないしな

遥輝(幼少期)

(食べ始める)

さくら

食べていいのか、分からなかったのね

奏太

………普通そんなことあるか？

奏太

皆が食べてる中、食べていいのか分からないって

さくら

それは……私達が考えても仕方ないわ

さくら

明日、病院でわかると思うし

奏太

……それも……そうか

海疾

あ、俺ご馳走様

さくら

はーい

遥輝(幼少期)

(手を合わせてる)

奏太

……？ご馳走様ってことか？

遥輝(幼少期)

(頷く)

さくら

そう、口にあったみたいで良かったわ

さくら

海疾と一緒に部屋行ってらっしゃい

海疾

はーい

海疾

ってか兄さんは？

さくら

さぁね。バイト仲間とご飯じゃないかしら

海疾

なるほど

海疾

とりあえず部屋行こうぜー

遥輝(幼少期)

(頷く)

海疾

何しようか

遥輝(幼少期)

……？

海疾

今日は色々あったしな……

海疾

(あ、そうだ)

海疾

俺、もう眠いから寝るわ

遥輝(幼少期)

……

海疾

おやすみ～

遥輝(幼少期)

(頷く)

遥輝(幼少期)

……………

遥輝(幼少期)

(海疾の机の中漁ってる)

遥輝(幼少期)

…………？

遥輝(幼少期)

…………！

海疾

………なぁ

遥輝(幼少期)

………！？

海疾

俺の机漁って何してーんの？

遥輝(幼少期)

(あわあわしてる顔)

海疾

…………

海疾

……プハッ

遥輝(幼少期)

！？

海疾

あーおもろ

海疾

刃物ならねーぞ

海疾

だから大人しく俺と寝ろ

遥輝(幼少期)

(頷く)

海疾

風呂一緒に入ってる時点で傷見えてんだから、なんか探すだろうなとは思ったが

海疾

本当に探すとはな

遥輝(幼少期)

(むくれてる顔)

海疾

っはは、かーわい

海疾

……ふわぁーあ

海疾

あれ

遥輝(幼少期)

…………(安らかに眠ってる)

海疾

これ生きてる？

海疾

(脈確認)……生きてるわ

(扉の開く音)

海疾

うおっ！？

奏太

……おっと、お邪魔だったかな？

海疾

い、いやちが

遥輝(幼少期)

……？(眠そうながら起き上がる)

海疾

あ、おはよ

奏太

起こしてしまったか

遥輝(幼少期)

……？

奏太

母さんが朝ごはん出来たってよ

海疾

お、了解

海疾

行こうぜ

遥輝(幼少期)

(困惑気味に頷く)

さくら

おはよ、2人共

海疾

母さんおはよう

遥輝(幼少期)

(会釈する)

さくら

朝ごはん食べちゃいましょ

海疾

はーい

奏太

あぁ

遥輝(幼少期)

(頷く)

海疾

ご馳走様

奏太

美味しかったな

遥輝(幼少期)

(頷く)

さくら

それは良かったわ

奏太

じゃあ、行こうか

さくら

そうね

海疾

はーい

遥輝(幼少期)

……？

海疾

今から病院行くぞー

奏太

車は出す

海疾

というか兄さん帰ってきてねぇんだな

奏太

予定が多いのだろう

奏太

さて、皆乗ったな？

さくら

乗りましたよ

海疾

乗ったー

遥輝(幼少期)

(頷く)

奏太

それじゃあ行くぞ

遥輝(幼少期)

……！(海疾の後ろに隠れる)

海疾

おわっ！？ど、どうした？

遥輝(幼少期)

(ある方向を指さして首を横に振る)

海疾

……？

医者

さて、次の患者さんは

海疾

あの人がどうした？

遥輝(幼少期)

(一度自分を指さして、奏太を指さす)

海疾

……？

さくら

……あ、もしかして

さくら

あれがこの子のお父さんなんじゃない？

奏太

なるほどな

海疾

なら、別の病院行くか

奏太

そうしよう

次の方どうぞー

女性医者

本日はどうされましたか？

奏太

この子なんですが……声が出ないらしく

女性医者

ふむふむ

女性医者

ちょっと診察させてもらいますねー

女性医者

(診察する)

女性医者

……なるほど、これは極度のストレスによるものですね

海疾

ストレス？

女性医者

恐らく、家族からの暴行などが原因でしょう

女性医者

あなた方は違うようですがね

女性医者

ストレスをゆっくり無くしていくのがいいでしょうね

さくら

わかりました

奏太

本当の家族から、虐待を受けていたなんてな

さくら

どうしたらいいかしら………

海疾

こいつのストレスが無くなるようにしてこうぜ

さくら

なら、まずノートとペンを用意しましょう。意思疎通出来ないのは、この子にもストレスだと思うわ

海疾

だな

海疾

持ってきたぞ

奏太

じゃあまず一個聞かせてくれ

遥輝(幼少期)

(頷く)

奏太

名前は？

遥輝(幼少期)

………(書く)

遥輝(幼少期)

『ない』

奏太

ない……か

さくら

なら、私達でつける？

奏太

そこは二人に任せよう。僕にはネーミングセンスが無いからね

さくら

あら、なら今日は海疾に任せようかしら

海疾

俺ぇ！？

海疾

えーじゃあ………

海疾

遥か輝って書いて、遥輝ってどうだ？

遥輝(幼少期)

………

さくら

いいんじゃない？

遥輝(幼少期)

(頷く)

奏太

好印象みたいだな

それから数年後

扉を開ける音

レイカ

こちらにいらっしゃいましたか

遥輝

……あ、レイカか

レイカ

なんの本を読んでおられたのですか？

遥輝

んー？麻華に借りた本

レイカ

ということは……

遥輝

BL本だね。片方は俺に似てる気がしなくもない

レイカ

さすがに気のせいかと

遥輝

そうだよね

遥輝

あ、どうしたの？

レイカ

いえ、部屋を掃除していたら、このようなものを見つけまして

レイカ

こちらはどういたしましょう

遥輝

んー……置いといて

レイカ

だいぶ古いようですが

遥輝

いいのいいの

遥輝

……俺が決まった時の思い出の品だからね

レイカ

……？分かりました

レイカ

そういえば、午後からのご予定は？

遥輝

買い物に行くよ。今からだけどね

レイカ

承知しました

遥輝

ふぅ、懐かしい物を見たな

遥輝

あのノート。俺を助けてくれた人達がくれたものなんだよね

遥輝

……？あれは……

海疾

…………

凛

海疾～

愛菜

海疾～

遥輝

(……あぁ)

遥輝

(あの人、凄い人気)

遥輝

(早く買いに行こ)

海疾

…………？

海疾

(あの人……どっかで……)

遥輝

ふぅ、買った買った

遥輝

一応当主なんだけどなぁ俺

遥輝

まぁいいか。麻華や千波には本借りてるし

(雨粒の音)

遥輝

……？

遥輝

あ、やばいかもこれ

(雨の音)

遥輝

降ってきたー(全力で走り出す)

遥輝

はぁ……はぁ……あ、あっこで雨宿りしよう……

遥輝

(息切れしてる)め……めっちゃ走った……

あれ、大丈夫ですか？

遥輝

んえ？あぁ、はい。大丈夫でs

海疾

……？

遥輝

あっ……さ、さっきの！(振り向こうとしてた顔を戻す)

海疾

え？あぁ、見られてたんですか

遥輝

…………

海疾

…………

遥輝

(会話が続かねぇ！)

遥輝

……あっ！

海疾

……？

遥輝

雨、小降りになってきたんで俺帰ります！こちらなので！さよなら！

海疾

え？あ、はい

遥輝

(全力疾走)

海疾

……な、なんだったんだ

海疾

……なんか、懐かしい雰囲気したな……

遥輝

たでーま！！！

麻華

おかえりー。雨大丈夫だった？

遥輝

大丈夫だったらこんな走ってきてない

麻華

それもそうか

麻華

明日と明後日もお願いね

遥輝

一応当主なんだけどね

遥輝

まぁいいけど

遥輝

本日も大雨で(全力疾走中)

遥輝

またあっこで雨宿りしよ

遥輝

……疲れた

海疾

またですか？

遥輝

あなたもまたですか

海疾

兄に頼まれて

遥輝

俺も身内に頼まれて

海疾

いやぁ、懐かしいなぁ

遥輝

………？

海疾

昔、こんな雨の中一人傘もささず裸足で上着とスカートを履いた男の子がいて

海疾

その子を助けたんですよね

遥輝

そうなんですね

遥輝

……そういや、俺もこんな雨の仲で昔助けられたんですよね

遥輝

その後にノートも貰って、今の名前も貰ったんですよ

海疾

えっ？

遥輝

……あ、雨……弱くなりましたね

海疾

そう、ですね

遥輝

どうかしましたか？

海疾

いえ、ちょっと

海疾

……その子が照れた顔だけ、見れてなかったなって

遥輝

そ、そうなんですね

海疾

あなたに少し、似てたから思い出して

遥輝

お、俺の照れた顔なんて見ても仕方ないでしょうよ

遥輝

俺、もう帰りますね

海疾

はい

海疾

(……もしかして……)

海疾

遥輝……？

遥輝

二日連続大雨ド畜生！！！

千波

おかえり、お疲れ

千波

明日は本じゃなくて食品だから雨降ってもまだ大丈夫じゃない？

遥輝

なんで俺が買物してんだよォ

千波

まぁ、いいんじゃない？

遥輝

図書部屋で本読むわ

千波

行ってら、確か零とイツキがいると思うから

遥輝

あれ、星がイツキといないのは珍しいね

千波

涼夜先輩と剣術稽古

遥輝

なーる

遥輝

(あーまた雨)

遥輝

………？

凛

海疾～～♡会えなくて寂しかった～～♡

愛菜

私も～～～♡

海疾

ええい引っ付くな！

遥輝

(雨宿りの人だ)

海疾

……あっ

遥輝

(あっ目が合った)

海疾

(遥輝の方に走ってくる)

遥輝

(なんかこっち来てる！？)

凛

ちょ、海疾～～～？

(抱きしめる音)

遥輝

！？！？

凛

！？！？！？

愛菜

！？！？！？

凛

ちょ！どこの誰よ！

愛菜

あたしらの海疾君なんだけど！

遥輝

えっ、えと……あの……

海疾

やっと会えた

遥輝

え？え？

海疾

久しぶり。遥輝

遥輝

え、どうして俺の名前……まさか！

海疾

気付いた？神代海疾だよ

遥輝

本当に久しぶりだな！？

凛

海疾！その男誰！

海疾

僕が、昔助けた子

海疾

そんで、僕が好きな子

遥輝

えっ！？

凛

！？

愛菜

！？

愛菜

な、なん

海疾

眼鏡かけて、かーわいっ

海疾

昨日かけてなかったけど？

遥輝

昨日は……コンタクトだったの！

海疾

あん時あげたノート。まだ大切にしてくれてんだ？

遥輝

……ったりめぇだろ

遥輝

お前がくれた。俺の証明だしな

海疾

っはは、うーれし

海疾

母さんも父さんも、僕も

海疾

ずっと心配してた。大丈夫かなって

遥輝

今じゃ組織の当主だよ

海疾

じゃー付き合えない？

遥輝

……いや

遥輝

別にそういうのは……無いけど

海疾

なら、改めて言うね

海疾

遥輝、君が一人暮らしをするって出ていった後に、僕は気付いた

海疾

君が、好きだって

海疾

だから、僕と

海疾

結婚を前提に、お付き合いしてください！

凛

ちょ！海疾！？

愛菜

海疾には私達が！

遥輝

……俺で、いいなら

遥輝

というか、雨の中告白しなくても良かったんじゃない？

海疾

いいだろ、べつに

海疾

これからは、僕のもんだからな(遥輝に耳打ち)

遥輝

……っ！(顔赤くする)辞めい！恥ずかしいわ！

海疾

っはは

海疾

ちょっとだけ照れた顔、自信になってるけどね

遥輝

るっせ

遥輝

というか、おばさん達は大丈夫なの？

海疾

俺の恋、知ってるよ。母さんと父さんは

遥輝

おいお兄さんどうした

海疾

今日話す

海疾

だから着いてきて

遥輝

着いてきてって言いながら背負うんじゃねぇ

海疾

出会った時もこんなことしたな

遥輝

あん時はおれが拒否りまくったからだろ

海疾

あぁ、そうだね

凛

ちょ！海疾！？

愛菜

海疾！ねぇ聞いてる！？

遥輝

……ところであの二人はいいのか？

海疾

いいよ別に

海疾

んじゃ、行こうか

遥輝

……あぁ、また、俺の仲間にも合わせてやるよ

海疾

それは楽しみだな

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遙稀

プロフィール

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