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すまない先生

ストップストップ!!

すまない先生

いきなり「殺す」とか言わないでよ!?

黒桜

黙れ

すまない先生

い…いや……

すまない先生

黙れじゃなくて……

すまない先生

本当に此処が何処か分からないんだって!?

黒桜

だから……雹華様の聖域と言っただろう?

すまない先生

そうじゃなくて…もっと…こう……具体的に…

黒桜

黙れ能無し

黒桜

この程度の事さえ理解できぬ者に説明する必要も無い

すまない先生

ほらっ!部屋の名前とかあるじゃん!?

すまない先生

寝室とか……リビングとか…

黒桜

だから…

黒桜

聖域だと言っているだろう?

黒桜は本当に真面目に答えている様で声色は一才変わらない

すまない先生

な……なんじゃそりゃ…

すまない先生

(IQ200は何処へ行ったんだよ…)

黒桜

質問は済んだか?

黒桜

済んだのであれば殺す

すまない先生

ストォォォォォォップ!!

黒桜

まだ何かあるというのか?

すまない先生

あのさ……

すまない先生

他の生徒達は何処へやったんだ?

すまない先生

それと…何故バナナは倒れていたんだ?

黒桜

生徒を何処へやったかは答えられないな

すまない先生

じゃ…じゃあ……

すまない先生

何でバナナは倒れていたんだ?

黒桜

それ程までに気になるとはな、おかしな奴め

黒桜

あいつは…雹華様の計画に支障をきたす程の失敗を犯した

黒桜

それだというのに野放しにする訳にはいかないだろう?

すまない先生

っ……………

すまない先生は一歩引き下がる

すまない先生

(容赦ないね…本当に……)

すまない先生

(仲間だってのに…ね)

黒桜

逃げる気か?

黒桜

一歩引き下がるなど情けない奴だ

すまない先生

逃げる訳ないだろう?

すまない先生

君の残虐さに気押されただけさ

黒桜

あの程度で残虐とはな

すまない先生

ああ、残虐だよ

黒桜

へぇ?

黒桜

お前、地下牢の様子を見なかったのか?

黒桜

それに比べれば私が黄華にやった事など大した事は無い

黒桜

能どころか目ん玉も無いんだな

すまない先生

確かに地下牢は見たよ

すまない先生

でも、酷さ加減が違ったとしても……

すまない先生

仲間や人を傷つける奴は皆同等に残虐さ

黒桜

そうか

目の前の男とは渡り合えないと感じたのか、黒桜は短く一言呟き会話を切る

黒桜

さて…随分と無駄話をしてしまったな

黒桜

雹華様を苦しめる者との会話に時間を割くなど……

黒桜

実に無駄な時間だったな

黒桜はすまない先生に改めて向き直る

すまない先生

っ………………

何かが来るのかとすまない先生は身構える

黒桜

無駄にした時間を取り戻すべく、一瞬でお前の事を始末してやるよ

黒桜は銃を服の内側から取り出し、すまない先生に向ける

すまない先生

っ…………!

反射的に足が動く

バンッ

銃声が響く

それは先程の様な風を切る音では無く、重く響く様な銃声だった

黒桜

私が今使っているのはさっきみたいな「おもちゃ」じゃない

黒桜

これは…当たったら意識を失う程度では済まないだろうな

黒桜

急所に当ててしまえば簡単に殺せる代物だ

黒桜

つまりは「本物」だよ

すまない先生

それ…法律的な意味で大丈夫なのか?

黒桜

今更法律法律…何を言っているんだ?

黒桜

この街…いや……この世界は直に雹華様の物になるのだ

黒桜

この世の絶対神は雹華様となり、全ての人間が雹華様を崇めるのだ

すまない先生

いやー、恐ろしい計画だね

黒桜

何だ?随分と関心が無さそうだな

すまない先生

そりゃあ……僕は雹華に従う事なんて望んでいないからね

すまない先生は真っ直ぐに黒桜の目に視線を向ける

黒桜

へぇ?

黒桜

どこまでも馬鹿な奴だな

黒桜

あんなにも素晴らしき雹華様に従わないなど……

黒桜

馬鹿にも程があるだろう?

黒桜は一旦銃を下げる

すまない先生

そんな事言っちゃうかー………

すまない先生は少し悲しそうな声で返す

すまない先生

あんなに研究に生き生きと勤しんでた君が……

すまない先生

人に従う事しか幸せを見出せなくなっちゃうなんてね…

黒桜

研究?

すまない先生

忘れたのかい?

すまない先生

じゃあ…教えてあげるよ

黒桜

無駄話を聞いてる時間は無い、簡潔に済ませよ?

すまない先生

ああ…分かったよ

すまない先生はゆっくりと口を開く

すまない先生

君は今まで…ブラックホールの謎を解き明かす研究をしていたんだよ?

黒桜

ブラックホール………

黒桜

実に無駄な研究だ

黒桜

雹華様の為にならぬ研究など…無駄でしか無い行為だ

すまない先生

研究をしている時の君は……

すまない先生

真剣で……でも、楽しそうで…

すまない先生

生き生きとしていた

すまない先生

本当に…誰よりも人生を楽しんでいた

すまない先生

正直…尊敬するよ

すまない先生

でも…今の君には…

すまない先生

それが感じられないんだ

すまない先生

無機質で…機械の様で……

すまない先生

まるで…操り人形だよ

黒桜

過去の私がどんな様子だったかは知らないが

黒桜

何が何であろうと

黒桜

今の私の幸せは雹華様に従う事のみ

黒桜

娯楽も仲間も……余計な物は必要無い

黒桜

全ては雹華さm

すまない先生

頼むよ!

黒桜

……………?

すまない先生が哀しげな声をあげる

すまない先生

さっきから雹華様雹華様………

すまない先生

もうやめてくれよ……!

黒桜

は?

すまない先生

本当に忘れちゃったのか?

すまない先生

今までの事を……!

黒桜

忘れたも何も……

黒桜

私は雹華様に拾われ、育てられ

黒桜

愛を受けて来た

すまない先生

またそれかよ……雹華様に育てられたって……

すまない先生

何だよ……もう…

黒桜

お前と過去に喋った事など…1度も無い

黒桜は情のこもらない声で淡々と語る

すまない先生

沢山喋って来ただろ!

哀しみと怒りが混じったような声が出る

すまない先生

僕が君にドッキリ仕掛けたり……

すまない先生

学校壊したり……

すまない先生

一緒に戦ったり………

すまない先生

時には大変な事もあったし……

すまない先生

君が起こした事に巻き込まれたりもしたけど…

すまない先生

沢山……沢山………

すまない先生

言葉には言い表せない程の思い出があるだろ!?

黒桜

妄想を語られても困る

黒桜

少し黙ってくれないか?

すまない先生

妄想………妄想なんかじゃない!

すまない先生

これは紛れもない事実

すまない先生

簡単に忘れたりなんかしない……

すまない先生

僕の心に刻まれた大切な思い出…!

黒桜

そんな熱く語られても困るのだが?

黒桜

今お前が話した事など…全て妄想に過ぎない

黒桜

それをあたかも現実の様に語られても困る

黒桜

お前、相当な脳内お花畑なんだな

黒桜は冷たく突き放す

すまない先生

何だよ………もう……

すまない先生

みんなして………記憶を失って…

すまない先生

仲間の事傷つけて……

すまない先生

僕らの絆は……そんなに薄っぺらい物だったのか?

黒桜に訴えかける

黒桜

………………

すまない先生

もう嫌だよ………仲間に傷つけられるのは…

黒桜

勝手に妄想話を繰り出して…勝手に被害妄想をして…

黒桜

脳内お花畑野郎は面倒くさい物だな

思い出を思い起こしながら向けた言葉は、黒桜の心に響く事などない

ぶつけた言葉は全て棘となって返る

すまない先生

っ……………!

黒桜

お前の話は聞き飽きた

黒桜は銃を再び取り出す

すぐさま引き金に指を掛け、すまない先生に向ける

咄嗟の行動に反応できず、動くことができない

バンッ

銃声が耳に響く

放たれた銃弾が此方へ来るまでは一瞬だった

左腕に激痛が走る

すまない先生

ぐっ………!?

黒桜

掠っただけだろう?

黒桜

そんなに痛がる必要も無いだろう?

すまない先生

へぇ………1発で仕留めてくれないんだな

黒桜

勿論だよ

黒桜

雹華様に不安を与え、苦しめ多分だけ……

黒桜

お前の事を痛めつけてやる

黒桜

手足の指から腕、足………

黒桜

たとえお前がショック死したとしても

黒桜

ぐちゃぐちゃになるまで撃つ

すまない先生

そうか……

すまない先生が発したこの言葉には既に諦めの感情が籠っていた

いくら説得しようと、全て無駄

帰って来るものは冷たい言葉

説得することは諦めた、そう決意する

すまない先生

ぐちゃぐちゃになる前に僕は抵抗するよ

すまない先生

だから………

すまない先生

全力で戦おうじゃないか

すまない先生が背中から剣を抜き出す

すまない先生

(君を説得するのは諦めた)

すまない先生

(そもそも…君を説得すること自体最初から無理だと分かってた…)

すまない先生

(でも…少しだけ……)

すまない先生

(「記憶を取り戻せないかな」なんて淡い期待を抱いてた)

黒桜

ああ、良いよ

黒桜

私が勝つ事など最初から決まっているが……

黒桜

お前が息絶えるまでは相手してやるよ

黒桜は初めて感情のこもった声で言葉を発する

その感情は此方を完全に見下した様な感情

すまない先生の生き方を否定する様な感情

すまない先生

じゃあ、始めようか!

すまない先生は剣先を黒桜に向ける

それに合わせ、黒桜もすまない先生に銃口を向ける

どちらが先に動くか、緊迫した空気が流れ出す

黒桜の手先がピクリと動く

その瞬間すまない先生は宙に飛び上がる

剣先を黒桜に向けたまま突っ込む

黒桜

っ…………

黒桜は反撃とまでは至らず、すまない先生の攻撃を回避する

すまない先生の動きは先程銃弾が腕に掠ったとは思えぬ程の俊敏な動きであった

地面に着地し直した瞬間体制を立て直し、再び攻撃を仕掛ける

だが黒桜も黙ってはいない

黒桜も再び此方に銃口を向ける

すまない先生

(マズい…このまま突っ込めば確実に銃弾を喰らう……!)

反射的に身を捩り、横にローリングする

その瞬間バンッと銃の音が響く

黒桜

ちっ…………

銃の反動で若干黒桜が体制を崩した瞬間

すまない先生

今だっ!!

地面を蹴り、黒桜の元へと走り抜ける

すまない先生

あぁぁぁぁぁ!すまない!!

黒桜に向かって剣を振り下ろす

黒桜

っ………!?

逃げ遅れ、服の裾に剣先が掠る

黒桜が驚き、一瞬戸惑った瞬間を見逃さなかった

すまない先生

すまないっ!!

再び剣を振り下ろす

黒桜

!?

何を思ったのか黒桜が手で剣を受け止めようとする

手に持っていた拳銃に剣が思い切り当たり、拳銃が吹き飛ぶ

黒桜

あっ………

黒桜が再び慌てふためく

すまない先生

こんな事はしたく無いが………

すまない先生

すまないっ!!

すかさず黒桜の腹を殴り込む

黒桜

ぐふっ………!?

黒桜が壁まで吹っ飛んで行く

壁にぶち当たり、顔がガクリと項垂れる

すまない先生

……………

すまない先生

すまない

すまない先生

というか……かなり呆気なかったな

そう呟きながら壁で気を失う黒桜の元へと歩いて行く

黒桜の前へ立ち、見下ろす

すまない先生

おーい

すまない先生

大丈夫か〜?

黒桜

………………

すまない先生

返事無いなぁ……

すまない先生

あんなに自信あり気に話してたのになぁ……

すまない先生

説得しようにも気を失っちゃったら意味ないからな……

完全に困り果て、黒桜の前で立ち尽くす

すまない先生

さて……ブラックは気を失って攻撃してこないし……

すまない先生

生徒達を探さないとn

雹華

キャァァァァァァァァァァァァ!?

悲鳴が広間に響く

雹華

く……黒桜…?

雹華

黒桜!?返事してちょうだい!

雹華が黒桜に駆け寄る

雹華

怪我は無い?大丈夫?

黒桜

……………

雹華

気を……失ってる……

すまない先生

あのー

すまない先生

ちょっと良いかい……?

雹華

何よ!話しかけないで!

すまない先生

いやー、そうじゃなくて……

雹華

って………貴方……

雹華

すまない?

先程まで雹華が黒桜に掛けていた声とはうって変わって

「すまない?」と問う声は冷たく鋭い声に変わっていた

雹華はすまない先生に気づいた瞬間黒桜を引っ張り、玉座らしき物の方へ歩いて行く

すまない先生

あ…いやぁ……

すまない先生

何処行くんだ…?

すまない先生は呆然と立ち尽くしたまま雹華の方を見つめていた

雹華

黒桜……ごめんね…

雹華

すぐに此処に来て助けられなくて……

雹華

ごめんね…

そう言って黒桜を抱きしめる

その姿はまるで

息子を抱きしめる母親の様な姿であった

忘れてしまったとしても

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コメント

10

ユーザー

ふぇ…ブラック…お前どこいったんだぁぁぁー悪魔堕ち??(Kanaria中毒) BB…お姉様は黙って地獄に堕ちろ! 〇ね、、

ユーザー

バナナ…ブラック…記憶さっさと戻しやがれこのばb))くそ野郎☆

ユーザー

母親みたいな接し方...もしかして1度子を失った?…… みんなああああどこいったあああああ!!!?

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