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東西戦争
第三話【記痕】
…わし、何しょんじゃろうか
東京を全力で止めることもできんかった
何もできんかった
一ミリも力になれんかった
…怖かった
東京がミサイルの話を始めたとき
『あの事』が頭をよぎって
足がすくんでしもうた
戦争になったらどうしよう
仲間割れしたらどうしよう
ずっとそんなことばっかり思っとって
…考えん方が良かった
現実になってしもうた
気づいたら布団の中じゃった
隣には岡山が座ってて
わしの顔を眺めて
岡山
と言ってきた
岡山にしては珍しかった
初めてこいつに心配された
でもなんで心配されたか気づけなかった
気づきたくなかった
『あの事』を思い出してしもうけぇ
もう泣かないって決めたのに
…
ガチャ
鳥取が入ってきた
手には受話器があった
そのとき、わしは全てを悟った
もう戦争をする事実は覆すことができない
鳥取
謝りたい
けど口が動かない
叫ぶことしかできない
わしは迷惑をかけんよう
声を出すのを必死に抑えた
鳥取の後ろに島根がいることに気づいた
何かモゴモゴ言ってたけどわしには聞こえんかった
…一つだけ
一つだけクッキリ聞こえた
島根
熱い
苦しい
胃液が喉を通る
急に寒くなる
また吐いてしもうた
助けて
助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて 助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて 助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて 助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて 助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて 助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて
…こんなに苦しむなら
いっそ死のうかの