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推しの3人と過ごす日々は、 想像していたよりもずっと優しくて温かいものだった。
弟者さんはいつも隣に座って、 さりげなく私の髪を直してくれる。
兄者さんは静かに見守りながら、 私が不安になった瞬間だけ、 そっと手首を掴んで引き戻してくれる。
おついちさんは距離が近くて、 自然と肩が触れたり、 笑いながら私の頭をぽんぽんしてきたりする。
どれも自然で、嫌じゃなくて、 むしろ…ちょっとドキッとしてしまう。
そんな日常が当たり前になり始めていた。
ある夜。 弟者さんの隣でゲームしていたら、 ふと手が重なってしまった。
弟者
と言いながら、 弟者さんは手を引くどころか、 そっと指を絡めてくる。
鼓動が一気に跳ね上がる。 後ろから覗いていた兄者さんが、 少しだけ目を細めて言った。
兄者
おついちさんは笑いながらも、 いつもより少し静かだった。
その空気に気づいた瞬間、 胸の奥がくすぐったくて、 どこか苦しくなる。
一番予想していなかった通知が鳴る。
ピロン。 その音を聞いた瞬間、 心臓が止まった。 画面には——
一瞬で、あの日の教室の匂いも、 肩をトントンしてくれた温度も、 全部が蘇る。
胸の奥がぐらぐら揺れる。
さっきまで感じていた 弟者さんの温もりも、 兄者さんの静かな眼差しも、 おついちさんの近い笑顔も…
ぜんぶが、揺れてしまう。
私
返信する指が動かない。 既読をつけるのも怖い。
でも、心が勝手に震える。 “先生”の文字を見ただけで、 あの頃の私が顔を出してくる。
リビングのほうで物音がして、 そっと襖が開く。 顔を出したのは弟者さんだった。
弟者
その声はあまりにも優しくて、 心が一気に揺れる。
私
胸の奥では、 先生からのたった一通のLINEが 静かに波紋を広げていた。
——3人との距離が近づくほどに、 その波は大きくなる。
弟者さんが襖を少しだけ開けたまま、 薄暗い部屋に入ってきた。
月明かりのせいで、 弟者さんの横顔だけが静かに照らされている。
弟者
見られていた。 胸がギュッと縮む。 焦って画面を伏せると、 弟者さんは一歩だけ近づいてきた。
弟者
その声は優しいのに、 どこか探るようで、 胸の奥にズキっと刺さった。
答えられない私を見て、 弟者さんはベッドの端に腰を下ろす。
弟者
そう言って、 私の頭にそっと手を置いた。
あの日、先生がしてくれたのと同じ動作。 でも、触れ方が違う。 温度も、力加減も、 まるで“いまの私”を抱きしめるようだった。
手の中のスマホがまた震えた。
その一文で、 胸がまたぐらついた。 弟者さんの手が、 まだ私の髪に触れたままだ。
私
弟者さんの温度と、 画面に浮かぶ先生の文字。 二つの世界が胸の中でぶつかり合って、 息が苦しくなる。
小さく息を吐いたあと、 弟者さんが静かに口を開いた。
弟者
言葉を選ぶように一瞬黙って、
弟者
その声があまりにも優しくて、 胸の奥の何かが溶けそうになる。
弟者さんは続けた。
弟者
その一言で、涙がにじむ。
既読をつけてしまう瞬間* 弟者の言葉が背中を押したのか、 私はつい画面をタップしてしまった。
“既読” ついた瞬間、心臓が跳ねる。
弟者さんは何も言わず、 ただ静かに私の横に座り続けてくれた。 その沈黙が苦しいのか、 落ち着くのか、 自分でもわからない。
私
3人の優しさと、 先生からの突然のLINE。
心が優しく揺れて、 でもどこか不安で、 夜の静けさだけがやけに大きく響いた。
弟者さんが私の横に座って、 そっと頭に手を置いてくれていたその時。
廊下のほうから、 微かな足音がした。 襖が「コツ…」と小さく揺れて、 兄者さんが顔をのぞかせる。
月明かりの影が兄者さんの輪郭をくっきり浮かばせていて、 その表情は静かだけど——どこか鋭かった。
兄者
短い言葉なのに、 奥が深くて、逃げ場がなくなるような声。
弟者さんが少しだけ目を伏せた。
弟者
その言葉に呼応するように、 背後からふわっと明るい声が聞こえた。
おついち
おついちさんだ。 腕を組みながら部屋に入ってきて、 いつものふざけた笑顔じゃない、 少し真剣な目をしていた。