あの朝から
あいつの身元は分からないまま、 時々警察がパトロールに行くだけになっている
何処も面白くない授業に飽き、一人窓を眺めていた
その街行く人々の先には、山が広がる
爆豪
どうやったら会える
何をしたらここに戻ってくる
俺は…あいつに何が出来る
そんなことを考えても、何も変わるはずがない
ガタ と勢いよく立ち上がる
麗日お茶子
上鳴電気
爆豪
近くの山を走り回る
後ろから、息継ぎが絶えない程、がむしゃらに探す
麗日お茶子
爆豪
そう誤魔化すと、また走る
爆豪
こんな事に意味は無いかもしれない
けれどそんな事、俺が一番信じたくなかった
手を伸ばせば届くはずの距離が、 一瞬にして天地ぐらい差がでてしまう恐ろしさ
何処かに居るんだ、信じてたまるか
熱くなった頭を冷やすかのように、口を挟んだ
上鳴電気
芦戸三奈
三奈ちゃんがにこっと微笑み、袋を勢いよく開けた
その中には、ドリンクやアイスが入っていた
轟焦凍
上鳴電気
麗日お茶子
芦戸三奈
轟焦凍
スポーツドリンクを飲む彼が、口を開く
爆豪
麗日お茶子
爆豪くんは前から不思議な子だけど
ここ最近で、少し酷くなったような…考えてることが読めないんだよな
デクくんは皆んな心配やけど、こう見えて爆豪くんも泣く程悲しいんやろうか
彼はいつでもデクくんを探す事しか頭になくて、 授業も真面目に勉強せず、ずっと考え込んでいた
麗日お茶子
皆んなでこの状況を乗り越えたら、 デクくんだってきっと帰ってくる気持ちになると思うし
今私の仕事は出来る限りのサポートだよね!
そう心に決めると、ひと休憩した切島くんが少し言いにくそうに喋る
切島
切島
芦戸三奈
気づくと、辺りは暗くなり始めていた
私も、親に言われるかも…
夏は日が短いし、爆豪くんも危険なんじゃないかな
その予想が的中し、当然のように爆豪くんが言った
爆豪
麗日お茶子
なんとなく分かってたけど…折れないよなぁ爆豪くん
轟焦凍
上鳴電気
そう言った手を振りほどくかのように言った
爆豪
そんな折れない彼に、私達は諦め、日の落ちる前に帰った
その後少し山を探しても、デクはいなかった
爆豪
木の先には少し街が見え、夕暮れになっていた
一歩踏み出そうとすると、後ろで足音がした
カサ と物凄く小さな音だ
爆豪
動物かなんかだと思い、少し様子を見ると
見慣れた髪色の男が歩いていた その正体は、一瞬で分かった
爆豪
緑谷出久
コメント
99件
ああ最高だ(^^)