出久side
そうこうしているうちに陽は落ちた
緑谷出久
さっきまで行き交っていた人々も、少なっている頃に
一人の少年を見つけた
その少年は、見覚えのある容姿だった
緑谷出久
灰色のブレザー、緑の線が入っている制服
少し前まで袖を通していた物と全く同じ物だ
今一番 ”会いたくなかった” 人だ
何でここに
傷付かせたくない
傷付いてほしくない
だから自ら遠ざけた。そしたら全員が幸せになると思って
…なのに、君は自分から傷つきに行ってるような物じゃないか
緑谷出久
消えそうな声で言う
その声に気づいたかのように
彼は後ろを振り向いた。
爆豪勝己
爆豪side
その先には、今一番 ”会わなきゃいけない” 人がいた
黒い服を身にまとい、顔も傷だらけだった
だが、一目で分かった
その容姿はなぜか、妙に頭にこびり付いていたからだ。
目を見開き、全身が震えているのが少し遠くからでも分かった
そして、震えた声で言った
緑谷出久
爆豪勝己
そう言っても、返事は返ってこない
あいつは、この世の終わりみたいな顔で、ただ震えていた
気力を振り絞ったような小さな声で言う
緑谷出久
爆豪勝己
そう言うと、手を握りしめて言った
緑谷出久
その言葉に、俺は苛立ちを抑えきれなかった
俺は、あいつの胸ぐらを掴んでいた
爆豪勝己
緑谷出久
爆豪勝己
爆豪勝己
爆豪勝己
すると、俺の腕を握りしめた
緑谷出久
緑谷出久
爆豪勝己
緑谷出久
緑谷出久
顔はボロボロだった。
白い頬には涙が流れ、悲しそうな目をしていた
その顔に、俺は口が止まった
爆豪勝己
緑谷出久
胸ぐらを掴んでいた手に、力が入らなかった
あいつはその手を一生懸命にほどくと、後ろを振り向いて逃げた
爆豪勝己
緑谷出久
その後ろ姿を、追いかける気力はもう無かった。
行き先を失った手に、透明な雫が落ちていた
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語 彙 力 の 神 ✨💕
続き待ってまーす!