テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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LINE１３７９

第1話 - あ

2023年12月01日

#スカッと

タナカトシキ

サエリ

来週、キミツちゃんの夫婦と一緒にボーリング大会しようよ！

ナオキ

急にどうしたんだよ

サエリ

大丈夫、僕最強だから

ナオキ

うん、まずはちゃんと会話しようね

ナオキ

なんだ急にボーリング大会？

サエリ

え、逆にナオキは毎回ボーリングするのに理由が必要なの？

ナオキ

いや、まあそう言われたらなんか俺がすごい堅物みたいになっちゃうけどさ

ナオキ

ゆーて無計画で急にボーリングするのは大学生までとかじゃないか？

サエリ

べつに社会人になってから急にボーリングしちゃいけないなんてルールないじゃない

サエリ

いいじゃん！わたしボーリング大好きなの！

ナオキ

ちなみにボーリングじゃなくてボウリングね

ナオキ

ボーリングだと退屈っていみになっちゃうから

サエリ

うざっ

ナオキ

ごめん、うざかったね

サエリ

専業主婦やってるとね、毎日毎日暇でそれは仕方ないのよ

サエリ

子供がいるなら幾分か忙しくて大変だと思うんだけどね、

サエリ

子供いない専業主婦はほんとやることがないわね

サエリ

この前とか私雲眺めてたもん

サエリ

野良の猫と一緒に

ナオキ

どれだけ暇なんだお前

ナオキ

え？なに、てか俺が仕事で一生懸命働いてる間に君は雲を眺めてるわけ？

サエリ

そうね、雲を眺めてるわ

ナオキ

そんなに暇ならお前も働いてくれても構わないんだぞ、家事は俺も全然分担できるし

サエリ

いやよ、私も働きたくないモン絶対

サエリ

学校すらろくに毎日通えなかったのに、会社なんて何十年も通い続けなきゃいけないわけでしょ？

サエリ

無理無理！どうせ迷惑をかけるんだから私みたいな人間はさっさと家庭作ってせっせこしてればいいのよ

ナオキ

その結果せっせこ雲眺めマシーンが生まれちゃったわけか

サエリ

そういうこと、ナオキも嫌でしょ？妻が雲眺めマシーンになってたら

ナオキ

確かになにかしら活動はしていてほしいな

サエリ

だから！日常に刺激を与えるためにボウリングをしましょってこと！

サエリ

ちょうどキミツちゃんの旦那さんとこの前スーパーでばったりあってさ、

サエリ

よかったら今度ボウリングしませんか？って話したらいいですねってなって！

サエリ

だから週末ボウリングだからね！

ナオキ

わかったよ

ナオキ

そっか、たしかキミツの旦那さんは自宅で仕事してるんだっけか

ナオキ

キミツは外でバリバリ会社員として働いてるもんな

サエリ

ほんと、あそこは夫婦揃って働いててすごいよね

サエリ

ナオキも二人に負けないようにたくさん働いてねん！

ナオキ

おまいう

サエリ

でたナオキのオタク用語

サエリ

なにそれ

ナオキ

おまえがいうな

サエリ

はーい

〜キミツとのチャットルーム〜

ナオキ

キミツきいた？今週末俺らの家族同士でボーリング大会するらしいぞ

キミツ

そうらしいね、さっき私もヒロシから連絡きたわよ

キミツ

あんたとボーリングだなんてどれくらいぶりよ、高校以来？

ナオキ

高校の頃も受験始まってからいってなかったからな

ナオキ

ほんと１０年ぶりぐらいかもな

キミツ

まさか子供の頃は、お互い結婚しても付き合いがあるとは思わなかったよねww

ナオキ

それな、まさか幼馴染の腐れ縁もここまで続くとは

キミツ

他の人たちは、みんな私たちが付き合ってるんじゃないかとか言ってたけど

キミツ

そんなこと一回もなかったわよね

ナオキ

ああ、考えたこともないな

キミツ

私とナオキってとことん合わないもんね

ナオキ

マジで合わないな

キミツ

友達としてのラインがあるからちょうどいいけど、

キミツ

それがお互いのテリトリーに入り込む関係ってなると多分、

キミツ

むかついてあんたのことボコボコにしちゃうと思うもん私

ナオキ

お前こわ

キミツ

それだけ友達適性が高かったってことよ

ナオキ

俺別に友達ボコボコにするかもなんて考えたことないけどな

ナオキ

というか、お前にいつ言うか迷ってたんだけどさ

ナオキ

お前気づいてた？

ナオキ

サエリとヒロシさん不倫してんだぜ

キミツ

え？

ナオキ

やっぱり気づいてなかったか

ナオキ

俺も確信したのはほんと先週とかなんだけどさ

キミツ

ちょっとまってちょっとまって

キミツ

いま営業中だからそれ、後でゆっくり聞かせてもらってもいい？

ナオキ

わかった、俺ももうすぐ昼飯終わるし、

ナオキ

仕事終わったら連絡するわ

キミツ

わかった

キミツ

え？めちゃくちゃつまらない冗談とかじゃないよね？

ナオキ

うん、これに関してはマジ

キミツ

やっぱりか…

ナオキ

なに、気がついてたの

キミツ

いや、なんとなく薄々は

ナオキ

それは話が早いな

キミツ

ちょっとこの後の営業に影響でたらどうしてくれるのよ

ナオキ

ごめんごめん、確かに打っ込むタイミング間違えたかも

キミツ

怒りのあまりお得意さんのことボコボコにしちゃうかも

ナオキ

おい！するな！

ナオキ

なんですぐ人のことボコボコにしようとしちゃうんだよ！

キミツ

あんまりパワーのコントロールがうまくできなくて…

ナオキ

そんなんでよく営業なんてしてるな

〜仕事終わり〜

キミツ

それで、詳しく聞かせてもらってもいい？

ナオキ

まず俺が最初に怪しいと疑い始めたのは二ヶ月前ぐらいかな

キミツ

そんなに前なの？

ナオキ

ベットの下に見たことないネックレスがおちてるのを見つけてさ

ナオキ

それがどう見てもサエリの趣味でもないし、男ものだったからさ

ナオキ

こいつ不倫してるなって思ったんだよ

キミツ

うわー心当たりあるー

キミツ

ちょうど二ヶ月前ぐらいにヒロシがきょろきょろしながら家を歩き回ってたから

キミツ

何してんのって聞いたら、ネックレスどっかでみてない？って言ってたの思い出したわー

ナオキ

たぶんそれだな

キミツ

それで、その時に問い詰めなかったわけ？

ナオキ

俺が慎重すぎるのかわかんないけどさ、ここで責め立てても逃げられる可能性もあるし、

ナオキ

確実な不倫の証拠として突き出せるものがなかったからとりあえずネックレスだけ拾い上げて何も言わなかった

キミツ

私だったら多分

ナオキ

その時点でボコボコにしてるんだろ

キミツ

ご回答

ナオキ

ご名答だろ

ナオキ

それで次に、サエリは普段はキミツちゃんの旦那さんって呼ぶんだけど、

ナオキ

なんかいかヒロシって呼ぶ時があったんだよ

ナオキ

しかもその後、不自然な形でさんって付け足すし

ナオキ

ヒロシ…さんはさぁ、みたいな感じ

キミツ

なるほどね、それでヒロシとの不倫を疑い始めたってわけね

ナオキ

そうそう

ナオキ

それでさ、おれもう思い切って興信所に頼っちゃったんだよね

キミツ

え！？ほんとに！？

キミツ

てか、ほとんど確定なのに興信所使ったの！？

ナオキ

まあ確実な証拠も欲しかったしさ、

ナオキ

あんまり考えたくなくてさ、仕事に集中するために全部興信所に任したんだよ

キミツ

結構高かったんじゃないの？

ナオキ

まあそれはね

ナオキ

でもまあしょうがないと思って払ったよ

ナオキ

それで結果が出たのが三日前

ナオキ

ヒロシさんがサエリと手を繋いで日中にしょっちゅうお互いの家を行き来してるのが写真に取られたよ

ナオキ

それに写真の中には

ナオキ

二人がどんなプレイが好みだったのかはわからんが、

ナオキ

窓に手をついて行為しているところがバッチリ撮られてるやつもあった

キミツ

うわあ私それみる勇気ないわ

ナオキ

これでも一応証拠としては十分なんだけどな

ナオキ

お互い友達同士で、お互いの家で何か共通の趣味とか料理を教わってただけだとか言われるかもしれないからさ、

ナオキ

家に帰って、ヒロシさんについての話題を何個かふって、その会話を録音しておいたんだよ

ナオキ

サエリはあんまり関わりがないからよく知らないの一点張りで話してたからな、

ナオキ

これで言い逃れすることもできなくなったと思う

ナオキ

あとはいろいろ突き出して問い詰めるだけかなあ

キミツ

今度のボーリング大会どうするのよ

ナオキ

そうだなー、まあとりあえず問い詰めるのはもっと先にするかなと思ったけど

キミツ

実は私も、来週ヒロシの両親とうちの両親も併せて食事会することになっててさ、

キミツ

親が張り切っていいとこのレストランとか既に予約しちゃってるからできればそれが終わった後に解決したいんだよね

ナオキ

それじゃ、とりあえずボーリング当日は純粋に楽しむとしますか

キミツ

そうね、お互い変な空気を出さずに気づいてないふりしましょ

ナオキ

俺もお前とこのこと共有できてちょっとこころ軽くなったわ

ナオキ

ありがとな

キミツ

いいよ、私たち二人に関係あることなんだから

キミツ

とにかく当日、事件なしで行こうね

ナオキ

ああ、何事もなくすまそうな

〜ボーリング当日〜

サエリ

ちょっと！あんたどこに走っていったのよ！

サエリ

救急車！救急車呼んで！

サエリ

あの女！私に急にボーリング玉投げやがって！

サエリ

足絶対に折れてるわよこれ！

ナオキ

ちょっといろいろあって

ナオキ

後で説明するから先救急車乗ってて！

サエリ

タクシーみたいにいうな！一体どう言うことなのよ！

ナオキ

いやおれもあんまり事態把握できてなくてさ

〜キミツとのチャットルーム〜

ナオキ

おい！お前なにしてんだよ！

ナオキ

急にサエリの後ろからボーリング玉投げるなんて！

キミツ

いやほんとやっちゃったわあ

ナオキ

確かにスコアボロ負けしてて、あいつがめちゃくちゃ調子乗ってるのは見ててイラついたけどさ！

ナオキ

それに隠す気ないのかっていうぐらいヒロシさんとサエリいちゃついててハイタッチとかしてたし、

ナオキ

いろいろお前の気持ちもわかるけど！ダメだろ！うしろからサエリ目掛けて玉転がしたら！

キミツ

いや私昨日見ちゃったのよ

キミツ

ヒロシがスマホのトーク画面開いたままシャワー入ってたからさ、こっそり

キミツ

そしたらあの女なんて言ってたと思う？

キミツ

「今の時代、賢い女は男をたくさん使いこなすのよ！

キミツ

旦那は金、愛人は顔で選んで愛を実感するのが正しい生き方なのよ！」

キミツ

って

キミツ

毎日あんたのためにナオキは働いてるのに何それ？と思って

キミツ

あの子がはしゃいでるところを今日見てるとね

キミツ

あの子を貫いてストライク取りたくなっちゃったのよ

ナオキ

めちゃくちゃフォーム綺麗だったもんな

ナオキ

多分あいつ足の骨折れてるぞ

キミツ

多分私警察捕まるわよね〜

キミツ

ほんとやっちゃった

ナオキ

まあやりすぎだったな

ナオキ

でもありがとうな、俺のために怒ってくれたんだろ？

キミツ

まあね

キミツ

昔からの親友をコケにされてたらいい気しないでしょ

〜サエリとのチャットルーム〜

サエリ

あの女マジで許さないから！

サエリ

急になんなの！？いかれてるだろあいつ！

サエリ

あんなの通報でしょ！ねえ！

サエリ

ナオキの幼馴染か知らないけど通報して！

サエリ

警察に突き出してよ！

ナオキ

それはしょうがないとおもうからお前の好きにしてくれ

ナオキ

ただしその前にお前とは離婚する

サエリ

へ？

サエリ

はあ！？なんの話！？

サエリ

こんなときになにいってんの！？

ナオキ

いや、普通にお前浮気してんじゃんヒロキさんと

サエリ

え？

サエリ

なんでそのことしってるの

ナオキ

ごめん、色々あってさ。

ナオキ

興信所も使って証拠も揃ってるから

サエリ

なにそれ

サエリ

私の浮気に気づいてたの？

ナオキ

ああ、その通り

ナオキ

わるいけど浮気してるような奴のために金稼いでくるほどおれお人好しじゃないんでね

ナオキ

旦那は金で愛人は顔だっけか？

ナオキ

金があって顔もいい男を旦那にするのがいいんじゃないでしょうか

ナオキ

ちょうど不倫相手がそこにいるんだし、そいつに助けてもらえよ

サエリ

それがヒロシはあの女を追いかけて走っていっちゃったの！

サエリ

ヒロシのやつ、結局本命はあの女なのよ！

サエリ

私のことはただの遊びだったの！

〜後日談〜

ナオキ

その後、結局ボーリング場のスタッフがよんだ救急車にサエリは運ばれていった

ナオキ

結果、右足を骨折

ナオキ

キミツの放ったボーリング玉がジャストミートし、彼女の骨を砕いてしまったようだった

ナオキ

しかしなぜかヒロシがサエリを説得し警察沙汰にはならず

ナオキ

キミツは逮捕を免れることとなりました

ナオキ

僕とサエリは離婚

ナオキ

キミツは離婚をどうしてもしたくないと泣き縋るヒロシに根負けし、

ナオキ

今後全ての夫婦の権限をキミツがにぎると言う形で落ち着いた

ナオキ

サエリは現在、実家に帰り巣篭もりをして体たらくな日々を送っているらしいです

ナオキ

再婚はなかなか難しいでしょうね

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タナカトシキ

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