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テラーノベル(Teller Novel)
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俺は、通話可能区域にやって来た。

秋山

ここ、中庭もあるんだな…

秋山

自販機、公衆電話もある

秋山

案外広いんだな………。

すっかり、辺りは暗くなっている。

俺は、サードになる前に、どうしても母さんに連絡をしたくなった。

秋山

秋山

あっ、そうか

秋山

母さんも、「サード」の存在を知らないんだった。

秋山

順序立てて、分かりやすく伝えよう……

秋山

秋山

母さん、電話出るかな?

プルルルルル

ガチャッ

・・・もしもし?

秋山

母さん、帰りが遅くなってごめん!

そろそろ終わった?

何時に帰ってくる?

秋山

秋山

実は、まだ何時に帰れるか・・・分からないんだ。

そうなの?私の時、そんなに時間かかったかしら……?

秋山

秋山

母さんは22年前、ヒューマンになったんだよね。

そうよ。代わりに、父さんがニューマンになったの。私達、その頃から恋人だったから、

それぞれ違う選択にしたの。

秋山

…それ、何回か聞いたことあるな

今でも、その選択をしたこと、後悔してないわよ。

あなたは、結局どちらにしたの?

秋山

秋山

実は俺、

秋山

やっぱり、ヒューマンになることも、ニューマンになることも選べなくて………

えっ…?

秋山

サードになることにしたんだ。

そう…あなたも…

秋山

えっ、母さん何?

秋山

声が小さくて聞こえないよ

ああ、ごめんごめん

そっか、どちらにもならないって、そう決めたのね?

秋山

……うん

秋山

変かな?

変じゃないわ

秋山

今後、もし俺の性格や、立ち振る舞いが変わったとしても、

秋山

俺、母さんのこと、ずっとずっと大切だよ。

やぁねぇ

根性の別れみたいに言わないで

秋山

そうだよね、俺らしくない

そうよ!あなたらしくないわ。

もう二十歳なんだから、好きなように生きなさい

秋山

うん、そうだね

秋山

ありがとう。何か、母さんと話せて安心した。

やぁねぇ

・・・じゃあ、家に帰るときには、事前に連絡するのよ

秋山

うん

これからの人生も、悔いのない選択をしなさい。

いつも“あなたらしく”生きるのよ

秋山

………わかった

秋山

ありがとう、母さん

18時

秋山

すみません、戻りました

医師

秋山君だね!先程の看護師から私が引き継ぎました。

医師

ご家族への連絡は、済んだのかな?

秋山

はい

秋山

もう、大丈夫です

自分らしく。

母さんの言われた通りに生きよう。

医師

じゃあ、まずこの点滴を君に打ちます

秋山

鎮静剤ですか?

医師

麻酔です

医師

眠っている間に、全て終わりますからね。

医師

これを使うと、だんだん眠くなりますよ。

秋山

わかりました

医師

ゆっくり、瞬きをして下さいね。

医師

1・・・

医師

2・・・

秋山

医師

3・・・

秋山

緩やかに、意識が薄れていく。

次に目覚めたら、俺はきっとサードに生まれ変わっているのだろう。

今より、 幸せでいられますように。

自分らしく、 生きられますように・・・。

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