/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
タイトル、作家名、タグで検索
ストーリーを書く
テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
タイトル、作家名、タグで検索
ストーリーを書く
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！
目を開けると辺りは夜… 月も姿を隠した闇紫の空… 降りしきる雨が激しさを増す中 私はぬかるんだ地面を 仰向けの姿で倒れていた… 立ち込め臭うのは… 雨に湿気った草や路上の生臭さと… 他のものとは間違いようのない 鼻を突く硝石と火薬の臭いだ…
保安官
どこかから馬の足音が 響いて来るのが聞こえた…
それも一つや二つじゃない…
保安官
胸から背にかけて 強烈なまでの激痛が走る… 器官の奥から生暖かい液体が 込み上げてくる感覚に襲われ… それは口元から溢れ出し 流れ落ちていく… 辛うじて動く手で拭いそれを見ると…
保安官
？？？
保安官
声の主は保安隊の若手にして 私の部下でもあるジョンソンだ… ブラウンのテンガロンハットを被り… 私の目の前で片膝を着いて しゃがみこんだ…
ジョンソン
保安官
首から上だけ動かし痛む箇所を見る… そこには片手に握る太さの 長い木の破片が胸元深くに 突き刺さっていた…
保安官
思い出した… 護衛していた輸送物資を 積んだ馬車が襲われたんだった… 脇道に潜んでいた敵に気づかず… 通りがけに放り投げられた ダイナマイト… その導火線が燃え尽きるのが見え… 騎手を庇った拍子に 爆風で吹き飛ばされたんだった…
保安官
ジョンソン
保安官
悔しい… 善良な市民を死なせてしまったのか… そう思った次の瞬間…
パァン!パァンパァン!!
遠くから乾いた破裂音が何発も響くと同時 何かに当たり、飛び跳ねる音を響かせていた… 音から察するに… 数人からなる敵の射撃音だ。
ジョンソン
ジョンソンが私をかばいながら 腰元のホルスターから シングルアクションを引き抜いて応戦する… レッドアイブス… この近辺で強盗行為を繰り広げる連中だ… 構成員は数十人に登る… ダメだ… 今回護衛として参加した保安隊は私含め4人程度… 圧倒的に不利だ… こうしてはいられない…!!
保安官
器官に血が詰まる… 上手く声が出せない…！
ジョンソン
保安官
ジョンソン
苦しい等思っていられない… 伝えねば…！ 血を口から零しながら乱暴に声を張る
保安官
ジョンソン
保安官
一瞬視界が真っ暗になった… 限界が近い… 最後の力を振り絞って… 私の胸元から保安官の証たる シルバースターを引きちぎる… 本来は汚れなき白銀の星… 今は爆炎にあぶられ 燻銀と化したそれを ジョンソンに差し出す…
保安官
「後は託します…」 そういいかけると共に手の力が抜け… 重りのように垂れ下がる…
ジョンソン
一瞬目元に涙を浮かべたジョンソンが顔を背ける… そして… 覚悟を決めた顔でバッチを手ごと掴んで言った…
ジョンソン
背を向け、飛び交う銃弾の中を駆け抜ける… あぁ… とても凛々しく… 立派な姿だ… ジョンソンの後ろ姿を見守り… 徐々に瞼を閉じていった…
薄れゆく意識の中… いくつもの記憶が頭をよぎった…
これが走馬灯というものなのだろう… 両親が殺され… 戦う為に銃を取り… 信じるものの為戦った… 時に笑みを… 時に涙を零し… 多くの先達から教わった… 激動の時代… 親友と呼べるもの達ができた… 騎兵隊を指揮し… 南軍の砲声響く戦場を親友と共に駆け抜けた…
本当にロクな時代で無かった… そんな中 最愛の人ともめぐり逢えた… 数えられる程の部下と共に 誇りを持って街の平和も守った…
こんな形で終わってしまうとは… いや… 悪党とはいえ私も人を手にかけた… 殺される覚悟はできている…
そうして… 私の意識は… 静かに消えた…
1875年12月4日 アメリカ西部ネバダ州 広大な荒野の中 保安官█████・█・██████ 隣町への現金輸送護衛の折 近隣にて指名手配を受ける レッドアイブス強盗団の 待ち伏せを受け戦死。 投擲されたダイナマイトによる 深度3相当の上半身火傷 及び破壊された馬車の車輪片による 心臓損傷と出血多量が死因である 享年38歳 自由と暴力が蔓延る時代にも関わらず 善良な人々が平和に生きる姿を愛する… 博愛精神に溢れる正義の守り手であった…
/s/[storyId]/_containers/next-in-series-container/next-in-series/assets/list-icon.c10ab777f3210550.svg){kind=icon}
作品ページ