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???
保安官
目をつむる私に対し… 聞き覚えのない声が語りかけてくる… 誰だろう…
???
…今考えを読まれたのか?
???
ゆっくり眼を開けていく…
立ち上がって辺りを見た。
果てしなく広く… しかし真っ暗だ… 壁のような存在を感じられない空間… 現実感というものが全くなかった… 視線を正面に移すとそこには一人の人物が立っていた… 顔がよく見えない… いや正確にいえば見えている… だが常に変化しているような… とにかくどんな顔か聞かれても答えに困る顔をしていた…
???
身長は高い… 目算で180cm程に見える… やや細身か…
???
・・・ 辛うじて男性と取れる声は… 涼しさを思わせる透き通った声d
???
あの人の考え読むのやめて貰っていいですか💢 そういうの本当嫌なんで💢 何自慢か知りませんが 一々鬱陶しいんですけど💢
???
はぁぁぁぁぁぁ……
保安官
???
保安官
???
保安官
???
保安官
???
保安官
一瞬残したものたちの顔が 脳裏を過ぎる…
ジョンソン
カスター
アメリア
私の大切な者達…
保安官
???
保安官
???
???
保安官
???
保安官
???
保安官
???
保安官
パッチン!
目の前の人物が指を鳴らすと… 遥か向こうから馴染みのある 椅子二つとテーブル一つが 音もなく近づき手前で静止する。 彼が片方の椅子を引いた…
保安官
???
言われるがまま腰掛ける 座った感触も私の知る通りだ。 そうして彼が反対側の椅子に 腰掛けてきた
???
保安官
???
保安官
???
保安官
???
なんと荒唐無稽な…
保安官
???
目の前の人物の話通りなら その出先とやらでもやることは 変わらないか… ただそうなると気がかりなことが ひとつある…
保安官
???
保安官
???
ますます理解に及ばん… 治安を乱すような輩なら 概ね何かしらの悪事に 手を染めているはず… それが犯罪者では無いなど…
???
保安官
???
今ひとつ現実味の湧かない話だった… 全く知らない他所といい… 武器道具の分際で力… まるでおとぎ話のような話信じるなど 到底正気の沙汰では無いのだろう… だがそれ故に私は期待してしまう…
保安官
それこそ… 私が強盗団から 吹き飛ばされる前くらいに 時間を戻して貰えるなら… また妻に会えるならば… 戦場だろうが地獄だろうが 喜んで飛び込んでみせる。
???
また心読みやがって…💢
???
目の前の人物の顔が ゆっくり下に傾いていく…
???
保安官
情けない事に目の前の存在に 奇跡を望んでしまった… このような状況に現れた… なら生き返る… 時間を戻す… そんな芸当だって可能なんじゃないか… そう本気で期待してしまった。 話を聞いた結果このザマだ… 所詮奇跡なんざ… 金目当ての宗教家共が 嘘方便を並べるための商売口上… 「期待して損した…」 席を立ち上がり身を翻して 立ち去ろうとする。
保安官
???
保安官
足早に立ち去りかけたその足が止まる… 背中越しにその声を聞いた…
???
保安官
「人が気に病んで仕方の無い事を…」 怒りが込み上げた… 振り向きざま… 乱暴に近寄ってソイツの 胸ぐらを掴んだ。
保安官
???
保安官
???
保安官
奴が掴みかかっている私の腕に 両手で強くしがみついてくる…
???
保安官
悲痛に訴えてくるその叫びから… 語られる言葉が真実だと直感した… 手を離すと同時…男は両手をテーブルにつき…! 身を震わせてこちらを真っ直ぐみるような素振りを見せる
???
「この通りだ!!」
そう叫び…額がテーブルに当たるほど深く頭を下げてきた…
保安官
私も姿勢を正して座り直す。
保安官
直後、勢いよく頭を上げて 食い入るように顔を向けてくる…
???
保安官
彼が目を瞑り、少しの沈黙の後 拳を胸に当てて言った…
???
…
保安官
椅子からゆっくりと立ち上がり…
彼に背を向けまぶたを閉じる…
在りし日…私が残したもの達を想う… 押し寄せるのは悲しみ… 「彼らと共にもう歩めない…」 その事実が今になって胸を苦しめる…
まず思い描いたのは… 保安隊の皆… こんな形で後を託さねばならない… 本当に心苦しい…
ジョンソン
ジョンソン… 若輩のあなたに背負わせなければならない… 未熟な私はなんて酷い上官か…
カスター
ジョー… 君が書いてくれる勇ましい戦功手紙… もう受け取れなくなってしまいました…
そして…
アメリア
愛する私のアメリア…… 幸せにすると言っておきながら 君を不幸にしてしまった… 夫としてこれほどまでに残酷な裏切りは無い… 本当にごめんなさい… 許されるならばもう一度だけでいい 君を抱きしめたい… 「心から愛している」 その一言だけ伝えたい…
気がつくと私の頬を一筋の涙が伝った… そんな私の心を読み取ったのか… 背にした彼が立ち上がり… テーブル越しの私の横にたって手をかざしてきた…
やがて… その手元から暖かな光が灯り… この身体を包み込む… 驚きと共に、彼の方に体を向けた…
???
身体の中に何かが入り込んだ… 不快感が無ければ苦痛もない… きっとこれはかつて… 聖人と呼ばれたもの達が 賜ったものと同じなのだろう…
私の体は自然と… 目の前の者… いや目の前の御方の前で両手を握り 片膝を地面に着ける 祈りの姿勢を取った…
保安官
ゆっくりと頷いた御方が… 次第にその手に灯した光を消していき… 再び辺りは暗闇に包まれた…
???
保安官
???
保安官
???
パッチン
指を鳴らした… 直後私がいる床が筒抜けて 身体が一気に下に落ちた…
保安官