それから年月はゆっくりと流れて
俺たちは高校生になった
みこちゃんは高校2年生、俺は高校3年生
幼い頃から続けていた歌の練習は
今や毎日の習慣になっていた。
学校が終わるとすぐに制服を脱いで、
部屋着に着替える。
それから俺は、みこちゃんの部屋にある
小さな机にノートパソコンを置いて
そこから伴奏を流して、歌の練習を始める
みこちゃんは俺の隣に立ち、
目を閉じてゆっくり息を吸い込んだ
黄_
翠_
伴奏が流れ始めると
みこちゃんの歌声がスッと空気に溶け込んだ
みこちゃんの声は昔から透明感があって
まるで水面に浮かぶ月光のようだった。
黄_
その歌声を聞いてると
俺はいつも少しウルっと来る
翠_
翠_
黄_
みこちゃんは上手くいかなくても、何度もやり直す。
その姿に俺は心の中で、何度も嬉しくなった
みこちゃんも本当に音楽が好きなんだなって
休憩時間は2人で机に肘をついて水を飲みながら、
将来の話をする。
黄_
翠_
翠_
黄_
黄_
翠_
翠_
そう言って笑い合う瞬間が
何よりも心を暖めてくれた
週末には録音した歌を2人で聴いて、
良かった所や改善点をメモしていく、
最初はスマホのボイスレコーダーで撮っていたけど
最近は安いコンデンサーマイクを買った。
黄_
翠_
黄_
将来は2人でお金を集めて、
立派な機材を揃えるのが夢。
学校では普通に授業を受け、
家では音楽に没頭する
毎日は忙しいけど、あまり苦ではなかった
黄_
みこちゃんがぽつりとそう言った夜、
俺は自分の胸の奥がじんわり熱くなるのを感じた。
翠_
翠_
翠_
その言葉が、確かに小さな希望になっていた。
夢はまだ遠いけど、
2人で歩いている限り、
どこまでも行ける気がした。
翠_
黄_
翠_
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