「私の人生は曇り空」
何処かで感じていた想いだった
何をやっても 上手く行かなくて
後ろ指を指されては俯いて
その度に涙を流してきた
──死ぬ日は 雨がいいな──
そんな思いが
いつからか
脳を締め付けていた
ほら、ね。
誰もが私を見下して 軽蔑して
笑われて 奪われて
何度も
──苦しくなる
──泣きたくなる
──死にたくなる
私は頑張ってる
私は、もう頑張った…よね
うん…
1ヶ月後に死のう。
こんな人生、終わらせたい
もう、良いよね…
これが丁度 1ヶ月前のこと
惣闇色の空に 穴が空いたみたいに
ポッカリと浮き出る丸い月
それがスポットライトみたいで
今だけ世界の主人公に なったみたいだった
私
そっと呟いても
誰にも聞かれない屋上
最期まで 報われない生涯だった…
私
私
×××
屋上の柵を 乗り越えようとした時
服の裾を引っ張られた
振り向くと 小学校低学年くらいの少年
×××
その子は感情がないみたいに
光のない目をしていた
私
私
うざったいように手を振った
だけど少年は裾を離さなくて
×××
×××
私
私ってショタコンだっけ…?
丸い瞳に見つめられて
断れなくなってしまった
私
私
夜が明けたら飛べないから
そのことは言わないでおいた
それから私は
ある物語の話をした
私
×××
興味深そうに聞く少年
私の声に力がこもる
私
私
私
×××
×××
パチパチと手を鳴らす少年
その笑顔につられて 頬が緩んだ
私
×××
私
×××
私
×××
私
×××
そっぽを向いて言う少年は
何処か愛らしくて
微笑ましくなった
×××
私
×××
私
YESの答えが出せないのは
笑顔で回答できないのは
私が死のうとしてるから
だから、誤魔化すみたいに
少年の頭を撫でた
その瞬間、幸せな空気を かき消すような強風が吹く
私
思わず瞼を閉じて
もう一度開けた
だけど そこに少年は居なくて
私
私
何度呼んでも 返事は無くて
姿も見えなくて
私
私
そう思うと
悲しくなって 一つ、二つと涙が溢れた
私
私
私
少しでも期待した 自分が馬鹿らしくなる
あぁ…やっぱり
こんな自分大嫌いだ
ゴミが溜まるみたいに この「死にたい」が
いつまでもまとわりついて 募ってゆく
私
私
私
力なく立ち上がり よろよろと柵に近づいた
柵を越えて下を見る
地上8階からの風景は 何処か懐かしくも新鮮だった
ポツッ…ポツッ…
私
タイミングよく 死を催促するように
大粒の雫が頬を打つ
私
私
私
最期の雨のせいで
少しだけ世界を 好きになれた気がするよ
そう思いながら堕落して
私は死んだ
コメント
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うん!
分かった笑 かりいちゃん、って呼ぶね♪
つっちんって呼びたいって♪