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春。 桜の花びらが、風に乗って ゆらゆらと舞い落ちる。
桜井凛
私立桜ノ宮学園。 制服のリボンをきゅっと結び直して私は校門をくぐった。 緊張と期待が入り混じった胸の鼓動がいつもより少しだけ速い。
???
???
振り向くと、青髪の少年と金髪の少年が走ってくる。2人ともどう見ても”普通の登校風景”とは言い難い勢いだ。
ころん
るぅと
ころん
るぅと
桜井凛
思わず小さく笑ってしまう。 どうやらこの学校、楽しい人達が多そうだ。
源健一
桜井凛
ドアを開けて、1歩前へ。 教室中の視線が一斉に集まる。
桜井凛
ころん
るぅと
ざわざわと賑やかになる教室の中で隣の席の男子が優しく声をかけてくれた。
みこと
桜井凛
桜井凛
その後ろから、少し眠そうな目をした男子が顔を上げた。
すち
桜井凛
すち
桜井凛
桜井凛
教室の空気が少しずつ和らぎ、私はようやく笑顔になれた。
〜休み時間〜
ころん
桜井凛
ころん
るぅと
ころん
るぅと
桜井凛
みこと
すち
桜井凛
少しずつ、このクラスが”自分の居場所”に思えてきた。
放課後。 帰り支度をして外に出ると、 夕方の風が心地よい。
校門の近くの桜並木が、 春の光に染まっていた。
桜井凛
風がふっと吹いて、ポケットに入れていたハンカチが舞い上がった。
桜井凛
慌てて追いかけるけれど、 風が強くて掴めない。
ハンカチはふわりと空を舞い 誰かの手にすっと掴まれた。
???
振り向いたその先にいたのは、 柔らかい笑みと、どこか明るい関西弁の声。
ジェル
夕日に照らされた彼の髪が、 きらきらと輝いていた。
桜井凛
ジェル
桜井凛
ジェル
桜井凛
ジェル
彼は笑いながら、桜の木を見上げる。
ジェル
桜井凛
ジェル
桜井凛
ジェル
桜井凛
桜井凛
ジェル
桜井凛
風が吹く。 桜の花びらが2人の間を舞い落ちる。
彼が去った後、胸の奥が少しだけ 温かくなった。
桜井凛
教室に戻ると、 みこととすちがまだ残っていた。
みこと
桜井凛
ころん
るぅと
莉犬
桜井凛
ころん
すち
みんなの反応に、 凛は思わず笑ってしまう。
桜井凛
胸の奥が、ほんのり熱くなる。
春の空に舞う桜のように、 心が柔らかく染まっていく。
ーーこうして、 桜井凛の新しい学園生活が 始まった。
まだ知らない沢山の出会いと、 恋の始まりを予感させる春の午後。
桜の花びらが、静かに風に乗って、 空へ舞い上がっていった。