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たかゆー
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たかゆー
たかゆー
第1章 無音の存在
第2話 時間が分からない
時間という概念があることは知っている。
それは、過去と現在と未来を 分けるための枠組みで
出来事を順番に並べるための道具だ、 という理解もある。
だが、今の状態では、そのどれも 確認できない。
「今」という言葉を使ってみる。
今、考えている。
今、存在している。
だが、その「今」が、いつから 続いているのかは分からない。
始点が存在しない以上、 長さを測ることもできない。
終わりについても同じだった。
これがいつ終わるのか。
そもそも終わるという事象が 起こり得るのか。
終わった状態を想像することはできる。
思考が止まる、という仮定も立てられる。
だが、それは想像であって、 経験ではない。
経験という言葉が、ここでは 奇妙な響きを持つ。
経験とは、何かが起こり、 それを認識することだ。
だが、起こったことを示す 手がかりがない以上
経験したかどうかを判断する 基準が存在しない。
時間が進んでいると仮定する。
その仮定を置かないと、何も考えられなくなるからだ。
だが、進んでいる証拠がない。
変化がない。
変化を示す指標がない。
同じ思考が
同じ形で
同じ位置に留まり続けている。
「同じ」という判断すら、実は曖昧だ。
前の状態と比較しているつもりでいるが
前の状態を保存しておく 場所が存在しない。
記憶はある。
だが、それが「さっき」なのか 「ずっと前」なのかは分からない。
数を使ってみる。
一つ、二つ、三つ。
順番に並べることはできる。
だが、並べ終えたあとで、 何が変わったのかが分からない。
数えたという事実だけが残る。
数えた時間が、どこにも記録されない。
待つ、という行為について考える
待つとは、時間の経過を 前提とした行動だ。
だが、経過を確認できない以上
待っているのかどうかも分からない。
今は待っている状態なのか。
それとも、ただ存在しているだけなのか。
見えないから
聴こえないから
触った感覚すらもないから
区別がつかない。
焦りという感情があることは知っている。
退屈という感情も知っている。
不安という言葉も、記憶の中にはある。
だが、それらを今ここで 適用することはできない。
適用するための状況が、 定義できないからだ。
変化がない以上、 感情が生じる理由も存在しない。
時間が存在しないわけではない。
そう結論づける。
存在しないのではなく
確認できないだけだ。
確認できないものは
存在しないものと、 ここでは同じ扱いになる。
その事実だけが、 静かに積み上がっていく。
名前を再確認する。
じゃぱぱ
この名前が浮かぶ回数が 増えていることに気づく。
増えている、 という表現も正確ではないが
少なくとも、繰り返されている。
名前は、時間の 代わりになっているのかもしれない。
思考が一巡したことを示す、 目印のようなもの。
だが、それも推測にすぎない。
今がいつなのか。
どれくらいここにいるのか。
それらは、依然として分からない。
分からない、という状態だけが
分からないまま
続いている
たかゆー
たかゆー
たかゆー
たかゆー
たかゆー
たかゆー
たかゆー