1週間の命へ〜5話〜

目が覚めた

朝だった

あいつの顔がうかぶ

今日は……学校だ

いつもは嫌なのに

あいつがいれば楽しみになる

日曜のことを聞こうかな

また、くだらない話をしようかな

あいつから話しかけてくれるかな…。

気づいてくれた

嬉しくて舞い上がりそうだった

今日はもう……

なぁんにも、気にしないっ！！

幸せだ

明日も頑張れるよ、これで

嫌だった

あいつの前で

未来の話をするのが

嫌だ

だってあいつは……

将来、私の隣にいることなんて

将来、この世に存在することなんて

ないんだよ……

僕が…死ぬ？

何を言ってるの、母さん

ねぇ、何を言ってるの、父さん

今まで……僕…元気だった

何度も倒れた

何度も学校を休んだ

何度も…何度も。

僕は…病気だったんだ

もうすぐ……死んでしまう、病気。

大人に…なれない病気。

僕は……なんの為に……

ここまで……

ここまでっ……！

きっと

その日の出来事は

あいつが初めて味わう……

絶望と

神様への……

怒りだったと思う

こいつはどうして

こんなにも、輝いているんだろう

未来がなくて

辛いはずのに

輝いて

笑って……

神様、こいつは

私の、生きる意味……

でも……

それは……

儚い、命……

あいつが旅立つまで、あと3日＿。

1週間の命へ〜5話〜 〜END〜

次回

朝、目が覚めると嫌な予感が……。

神様への叶わぬ願い

命って…… こんなに儚いものだったっけ…？

あいつが旅立つまで、あと2日＿。

(๑σ∀σ)ฅ”しーゆー。