side 律
俺たちはいわゆる幼馴染だ。
お互い初めて会ったのは小学生の時で、仲良くなったきっかけは蒼が俺の家の隣に引っ越してきたことだった。
その頃から蒼と俺は暇さえあればお互いの家でゲームしたりとよく遊び、お互い一番仲の良くて気の合う友人だった。
蒼と俺は真反対のタイプで、 クラスでつるむ友人も異なっていたけど なぜか居心地がよく、 お互いが何を考えているのかすぐ分かるほど、気心知れた仲だった。
中学に入ってから蒼はサッカー部に入り クールだけどノリの良い性格から男女問わず人気者となった。
かという俺は、中学3年生の時に生徒会長に推薦され就任、 生徒会活動に勤しみながら、 学業と両立した中学生活を送った。
だが3年生の夏、蒼は両親の仕事の都合で転校していった。 蒼の転校後も俺たちは連絡を取り合っていたが、高校受験を控え、無事高校に入学した時には蒼の連絡先は変わっていて、お互い無通状態になった。
その後、全く蒼の現状を知ることなく高校を卒業。 俺は今年の春からT大学に進学することとなる。 そして入学式、新たな出会いに期待を込め正門をくぐり歩いていると…
蒼
律!
律
??
蒼
久しぶり。
元気してた?
元気してた?
律
!!
律
蒼?
蒼
覚えてた。
俺のこと忘れたかと思ったよ。
俺のこと忘れたかと思ったよ。
律
いや、覚えてるよ
律
元気してたけど、
というか、、
もしかして蒼もT大なの?
というか、、
もしかして蒼もT大なの?
蒼
うん。まあね
蒼
また、よろしく。
律
ま、じか
律
相変わらず淡々としてるな…
律
(びっくりした…。
まさかこんな所で蒼に会うとは…しかも同じ大学!)
まさかこんな所で蒼に会うとは…しかも同じ大学!)
蒼
そうゆう律も相変わらずじゃん
すぐ分かったし
すぐ分かったし
律
俺そんな変わってない?
律
(てかまだ余韻が抜けない…)
律
中学の時からだから、なんだかんだ3年半前だよ
蒼
変わってない
蒼
髪は茶色に染めてるけど、
歩き方とか
歩き方とか
律
歩き方?
まあ、わかるけど
まあ、わかるけど
律
蒼はなんか、でかくなった
蒼
まあね
あれから25cm伸びて、今182cmだから
あれから25cm伸びて、今182cmだから
律
でかいよ…
少し分けてよ
少し分けてよ
蒼
それは無理。
でも律も伸びたよ。3年半だもんね。
でも律も伸びたよ。3年半だもんね。
律
まあね。
蒼
なんか大人っぽくなった。
律
そうかな?
蒼
口調と性格は相変わらずだけど
あと歩き方も
あと歩き方も
律
さっきから、歩き方いじりなんなん
律
でも蒼も元気そうでよかった。
これからガイダンス?
これからガイダンス?
蒼
いや、俺の学部は午前に終わったから。
これから兄さんのバイト先に忘れ物届けに行くとこだよ。
これから兄さんのバイト先に忘れ物届けに行くとこだよ。
律
そっか、俺はこれからだよ。
純君!元気してるんだ。
純君!元気してるんだ。
蒼
うん、元気だよ。
今は兄さんのアパートで2人暮らししてる。
今は兄さんのアパートで2人暮らししてる。
律
そうなんだ!
蒼
律は一人暮らし?
律
うん。
○○駅が最寄り。
○○駅が最寄り。
蒼
そっか。
また、遊びに行っていい?
また、遊びに行っていい?
律
いいよ。
まだ何もない部屋だけどね。
まだ何もない部屋だけどね。
蒼
うん。じゃあまた。
あ、連絡先交換しよう。
あ、連絡先交換しよう。
律
うん!
交換中
律
じゃあまた!
律
純君にもよろしくね!
蒼
うん、また連絡する。
律
OK〜
そうして劇的な再会を果たした蒼と俺。 この後、すっぽり空いた3年半を埋めるかのように俺たちの歯車はまた動き出していく。