僕は珍しい身体をしていた
外見からではわからないが、脳も胃も心臓も肝臓も、生まれつき全ての臓器が 通常とは異なった形をしていた
ネットによると、同じ形状の臓器群を持つ人間は数万人に1人らしい
しかし、一般的にはそれ自体は問題ではない
形状の差はあっても、正常に動作するからだ
だが、僕の場合は問題だった
心臓の難病に陥ってしまった僕は、移植手術を受けることができなかったのだ
ドナーが足りない
同じ理由で、各種の臓器移植を受けられない患者は世界中に何人もいて、ドナー待ちは列をなしている状態だった
僕
僕は毎晩、病室の窓から空に向かって呟いた
流れ星にかけた願いは叶うと、看護師さんに聞いたからだ
それは真実だった
僕は移植手術をおこなうことができた
しかも
なんと
3回もだ
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解説 僕はドナーとして3回手術台に乗った